妊娠初期に眠れないのはなぜ?原因と対策は?睡眠薬は飲める?

1. 妊娠初期に眠れない妊婦さんは意外と多い

妊娠初期は、つわりの影響でずっと眠気があるという妊婦さんが多いものです。

その一方で、妊娠初期から中々眠れず、不眠になってしまう妊婦さんもいます。

不眠が原因で流産することはありませんが、夜眠れないととても辛いものです。

また、体調を崩しやすくなったり、つわりが悪化したりするケースもあります。

今回は、妊娠初期に眠れない原因や対策、使用できる睡眠薬はあるのかについてまとめました。

2. 妊娠初期の不眠の症状は?

妊娠初期の不眠、具体的な症状は?

ひとことで不眠といっても、その症状は実にさまざまです。

  • 昼も夜もずっと眠れない状態が続いている
  • 昼寝はできるのに、夜になると眠れなくなる
  • 寝つくのに1時間以上かかる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • つわりで気持ち悪くて眠れない

これらの症状が1つでも当てはまっている場合、不眠と言えます。

複数当てはまるほど、重度の不眠であると言えるでしょう。

妊娠初期に不眠になるとどうなる?

つわりの症状がひどくなる

不眠になると、疲れが取れず、つわりの症状がひどくなることがあります。

体調が悪くなる

つわりの症状のほか、不眠によって体調が悪くなってしまいます。

頭痛や胃痛、食欲不振などがあげられます。

精神に影響を及ぼすことも

妊娠初期はとても不安定な時期です。

不眠によって脳のはたらきが悪くなると、精神まで影響を及ぼすことがあります。

イライラしたり、気分の浮き沈みが激しくなったり、場合によってはうつ病になることもあります。

3. 妊娠初期の不眠の原因は?

妊娠初期に不眠になる原因は、まだはっきりとしたことは分かっていません。

ひとつの説として、妊娠したことによるホルモンバランスの変化が原因であると考えられています。

妊娠初期はさまざまなホルモンが分泌される

妊娠すると、胎児を育てる、出産にそなえて母体を変化させる、産後の母乳分泌をスムーズにするなどの目的で、さまざまなホルモンが分泌されるようになります。

  • エストロゲン
  • プロゲステロン
  • hcg(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
  • プロラクチン
  • リラキシン

受精卵が着床した時点で、「ホルモンを分泌しなさい」と脳から命令が出されます。

すると、卵巣や脳の下垂体からこれらのホルモンが分泌されるようになります。

妊娠すると、女性の体内では劇的な変化が起こるのです。

この急激な変化に対応できず、不眠の症状がでてしまうことがあります。

不眠の大きな原因は「プロゲステロン」

妊娠初期の不眠の原因として、「プロゲステロン」が分泌されることがあげられます。

プロゲステロンの役割は?

プロゲステロンは、月経周期でいうと高温期に分泌されるホルモンです。

基礎体温を上げたり、子宮内膜を維持して受精卵の着床を助けます。

プロゲステロンは、妊娠中にも多く分泌されるホルモンです。

子宮の収縮を抑制したり、乳腺の発達を促したり胎盤を作る役割もある非常に重要なホルモンです。

プロゲステロンは眠気を引き起こす

プロゲステロンが多く分泌されると、眠気を感じるようになります。

昼間に眠くなってしまって昼寝をすることで、夜なかなか眠れなくなり不眠の原因になることがあります。

体温が高いと眠りにつきにくい

人間は、夜になるにつれて体温が徐々に下がっていきます。

これは、スムーズに入眠するために必要な体のメカニズムです。

しかし、プロゲステロンが大量に分泌される妊娠初期は、夜になっても体温がなかなか下がらないことがあります。

これにより、眠気を感じても寝つきが悪くなることがあり、不眠の原因になるのです。

妊娠初期は、常に緊張状態にある

妊娠初期は以下が原因で、心身ともに緊張状態にあると言えます。

  • ホルモンが急激に分泌されることで、からだが変化する
  • つわりの症状がでてくる
  • 妊娠、出産、育児に対する不安

昼も夜も脳やからだが緊張状態にあるため、なかなか入眠できずに不眠になることもあるのです。

4. 妊娠初期の不眠の対処法は?

