
1. 子宮口が開くのはなぜ?
出産の準備が整った証
お産のときに赤ちゃんが通る、子宮口から膣、外陰部に続く部分を「軟産道」といいます。
軟産道は筋肉でできており、陣痛が起こって子宮収縮が始まると、プロスタグランジンE2というホルモンが分泌され、柔らかくなります。
その結果、子宮口が開き始めます。
つまり、子宮口が開くのは、出産の準備が整ったということです。
子宮口が開くときの感覚
子宮口が開き始めるとき、おしるしやお腹の張り、おりものの増加がみられることがあります。
ですが、無自覚のまま、本陣痛が始まるママも多いです。
2. 陣痛がきても子宮口が開かない原因とは?
軟産道強靭が原因
一般的には、お産が進行して十分に子宮口が柔らかくなり、開きやすくなると、プロスタグランジンF2aの分泌が始まり、徐々に陣痛が強くなっていくものです。
ですが、中には「軟産道強靭」とい、筋肉が柔らかくならず、なかなか子宮口が開かないママもいます。
軟産道強靭は体質によることが多く、加齢に伴い軟産道が硬くなる、緊張していることも、原因となります。
微弱陣痛につながることも
軟産道強靭により子宮口が開かない状態が続くと、陣痛が弱すぎる「微弱陣痛」につながり、お産が長引く可能性が高いです。
3. 子宮口を開くための対処法は?
いろいろな対処法がある
硬くなっている軟産道をほぐす方法が、いくつかあります。
身体を動かす
分娩第一期(開口期)で、身体を動かすことができるなら、産院内を歩く、身の回りを片付けるなどして、筋肉をほぐすようにしましょう。
また、階段昇降やスクワットといった、股関節を柔らかくする動きも効果的です。
腰痛があり動くのが辛いときには、あぐらをかいて座り、ストレッチをしましょう。
こうした運動は、臨月に入ったあたりから始めておくと、産道が開きやすくなります。
身体を温める
身体が冷えると、血行が悪くなります。
血行不良になることで、筋肉や身体が硬くなることは、軟産道の柔らかさにも影響します。
身体の中でも、特に足を温めると、こわばった筋肉がほぐれやすくなります。
リラックスを心がける
陣痛の痛みで落ち着きをなくし、これから迎える出産を思って緊張すると、筋肉もこわばってしまいます。
付き添ってくれる家族や助産師さんと話をするなど、心身ともにリラックスできるよう、心がけましょう。
呼吸法を試す
お産を進めるためには、リラックスすることが大事です。
リラックスするために、呼吸法を取り入れることも、選択肢の一つです。
陣痛がそれほど強くないときには、3秒かけてゆっくり鼻から吸い、3秒かけて口から吐くことを、ワルツのリズムである三拍子で行うのがおすすめです。
陣痛が強くなってきたら、2秒鼻から吸い2秒で口から吐き、さらに子宮収縮の痛みが激しくなったら、1秒吸って1秒吐くペースにします。
陣痛の段階に合わせて、使い分けてください。
ラズベリーリーフティーを飲む
ラズベリーリーフティーは、ヨーロッパでは「安産のお茶」といわれています。
陣痛を和らげ、子宮収縮をサポートする働きがあるとされています。
そのため、水分補給の際にあらかじめつくって冷やしておいた、ラズベリーリーフティーを飲むのもおすすめです。
臨月に入ってから、1日1~2杯、ラズベリーリーフティーを飲む習慣をつけておくと、お産が進みやすくなるのでおすすめです。
治療が必要なこともある
お産が進まず、ママや赤ちゃんの体力が消耗が激しいときには、医療処置を行うことがあります。
陣痛促進剤を使用する
子宮口が開かないと場合、陣痛が上手についていないことも多いです。
そのため、陣痛促進剤を使用することがあります。
陣痛促進剤を使うと、子宮収縮の痛みが激しくなる傾向が強いので、心の準備をしておきましょう。
バルーンを使用する
なかなか子宮口が開かないときには、産道を広げるバルーンを挿入することもあります。
緊急帝王切開に切り替える
陣痛促進剤やバルーンを使っても子宮口が開かない、あるいはお腹の赤ちゃんの心拍が落ちてきた場合は、緊急帝王切開に切り替えることがあります。
赤ちゃんの命が最優先なので、お医者さまの指示に従いましょう。
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4. 先輩ママの「子宮口が開かない体験談」
ペンペンさん(27歳)より
自宅で破水して病院に電話し、緊急入院しました。
ですが、病院では「子宮口はまだ全然開いていない」と告げられたのです。
本格的な陣痛が始まって12時間たっても、子宮口がなかなか開かず、歩くように言われましたが、嘔吐もしていたので、そんな余裕はありません。
ゆりかごのような椅子に座ったり、子宮収縮をさせるために助産師さんがおっぱいマッサージをしてくれて、数時間後にようやく子宮口が開いてきました。
子宮口は開いたものの、そこからなかなか赤ちゃんが下りてこず、陣痛が長引いたことが一番大変でした。
破水から丸一日たち、帝王切開の決断を迫られたとき、ようやく子宮口が全開大に。
最後は、自然分娩で出産できました。
引用元:陣痛から12時間たっても開かず