妊娠初期の下痢はなぜ起こる?妊婦の下痢対策はどうすればいい?

1. 妊娠すると下痢になるケースってあるの?

妊娠初期は、さまざまな体調の変化があらわれます。

「下痢」もそのひとつです。

「妊娠が分かった頃から下痢するようになった」「着床した頃から何だかお腹がゆるい…」などの症状をうったえる人がいるのです。

妊娠初期に下痢が続く場合、「妊娠初期に下痢になるなんて、どこか異常があるんじゃないか」「流産しそうで心配…」など不安になるものです。

しかし、妊娠初期に下痢になる原因はいくつかあるのです。

そこで今回は、妊娠初期に下痢になる原因や対処法についてまとめました。

2. 妊娠初期の下痢の症状は?

妊娠初期の下痢は、期間や便の状態など個人差が大きいです。

また、下痢によって様々な症状があらわれることもあります。

妊娠初期の下痢の症状は?

  • 便が出るたびに下痢が出る
  • 朝は下痢が出るが、昼や夜は軟便
  • 下痢ではないが、ずっと軟便が出る
  • ひどい時は水様便(水のような下痢」が出る

下痢によってあらわれる症状とは?

下痢が続くと、脱水などさまざまな症状があらわれることがあります。

脱水症状

下痢が続くと、脱水症状になる可能性があります。

特に妊娠初期はつわりもあるため、食事や水分をとるのも辛いときがあります。

脱水状態になると、からだじゅうの水分が不足することで以下のような状態になります。

  • 酸素や栄養素がうまく体内にいきわたらなくなる
  • 老廃物を排出することができなくなる
  • 体温をうまく調整できなくなる

脱水の症状は?

脱水の症状は「軽度」「中度」「重度」の三段階があります。

軽度

めまいやふらつき、口の中が渇くなどの症状があらわれます。

中度

頭痛や寒気、口の中や粘膜が強く渇きます。

唾液や尿の量も減り、嘔吐する場合もあります。

重度

けいれん、意識障害、昏睡や幻覚などの症状があらわれます。

肛門が痛くなる

下痢が続くと、肛門が痛くなることがあります。

下痢は腸液が混ざっている

下痢は、腸の消化吸収がうまくいかなくなることで起こります。

腸のはたらきがうまくいかなくなると、便と一緒に腸液が出てきます。

腸液はアルカリ性なので、下痢の回数が多くなると皮膚の表面が傷つくことがあります。

皮膚は弱酸性

人間の皮膚は弱酸性です。

このため、アルカリ性の刺激に弱いのです。

下痢によって肛門が痛くなる原因は、アルカリ性の腸液による皮膚への刺激です。

3. 妊娠初期の下痢の原因は何?

妊娠初期に下痢が出る原因はいくつかあります。

  • 女性ホルモン(プロゲステロン)によるもの
  • 自律神経の乱れによるもの
  • 食事の偏りや冷えによるもの
  • 鉄剤の副作用

プロゲステロンによるもの

妊娠初期の下痢は、妊娠すると多く分泌されるようになる「プロゲステロン」が原因で起こることがあります。

プロゲステロンの役割は?

プロゲステロンのは、月経周期でいうと高温期に多く分泌される女性ホルモンです。

子宮内膜を維持し、着床を助けるはたらきがあります。

また、妊娠が成立するとさらに多く分泌されるようになります。

子宮の収縮を抑制し、流産を予防する大切なホルモンです。

プロゲステロンは腸の運動も抑制する

プロゲステロンは、子宮の収縮を抑ると同時に、腸の運動も抑制します。

子宮と腸は大変近い位置にあるためです。

これにより、腸内の水分バランスがくずれ、便秘や下痢になることがあります。

自律神経の乱れによるもの

妊娠すると、以下のようなさまざまなホルモンが分泌されるようになります。

  • プロゲステロン
  • >エストロゲン
  • プロラクチン
  • hcg(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
  • リラキシン

