流産と年齢の関係は?高齢の妊娠は流産する可能性が高いのはなぜ?

1. 流産が起こる原因と確率

流産が起こる時期とおもな原因

流産は、妊娠22週未満で妊娠を継続できなくなることを指します。

流産のほとんどは、妊娠初期(12週未満)に起こります。

そして、妊娠初期の流産のほとんどは受精卵の染色体異常が原因で起こります。

年齢別の流産率

すべての妊娠のうち、10~15%が流産になると言われています。

ただし、母体の年齢によって流産率は変わります。

  • 35歳以下…約15%
  • 35~40歳…約20%
  • 40歳以上…約40%

若すぎても流産のリスクが上がる

10代ではまだ子宮・ホルモンバランスが未熟な人が多く、妊娠によって大きな負担がかかります。

そのため、流産・早産や低体重児などのリスクが上がると言われています。

また体が成長途中の場合は骨盤が小さく、難産になりやすいとも言われます。

2. 高齢出産の定義とは?

現在の日本において、以下にあてはまる場合は高齢出産とみなされます。

  • 35歳以上の初産婦
  • 40歳以上の経産婦

過去に流産・死産の経験がある場合は?

妊娠22週以降の分娩経験がある女性を、経産婦と呼びます。

そのため「子どもがいないが、過去に22週以降で死産した人」は経産婦に含まれます。

妊娠22週以降の分娩経験がない人(子どもがおらず、かつ過去に22週未満で流産した人を含む)は、初産婦とみなされます。

3. 高齢になるほど流産しやすくなる理由

卵子の染色体異常が起こりやすくなる

卵子のもととなる細胞は、生まれたときからすでに体内に蓄えられています。

そのため、加齢とともに卵子も古くなってしまいます。

卵子が古くなると染色体異常が起こりやすくなり、それにともなって流産率も上がります。

加齢で染色体異常が起こりやすくなる理由

わたしたちの細胞の中には、ミトコンドリアという構造物があります。

ミトコンドリアは、細胞が元気に活動するためのエネルギーを作り出しています。

高齢になるとミトコンドリアが減少し、卵子もエネルギー不足になってしまいます。

卵子のエネルギー不足で、遺伝子エラーが修復されにくくなる

細胞分裂が行われる過程で、一定確率で遺伝子エラーが発生します。

卵子の中のミトコンドリアが十分働いていれば、遺伝子エラーはスムーズに修復されます。

ミトコンドリアの働きが低下しているとエラーが修復されにくくなり、染色体異常の発生率が上がります。

子宮の筋力が低下する

子宮は、大部分が筋肉でできています。

加齢で筋力が低下すると、大きくなった胎児を支えきれずに流産が起こりやすくなります。

長年タバコを吸っている場合は…

タバコの煙には、一酸化炭素やニコチンなどの有害物質が含まれます。

これらの有害物質が胎盤の血流を悪化させ、胎児への血液・栄養供給をさまたげます。

そのため、タバコの煙が原因で流産・早産のリスクが上がることが知られています。

妊婦本人の喫煙はもちろん、受動喫煙でも同様です。

有害物質は体内に蓄積される

1日あたりの喫煙本数が同じでも、何年も喫煙を続けてきた人はそうでない人より有害物質の蓄積量が多くなります。

また、高齢になると新陳代謝が低下します。

そのため、蓄積された有害物質の排出に時間がかかってしまいます。

4. 男性が高齢の場合はどうなる?

卵子と違って、精子は毎日新しく作られます。

しかし、加齢とともに染色体異常のある精子・運動率の悪い精子ができやすくなります。

男性が高齢の場合も、流産率が上がる

健康な卵子と染色体異常のある精子が出会って受精すると、受精卵には染色体異常が起こります。

女性が若くて健康でも、男性が高齢だと流産率が若干上がるという報告があります。

5. 流産以外にも高齢出産のリスクは多い

高齢出産の場合、流産以外にもさまざまなリスクが高くなります。

ただ、高齢出産でもスムーズに妊娠・出産している人はたくさんいます。

リスクについて知ることは大切ですが、むやみに不安がる必要はありません。

女性側が高齢の場合

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

妊娠高血圧症候群になると、以下のような症状が現れます。

  • 高血圧
  • タンパク尿
  • 急激な体重増加
  • 重度のむくみ
  • 頭痛
  • 動悸

高齢の人や妊娠前から肥満・高血圧症状がある人などが、妊娠高血圧症候群になりやすいとされています。

重症化すると脳出血や胎児発育不全などのリスクが上がるので、早めの対処が必要です。

赤ちゃんの先天異常

染色体異常によって、以下のような先天異常の発生率が上がります。

  • ダウン症
  • エドワーズ症候群
  • パトー症候群

難産

加齢で産道が硬くなったり、分娩に耐える体力が足りなかったりして、難産になるケースが多いです。

そのため、若い人に比べて帝王切開の確率が高くなります。

育児が大変になる

若い人でももちろん育児は大変ですが、加齢で体力が落ちるとますます負担が大きくなります。

また、母乳が出にくい人も増えるようです。

ただ、2人目以降の場合は「育児経験がある分精神的に楽」という意見もあります。

男性側が高齢の場合

男性が高齢だと、子どもが自閉症・統合失調症を発症しやすくなることが知られています。

詳しい原因はまだわかっていませんが、40歳を超えると急激に発症率が上がるという報告があります。

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