妊娠初期に飛行機はダメ?流産リスクがある?放射線の影響とは?

1. 妊娠初期の飛行機に対する不安

妊娠初期に飛行機に乗る必要がある場合、乗ってもいいのかとても迷うものです。

飛行機に乗ると気圧が急激に変化するため、流産につながるのではないかという不安があるかと思います。

また、飛行機は上空1万メートルほどの高度になります。

妊婦さんにとっては、放射線が気になるところでしょう。

そこで今回は、妊娠初期に飛行機に乗る影響や注意点などについてまとめました。

2. 妊娠初期とはどのような状態?

妊娠初期とは、妊娠4~15週の時期をさします。

体調が悪い日が多い

妊娠初期は、さまざまなホルモンが急激に分泌されることで、体調が悪い人が多いものです。

妊娠初期にあらわれる不快症状は以下の通りです。

  • 下腹部痛や腰痛
  • 頭痛・胃痛
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢・便秘
  • 胸の張り
  • むくみ
  • 貧血
  • 眠気・倦怠感
  • 気分が晴れない、イライラする

妊娠初期は流産しやすい状態

妊娠初期は流産しやすい時期です。

流産は、全妊婦さんの約15%が経験していると言われています。

特に妊娠12週までに起こる流産は、全流産の80%を占めています。

ただし、この時期の流産は母体に原因があることは稀です。

ほとんどが胎児の染色体異常が原因だと言われています。

3. 妊娠初期に飛行機に乗っていい?

妊娠初期に飛行機に乗る予定がある人は、乗ってもいいのか迷うところです。

ANAやJALは、妊娠後期に飛行機に乗る場合の制限はしているものの、妊娠初期の制限はありません。

外国の航空会社も同様の傾向があります。

妊娠初期でも飛行機に乗ってOK

基本的に、妊娠初期でも飛行機に乗っても問題はありません。

飛行機に乗ることが流産の原因になることはありません。

医師から安静を指示されている人はNG

出血があるなど切迫流産の症状があり、医師から安静を指示されている人は飛行機に乗ってはいけません。

切迫流産とは?

切迫流産とは、出血や下腹部など流産の症状があっても、流産せずに胎児が母体にとどまっている状態です。

安静の指示が出る

切迫流産と診断されると、基本的に安静するように指示が出ます。

安静とは、シャワーや食事以外は横になって過ごすことです。

重度のつわりがある人もNG

吐き気がひどく食べ物や飲み物も受けつけない、吐いてばかりなど重度のつわりがある場合は、飛行機に乗らない方がいいでしょう。

機内のにおいや飛行機の揺れなどに敏感な時期なので、症状が悪化することがあります。

4. 飛行機に乗るとどうなる?

妊娠初期に飛行機に乗ることで、どのような変化があるのかみていきましょう。

飛行機に乗ることで起こる変化とは?

飛行機に乗ると、地上で過ごすときとはどのような違いがあるのでしょうか?

  • 気圧の変化
  • 酸素濃度が低下する
  • 長時間同じ姿勢で過ごす必要がある
  • 多くの人と密室で過ごす環境である
  • 地上よりも放射線量が多い

気圧の変化・酸素濃度の低下

飛行機では、特に離発着時に気圧や酸素濃度の低下が起こります。

気圧は、地上と比べると0.7〜0.8ヘクトパスカルほど低下します。

これは、富士山の5合目程度の気圧です。

また、酸素濃度も地上の約70〜80%になります。

そのため、妊婦さんは以下のような症状が起こりやすくなります。

  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • 吐き気

特に、妊娠初期から貧血の症状がある場合、頭痛が起こりやすくなります。

長時間同じ姿勢で過ごす必要がある

機内では、基本的にシートベルトをつけて過ごす時間の方が多くなります。

このため、長時間同じ姿勢で過ごす必要があります。

妊娠初期はむくみやすくなっているため、長時間同じ姿勢で過ごすことで「エコノミー症候群」になる可能性があります。

エコノミー症候群とは?

長時間同じ姿勢で座ることで血流が悪くなり、静脈など細い血管に血栓ができます。

血栓ができると、足のだるさやひどいむくみなどの症状があらわれます。

ひどくなると、激しい胸の痛みや呼吸困難、心拍数の増加、意識障害などの症状があらわれます。

これをエコノミー症候群と呼びます。

妊婦さんはエコノミー症候群になりやすい

妊娠中は体内の水分量が多くなります。

これに伴い血液量も多くなります。

このため、長時間同じ姿勢で過ごすと血流が悪くなりやすくなります。

エコノミー症候群には注意が必要です。

多くの人と密室で過ごす環境である

機内は多くの人と密室で過ごす環境です。

このため、感染症にかかるリスクがあがってしまいます。

妊娠中は抵抗力が落ちているため、注意が必要です。

地上よりも放射線量が多い

地球上には常に放射線が降り注いでいます。

基本的に、雲などで遮られていない上空の方が放射線量が多くなります。

このため、飛行機に乗ると放射線をより多く浴びるといわれています。

つわりの症状が悪化することも

妊娠初期は、ほとんどの妊婦さんにつわりの症状があります。

機内は独特のにおいにくわえ、日常とは違う空間で過ごすことになります。

このため、つわりの症状が悪化することもあります。

5. 妊娠初期の放射線の影響は?

