腰がしんどい・・・妊娠初期にあらわれる腰痛の原因と対処法

1. 妊娠初期に腰痛を感じることはある?

妊娠初期とは、妊娠4週~15週までをさします。

この時期はまだ胎盤ができあがっておらず、とても不安定な状態です。

この時期に下腹部痛や腰痛を感じる妊婦さんは多いものですが、痛みがあるととても不安になります。

特に腰痛があると「流産の前兆なんじゃないか?」「妊娠後期に腰痛があるのは分かるけど、妊娠初期に腰痛があるのは異常なんじゃないか?」と思ってしまいがちです。

しかし、妊娠初期に腰痛があるのは生理現象のひとつなのです。

そこで今回は、妊娠初期の腰痛の原因や対処法についてまとめました。

2. 妊娠初期の腰痛の症状は?

妊娠初期の腰痛は、さまざまな症状があります。

  • 腰がだるい
  • 腰が痛くて寝るのも辛い
  • 歩くのが辛い
  • 腰だけでなく骨盤の辺りも痛む

「ちょっと腰が痛い」「骨盤の辺りに違和感がある」などの軽度の腰痛から、「寝返りをうつのも辛い」「立っているのが辛い」などの重い症状がでるケースもあります。

3. 妊娠初期の腰痛の原因は何?

妊娠初期の腰痛は、ホルモンの分泌が原因です。

妊娠初期から分泌される「リラキシン」

受精卵が子宮内膜に着床すると、さまざまなホルモンが分泌されるようになります。

その中のひとつに「リラキシン」というホルモンがあります。

リラキシンの役割は?

リラキシンは、骨盤を徐々に開いたり、骨盤周りの靭帯を緩ませるはたらきがあります。

リラキシンはどこから分泌される?

リラキシンは女性ホルモンのひとつです。

卵巣、子宮、胎盤から分泌されます。

リラキシンはいつ分泌される?

リラキシンは、妊娠初期から徐々に分泌量が増え始め、妊娠後期に分泌のピークをむかえます。

また、妊娠中だけでなく生理前にも分泌されます。

出産にそなえて骨盤の靭帯を緩ませていく

このように、妊娠初期からリラキシンが分泌されることで、骨盤や骨盤周りの靭帯を徐々に緩ませていきます。

正期産(妊娠37週~42週)の赤ちゃんの頭の大きさは、直径が約10cm以上になります。

出産時は、赤ちゃんの頭が通れるよう骨盤を開く必要があります。

妊娠初期からリラキシンを分泌させて骨盤を緩ませておくことで、出産時にはスムーズに骨盤が開くようになるのです。

リラキシンが分泌されると、なぜ腰痛が起きる?

先ほども述べたように、リラキシンは骨盤や骨盤周りの靭帯を緩めるはたらきがあります。

骨盤が緩むと、なぜ腰痛が起こるのでしょうか?

骨盤がぐらついて腰に負担がかかる

骨盤や骨盤周りの靭帯がが緩くなることで、骨盤がぐらついて不安定になることがあります。

骨盤のぐらつきを支えようと、骨盤や腰回りの筋肉に負担がかかってしまいます。

これが原因で腰痛になるのです。

背中や足の付け根が痛むことも

骨盤が不安定になると、姿勢を保つことが難しくなります。

例えば、立っている時に違和感を感じたり、長時間座るのが辛くなってしまうといった症状です。

骨盤が不安定なまま無理矢理姿勢を保とうとするため、腰痛だけではなく背中や足の付け根が痛むこともあります。

筋力が弱い人は腰痛が起こりやすい

骨盤周りの筋力(インナーマッスル)が弱い人は、骨盤を支える筋肉に大きな負担がかかります。

このため、腰痛を感じることが多くなります。

リラキシンは生理前にも分泌されます。

生理前や生理中に腰痛がある人は、妊娠初期にも腰痛の症状をうったえるケースが多いでしょう。

4. 妊娠初期と生理前の腰痛で違いはある?

妊娠を望んでいる人にとって、妊娠初期症状と生理前の腰痛の違いは気になるところです。

生理前と妊娠初期症状はよく似ている

生理前の症状と妊娠初期症状はよく似ています。

これは、分泌されるホルモンに関係しています。

生理前のホルモンの変化は?