妊娠初期はホルモンのバランスがくずれやすい

妊娠するとたくさんのホルモンが急に分泌されることで、ホルモンのバランスがくずれてしまうことがあります。

急激な変化に、からだが慣れていないのです。

ホルモンのバランスがくずれると

ホルモンのバランスがくずれると、ホルモンバランスをつかさどっている「自律神経」のバランスもくずれることがあります。

自律神経は、からだのさまざまなはたらきに関わっています。

排泄機能のバランスをとるはたらきもあるため、下痢になるのです。

食事の偏りや冷えによるもの

妊娠初期は、つわりで栄養に偏りがでることがあります。

冷たくて喉ごしのよいものばかり食べていると、お腹が冷えて下痢になるケースがあります。

また、妊娠初期はとても疲れやすい時期です。

横になっている時間が長いと、血行不良になって下痢を引き起こすこともあります。

鉄剤の副作用によるもの

妊娠初期でも鉄分不足になることがあります。

妊娠初期には、鉄分を調べる血液検査がおこなわれます。

鉄分不足の場合、鉄剤が処方されることがありますが、その副作用として下痢になる場合があります。

4. 流産のリスクとの関係はある?

「胎盤ができていないのに下痢が続くと、赤ちゃんが流産してしまうんじゃないか」と不安になる人もいます。

しかし、下痢が原因で流産になることはありません。

下痢の原因を知ろう

先ほども述べたように、妊娠初期に下痢になる原因はさまざまです。

プロゲステロンによるものや、自律神経の乱れによる下痢は生理現象なので心配はありません。

また、食事の偏りや冷えによる下痢も、からだをあたためることで解決することが多いです。

ウイルス性の胃腸炎は注意が必要

ウイルス性の胃腸炎は、下痢や嘔吐など妊娠初期と同じような症状があらわれます。

見分けがつきにくいですが、症状が一気にすすむため脱水になりやすいです。

ウイルス性の胃腸炎が原因で流産することはありませんが、病院を受診し点滴治療を受けたほうが楽になるでしょう。

水様便が続く場合は、一度病院を受診して下さい。

5. 妊娠初期の下痢の対処法は?

妊娠初期の下痢の対処法をあげてみましょう。

からだをあたためる

下痢が続く場合、まずはからだをあたためましょう。

お腹にカイロを貼ってもいいの?

お腹にカイロを貼ると、お腹周りの体温が一気に40℃近くまで上昇します。

熱すぎるとかえって下痢を促進してしまうことがあります。

また、低温やけどをしてしまう可能性があります。

下痢のときは腹巻きを活用しよう

下痢のとき、からだをあたためるおススメのアイテムは「腹巻き」です。

腹巻きをすることで、お腹を程良く保温する効果があります。

入浴をする

入浴をすると全身の血行がよくなり、下痢が改善されることがあります。

少しぬるめのお湯を張り、15~20分程度入浴しましょう。

ぬるめのお湯で長めに入浴することで、からだを芯からあたためる効果があります。

脱水症状に気をつける

下痢が続く場合は、脱水症状に気をつける必要があります。

食べられるものを無理せず食べる

下痢が続くときは、食べられるもの食べることが大切です。

おかゆやうどんなど、あたたかい食べ物のほうが胃腸に負担がかかりません。

どうしても食べられない場合は、経口補水液でしっかりと電解質を補給しましょう。

脱水を予防するには、お茶や水だけでは効果がありません。

糖分と塩分をバランスよく含む経口補水液が適しています。

経口補水液で水分補給をする場合は、冷たいものではなく常温のものを飲むようにしましょう。

つわりで食べられない場合は要注意

一般的に、下痢が続いてもしっかり食べたり水分補給ができれば、それほど心配ないことが多いです。

しかし、妊娠初期はつわりの影響で食べたり飲んだりすることが困難な場合があります。

このような状態で下痢が続くと、脱水が一気に進んでしまう可能性があります。

下痢が続いている人で、つわりの症状がひどい場合は無理せず病院を受診しましょう。

脱水の治療は?

先ほども述べたように、脱水の症状には段階があります。

「口の中が渇いているな」と感じたら、すでに軽度の脱水症状にかかっている可能性があります。

お茶や水ではなく、経口補水液でしっかりと水分補給をしましょう。

めまいやふらつき、頭痛を感じたら病院を受診し、点滴治療を受けた方が安心です。

つわりで水分がとりにくい場合も、病院で点滴治療を受けるようにしましょう。

脱水症状は急速に悪化することがあるため、下痢や嘔吐などの症状があるときは、こまめな水分補給をこころがけるようにしましょう。

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