妊娠初期の飛行機で気になる点として、「放射線による被ばく量」があげられます。

宇宙からは常に放射線が降り注いでいる

宇宙からは、絶えず放射線が降り注いでいます(自然放射線)。

普通に生活しているだけでも、年間1ミリシーベルト以下の放射線を浴びています。

自然放射線は蓄積しない

自然放射線は体内に蓄積されません。

被ばくをしても、比較的早く体外に排出されます。

普通に生活しているだけで、放射線による被ばくを心配する必要はないでしょう。

飛行機に乗ると、どれくらい被爆する?

飛行機は高度が1万メートルにまで達することがあります。

さえぎるものがない分、地上にいる時より多くの放射線をあびます。

飛行機での被ばく量は微量

飛行機に乗ることで被ばくする量は、日本とニューヨークを往復すると約0.2ミリシーベルトと言われています。

放射線の胎児への影響は?

アメリカの「産婦人科診療ガイドライン産科編2011」によると、放射線をあびることで奇形が発生する量は、「1度に50ミリシーベルトの放射線に被爆した場合」とされています。

飛行機に乗った程度の放射線では、胎児に影響は起こらないのです。

6. 妊娠初期に飛行機に乗る場合の注意点は?

妊娠初期は体調が変化しやすい時期なので、飛行機を利用するのは安定期に入ってからのほうが望ましいと言えます。

しかし、どうしても利用しなければならないケースもあるでしょう。

アメリカなどでは、飛行機は珍しい移動手段ではないため、妊娠初期でも多くの妊婦さんが利用しています。

妊娠初期に飛行機に乗る場合の注意点をあげてみましょう。

飛行機を予約する際、妊娠中であることを伝えておく

飛行機を予約する際、航空会社に妊娠中であることを伝えておきましょう。

以下のようにさまざまな気遣いをしてくれることがあります。

  • 座席を足を伸ばしやすい場所に指定してくれる
  • トイレの近くに席を指定してくれる
  • 妊婦マークをもらえ、並ばずに搭乗することができる

エコノミー症候群に注意する

先ほども述べたように、長時間同じ姿勢で過ごすことで、足に血栓ができてエコノミー症候群を発症することがあります。

しかし、エコノミー症候群は簡単に予防することができるのです。

30分に1回のペースでからだを動かす

エコノミー症候群を予防するいちばんの方法は「軽い運動」です。

30分に1回のペースで構いませんので、軽い運動をするようにしましょう。

足を伸ばしたり、足の指をよく動かす程度の運動で良いでしょう。

また、シートベルト着用サインが消えているときに、こまめにトイレに行くのもよいでしょう。

水分をこまめにとる

からだの水分が不足すると、血液の循環が悪くなり血栓ができやすくなります。

トイレに行きたくなるのを嫌がり、水分をあまりとらない妊婦さんも多いものです。

エコノミー症候群を防ぐためにも、水分をこまめに補給するようにしましょう。

エチケット袋を持って行く

妊娠初期は、急に体調が悪くなることがあります。

機内の独特なにおいに気分が悪くなり、吐きそうになることもあるかも知れません。

エチケット袋を多めに持っておくと安心です。

夜用のナプキンを持って行く

妊娠初期は、出血しやすいものです。

経過に問題がなくても、急に出血することがあります。

夜用のナプキンを持っておくと安心でしょう。

マスクを着用する

機内は多くの人が密室の中で過ごします。

空気も乾燥しやすくなるため、感染症にかかりやすい環境です。

必ずマスクを着用するようにしましょう。

母子手帳と健康保険証を忘れずに

くり返しになりますが、妊娠中は何が起こるか分かりません。

母子手帳を持っておくと、妊娠週数や妊娠経過がひとめで分かるため、何かあった時に便利です。

健康保険証と合わせて持っておくようにしましょう。

医師の許可を必ずもらう

妊娠初期に飛行機に乗る場合は、経過が順調であっても必ず医師の許可をもらうようにしましょう。

飛行機に乗る時の注意点なども合わせて聞いておくと安心です。

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