生理前になると、プロゲステロンの分泌が徐々に減少します。

一方でリラキシンやプロスタグランジンの分泌量が増えます。

プロスタグランジンは、子宮の収縮を促し、経血をスムーズに排出するはたらきがあります。

プロスタグランジンが分泌されると、以下のような症状があらわれます。

  • 下腹部痛や腰痛
  • 頭痛や胃痛
  • 吐き気

また、ホルモンのバランスが変化することで、胸の張りや便秘、下痢などの症状がみられることもあります。

妊娠初期のホルモンの変化は?

妊娠すると、プロゲステロンやエストロゲン、リラキシン、プロラクチンといった女性ホルモンが分泌され始めます。

これらのホルモンが分泌されることにより、さまざまな症状があらわれます。

  • 下腹部痛や腰痛
  • 頭痛や胃痛
  • 吐き気、倦怠感
  • 便秘、下痢
  • 胸の張り
  • 気分の浮き沈みが激しくなる

このように、妊娠初期症状と生理前の症状とあまり変わらないことが分かります。

腰痛に違いがでることも

生理前に腰痛がある人が妊娠すると、「いつもの痛みと違う」と感じることがあります。

  • 生理前と比べると腰痛がひどくなかった
  • 生理前よりも腰痛がひどかった
  • 痛む場所がいつもと違っていた
  • 生理予定日を過ぎると腰痛がおさまった

妊娠の有無は妊娠検査薬でしか分かりませんが、体調の変化に気をつけておくことも大切です。

5. 妊娠初期の腰痛対策は何がある?

妊娠初期の腰痛はとても辛いものです。

腰痛を和らげる対処法についてご紹介しましょう。

腰回りをあたためる

妊娠初期の腰痛は、とにかく冷やさないことが大切です。

腰回りをあたためて血行をよくすることで、腰痛を軽減することができます。

腹巻きをする

腹巻きは、腰回りの「保温」にもっとも適しています。

カイロを貼ると、腰回りの温度は一気に40℃以上の高温になります。

あたためすぎると、低温やけどを起こしたり体温調節がうまくできなくなることがあります。

ポイントは「保温」です。

暑い季節は、シルクな通気性の良い素材の腹巻きをすると快適です。

冬は、ウールなど保温性の高い素材を選ぶようにしましょう。

入浴をする

入浴をすると、からだじゅうの血行が促進されます。

腰回りの血行もよくなるため、腰痛対策におすすめの方法です。

湯船の温度は38℃~40℃(季節によって調節する)と少しぬるめに設定し、15~20分くらいゆっくりとつかることがポイントです。

熱いお湯に短時間つかっても、からだが芯からあたたまらないため、血行促進の効果はあまりありません。

入浴中に気分が悪くなったら、無理をせずすぐにあがるようにしましょう。

軽い運動をする

運動をすると、からだじゅうの血行が促進されます。

また、骨盤周りの筋肉を鍛えるストレッチをすることで、腰痛が軽減されることがあります。

運動をはじめる前に

妊娠初期はとても不安定な時期です。

軽い運動をする場合でも、必ず医師の許可をもらってから取り組むようにしましょう。

切迫流産などで絶対安静を指示されている場合は、運動をしてはいけません。

どんな運動をすればいいの?

妊娠初期に運動をする場合は、できるだけ体に負担がかからないものがよいです。

  • 軽いウォーキング
  • ストレッチ

マタニティスイミングやマタニティヨガは、妊娠中でもできる人気の運動ですが、妊娠初期はできない場合がほとんどです。

自分でできる、体に負担がかからない運動がおすすめです。

骨盤ベルトを使用する

痛みがひどい場合は、骨盤ベルトを使用すると腰痛がだいぶ軽減されます。

どんなベルトがいいの?

骨盤ベルトは、マタニティ専用の骨盤ベルトを使用するのがベストです。

ドラッグストアなどで売っている生ゴムのベルトや長めのさらしを使用してもよいでしょう。

どこに使用すればいい?

骨盤ベルトをお腹に巻くのは避けましょう。

巻く位置は、仙骨(骨盤の中央)と恥骨結合(骨盤の前部の接合部分)と、大転子(太ももの張っている所)の3点を結ぶラインです。

この位置に巻くことで、不安定になっている骨盤をしっかり支えることができるため、腰痛が軽減されます。

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