消退出血(ピル服用後の生理)とは?出血の期間と量、妊娠の可能性は?

1. 消退出血とは?

消退出血は、エストロゲン(卵胞ホルモン)もしくはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量低下によって起こる子宮からの出血です。

広い意味では、生理や排卵出血も消退出血の一種です。いわば、「自然な消退出血」というイメージです。

ただし、低用量ピル・アフターピルなどで人為的に起こった出血を消退出血と呼んで、区別することが多いです。

つまり、消退出血とは、ピル服用中の生理のことであるとも言えます。

2. 自然な消退出血について

消退出血(ピルを用いて人為的に起こす子宮からの出血)について説明する前に、生理や排卵出血といった自然な消退出血(自然におこる子宮からの出血)」についてまず確認させてください。

生理が起こるしくみ

エストロゲンには子宮内膜を分厚くする働きがあり、生理終了後~排卵前に多く分泌されます。

プロゲステロンには子宮内膜の厚みを保つ働きがあり、排卵後~次の生理開始までに多く分泌されます。

排卵後、妊娠が成立しなかった場合は、プロゲステロンの分泌量が減少します。

その結果、子宮内膜の厚みを保てなくなり、子宮内膜の一部がはがれて生理が起こります。

個人差が大きいですが3~7日ほど出血が続き、しばしば下腹部痛など(生理痛)をともないます。

排卵出血が起こるしくみ

排卵前後の1~3日間で起こる少量の出血は、排卵出血と呼ばれます。

排卵が近づくと一時的にエストロゲンの分泌量が減り、子宮内膜からわずかに出血することがあります。

また、卵巣から卵子が飛び出すときのわずかな出血が体外に出てくることもあります。

3. アフターピル(緊急避妊薬)による消退出血

アフターピルとは?

ここからは、消退出血(ピルによる出血)について説明していきます。

まず、アフターピルとは、事前に飲む低用量ピルとは違い、性交後72時間以内に服用すると高い確率で妊娠を防ぐことができるピルのことです。

妊娠を望まないカップルが避妊に失敗した場合、アフターピルを使用することがあります。

ホルモンバランスを急激に変えてしまうので、吐き気・嘔吐などの副作用をともなうことがあります。

アフターピルの仕組みと作用

アフターピルには、高濃度のエストロゲン・プロゲステロンに似た成分が含まれています。

排卵前にアフターピルを服用した場合、排卵を抑える作用があると考えられます。

排卵後にアフターピルを服用した場合、受精や着床を妨げる作用があると考えられます。

いずれも、強制的にホルモンを増やすことで本来起こるはずのホルモン分泌を抑えるしくみです。

アフターピルによる消退出血が起こる時期

服用時期によりますが、服用後3日~3週間以内に消退出血が起こります。

この期間内に消退出血が起これば、避妊に成功したと考えてよいでしょう。

排卵前~排卵直後に服用した場合

服用時期が排卵前~排卵直後であれば、数日~2週間後に消退出血が起こります。

本来の生理予定日にも通常通り生理が起こるため、1ヶ月に2回出血することになります。

排卵後数日以上経ってから服用した場合

排卵後数日経ってから服用した場合、通常の生理予定日とほぼ同じ時期に消退出血が起こります。

アフターピルによる出血と本来の生理が同時に起きていることになり、生理の回数には影響しません。

アフターピルによる消退出血と生理の違い(期間の長さ・出血量)

排卵前~排卵直後に服用した場合

排卵前~排卵直後は、生理で剥がれるはずの子宮内膜が十分育っていません。

そのため普段の生理に比べて出血量が少なく、出血期間も短くなる傾向があります。

排卵後数日以上経ってから服用した場合

排卵後に服用した場合の出血量・期間は、普通の生理とそれほど変わりません。

ホルモンバランスが乱れ、出血量が増えることも

アフターピルを服用すると、ホルモンバランスが大きく変わります。

そのため普段の生理に比べて出血量が増えたり、痛みが強くなったりすることもあります。

アフターピルの服用後、消退出血があれば妊娠はない?

消退出血は、アフターピルが効いた結果、妊娠が成立せずに子宮内膜が剥がれることで発生します。

そのため、消退出血があれば、その前日までの性交渉による妊娠の可能性はなくなります。

ただし、アフターピルによる妊娠阻止率は84%で、絶対に避妊できるというわけではありません。

たとえば、排卵がいつもより遅れている場合、アフターピル服用後に性交渉をして妊娠する可能性もあります。

アフターピルを飲んだあと、3週間待っても消退出血が見られない場合は、妊娠検査薬を使うか、婦人科で妊娠をしていないかどうかの検査を受けるようにしましょう。

4. 低用量ピルによる消退出血

望まない妊娠の防止や婦人科系疾患の治療に、低用量ピルを使用することがあります。

低用量ピルには、アフターピルと同じくエストロゲン・プロゲステロンに似た成分が含まれています。

この成分によって体内のホルモンバランスが妊娠に近くなり、排卵が抑制されます。

アフターピルより効き目がおだやかですが、人によっては副作用が出ることもあります。

また、効果を持続させるためにほぼ毎日飲み続ける必要があります。

低用量ピルは、大きく分けて2種類

21日タイプ

1か月分として、21錠のピルが処方されるタイプのピルです。

生理周期に合わせて21日間服用を続け、その後7日間は休薬期間として服用を止めます。

服用を止めると、2~5日後に消退出血が起こります。

28日タイプ

21日タイプの短所として、休薬期間後に飲み忘れやすいことが挙げられます。

これを防ぐため21日間は効果のある実薬を飲み、残り7日間は効果のない偽薬を飲むのが28日タイプです。

偽薬といっても決して危険なものではなく、あくまで飲み忘れを防ぐためのものです。

偽薬を飲み始めて2~5日経つと、消退出血が起こります。

低用量ピルによる消退出血と普段の生理の違い

普通の生理の場合、分厚くなった子宮内膜からプロスタグランジンという物質が分泌されます。

プロスタグランジンには子宮収縮作用があり、下腹部痛など(生理痛)の原因となります。

低用量ピルを使うと、プロスタグランジンの分泌量が少なくなる

低用量ピルを使った場合は排卵が起こらず、子宮内膜もそれほど分厚くなりません。

そのためプロスタグランジンの分泌量が減って下腹部痛が軽くなり、出血量・期間も少なめになります。

5. ピルと消退出血の関係を確認しておこう

低用量ピルやアフターピルを服用した後は、自分が思っていたのとは違うタイミングで出血があるので、不安になりがちです。

ピルを飲んだあとに消退出血が起こることは異常なことではないので、心配のいらない場合がほとんどです。

病院でピルを処方してもらった時に、消退出血の現れ方について事前に医師に確認しておくと、いざというときあわてずにすみます。

医師としっかり相談して、使うようにしてください。

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