妊娠初期の不眠の対処法をあげてみましょう。

昼はしっかりと動く

昼間に活動することが少ないと、からだがあまり疲れなくなります。

すると、夜になかなか寝つけず不眠になることがあります。

家事や仕事をしてしっかりとからだを動かすようにしましょう。

また、医師から許可が出ていれば、ウォーキングや軽いストレッチなどの軽い運動をするといいでしょう。

医師から安静の指示がでているときは

出血や下腹部痛の症状がでる「切迫流産」と診断されている場合は、医師から安静に過ごすように指示がでます。

この場合は、家事や運動はひかえ、できるだけ横になって過ごしましょう。

仕事、家事、運動は無理のない範囲で

妊娠初期はとても疲れやすい時期です。

仕事をしている妊婦さんは、上司に報告し、できるだけからだに負担がかからない部署に異動させてもらうなどの対処をしてもらいましょう。

つわりの症状がひどい場合は、家事も無理せずにおこなうようにしてください。

昼寝をする

プロゲステロンが多く分泌される妊娠初期は、どうしても眠気を感じやすくなります。

特に昼ご飯を食べたあとは、眠気がピークになることも多いです。

昼寝をするとすっきり活動できる

昼寝をすると、その後の活動が活発になることから、昼寝を推奨する医師も多くいます。

ごく少数ですが、昼寝を取り入れている企業もあるほどです。

昼寝は15~20分以内で!

昼寝をする場合、短時間で起きるようにしましょう。

30分以上昼寝をしてしまうと、夜の睡眠に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

15~20分後にアラームをかけて、さっと起きるようにしましょう。

寝る1時間前に入浴する

先ほども述べたように、人間は体温が高いままだと入眠しにくくなります。

入浴後すぐに寝付くことができないのはこのためです。

体温が低くなっていくタイミングがいちばん入眠しやすくなるため、このメカニズムを利用しましょう。

具体的には、寝る1時間程前に入浴することです。

すると、体温が下がり始めるころに眠くなるため、寝つきがよくなることがあります。

入眠しやすい環境をつくる

就寝前に入眠しやすい環境をつくるのもおススメです。

アロマを取り入れる

アロマはリラックス効果があり、就寝前に香りを楽しむことでスムーズに入眠できる作用があります。

ただし、妊娠中は使用できないアロマがいくつかあるため注意しましょう。

アロマ専門店で購入すると安心です。

また、妊娠初期はつわりの影響でアロマの香りがだめになってしまうケースもあります。

ハーブティーを飲む

ハーブティーは、神経を落ち着かせる作用があります。

就寝前に飲むと、スムーズに入眠しやすくなります。

しかしアロマと同様、ハーブティーも妊娠中に飲んではいけない種類があります。

飲む前に確認するようにしましょう。

ホットミルクを飲む

牛乳には、カルシウムが多く含まれています。

カルシウムは、神経が興奮するのをおさえるはたらきがあります。

これにより、スムーズに入眠しやすくなるのです。

あたためて飲むと、より入眠しやすくなります。

妊娠中はカルシウム不足になりがちなので、この方法を取り入れるといいでしょう。

寝る前のパソコンやスマホは厳禁

パソコンやスマホからは、「ブルーライト」という光が発せられています。

ブルーライトを長時間あびることで、睡眠のリズムをととのえる「メラトニン」の分泌が抑制されるという研究結果が数多くあります。

寝る直前にパソコンやスマホの画面を見ると、入眠しにくくなりますので注意が必要です。

どうしても必要な場合は、短時間におさえるか、寝る1時間以上前までに見るように心がけましょう。

5. 使用可能な睡眠薬はある?

妊娠初期に不眠になると、さまざまな不快症状があらわれやすくなりとても辛いものです。

妊娠初期でも使用できる睡眠薬はあるのでしょうか?

妊娠中の睡眠薬は基本的にNG

妊娠中は、基本的に睡眠薬はNGです。

睡眠薬に含まれる成分に注意

睡眠薬(睡眠導入剤)は、多くが「ベンゾジアゼピン系」です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、胎盤を通じて胎児に吸収されます。

妊娠期間中は、睡眠薬を安易に服用するのはNGです。

ちなみに、睡眠薬の成分は血液を通して母乳に移行します。

授乳期間中も睡眠薬の服用は基本的にNGです。

妊娠初期は薬の影響を受けやすい

妊娠4~12週までの妊娠初期には、胎児の心臓や手足、中枢神経など重要な器官が形成される時期です(絶対過敏期)。

この頃に服用した薬は、胎児に大きな影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

重度の不眠の場合は睡眠薬が処方されることも

不眠が続き、母体が弱っている場合は、母体を優先して睡眠薬が処方されることがあります。

この場合は、必ず医師の指示通りに薬を服用するようにしましょう。

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