妊娠悪阻とは?普通のつわりと違う?原因・時期・症状・予防・治療

1. 妊娠悪阻(にんしんおそ)とは?

多くの妊婦さんは、吐き気や嘔吐などの何らかのつわり症状を経験します。

しかし、このつわりの症状が悪化し、日常生活が送れないほどの深刻な状態に陥るケースも。

これを妊娠悪阻(にんしんおそ)、または重症妊娠悪阻と言います。

発症率は全体の1%程度ですが、放置すると母子ともに危険な状態になる可能性があります。

2. 普通のつわりとは違う?

一般的なつわりの場合は、妊娠16週目あたりを境に、症状は治まっていきます。

しかし、妊娠悪阻は逆に症状が悪化していく傾向にあります。

妊娠悪阻と診断された場合には、治療や入院などの適切な処置が必要になります。

3. 妊娠悪阻の原因は?

妊娠悪阻の原因は、まだはっきりとは解明されていません。

妊娠初期のホルモンの乱れや、身体の急激な変化に、母体が適応できないためと言われています。

妊娠悪阻の疑いがあれば、症状が重症化する前に、早めに医師に相談することが大切です。

4. 妊娠悪阻が起きる時期は?

通常のつわりと同じように、妊娠悪阻もいつまで続くのかは個人差があります。

入院期間も数日ですむ人もいれば、数か月かかる人も。

できるだけ、症状の軽いうちに病院へ行き、つらい時期を長引かせないようにしましょう。

5. 妊娠悪阻の症状

妊娠悪阻は症状の程度によって、3段階に分類されます。

  • 第1期(嘔吐期)
  • 第2期(肝腎障害期)
  • 第3期(脳障害期)

第1期(嘔吐期)

一日中、吐き気や嘔吐があり、胃液や血液やが混じったものを吐くこともあります。

食べものや水分も受け付けないため、体重が減少し始めます。

さらに口の渇きやめまい、だるさなどの脱水症状が起きやすくなります。

尿の量が減ると尿中にタンパク質が出ることも。

第2期(肝腎障害期)

第1期の症状がさらに悪化していきます。

ケトン体や尿タンパクで陽性反応が出て、脈拍や血圧の低下など、代謝異常を原因とする中毒症状が起こります。

ケトン体が出るのは、食べものから身体機能を維持するための必要なエネルギーが、供給されていないということ。

重度によっては、入院して適切な治療を受ける必要があります。

第3期(脳障害期)

ケトン体の数値が高くなり、第2期の症状からさらに悪化していきます。

幻覚や幻聴、視力障害などの脳神経症状が出始め、母子ともに危険な状態です。

母体を守るために妊娠の継続を諦めなくてはならないケースも。

6. 妊娠悪阻の予防はできる?

つわりの症状が悪化して、深刻な妊娠悪阻になる前に、予防対策を試してみましょう。

食事の回数を増やし、小分けにして食べる

少量ずつ食べることで、消化器官の負担を減らします。

食事の支度で気持ちが悪くなる人は、惣菜や宅配などの利用を

苦手なにおいのもとを避け、今の時期だけと割り切って手を抜けるところは抜きましょう。

食べられるものを探す

この時期は赤ちゃんに直接栄養がいく訳ではありません。

母体の脱水症状を起こさないことが大切です。

栄養バランスなどは二の次に、食べられるものを食べましょう。

サプリメントなど補助的に活用する

どうしても栄養バランスが気になる場合は、サプリメントなども上手に使いましょう。

水分補給は電解質を摂取できるスポーツドリンクに

スポーツドリンクには水分と糖分、塩分が含まれています。

冷たくしたり、凍らせるのもおすすめです。

ウォーキングなど軽い運動をしてみる

症状が軽い時に行う運動は、気分転換やストレス発散にもなります。

実家に帰るなど環境を変えてみる

家庭の中でのストレスも妊娠悪阻の原因になります。

実家に帰って、家事から離れてみるのもよいでしょう。

仕事の内容の変更や、時短勤務など働き方を変えてみる

満員電車での通勤など、妊娠中は特につらく感じます。

また、残業や力仕事が多い仕事などについても、上司とよく相談しましょう。

7. 妊娠悪阻の治療方法は?

医療機関などで適切な治療を行うことで、妊娠中期を過ぎるころには症状が治まってくるでしょう。

主な治療方法を説明します。

  • 点滴による水分と栄養の補給
  • 入院による安静と体調の管理
  • 投薬治療(新薬や漢方薬)

点滴による水分と栄養の補給

妊娠悪阻の初期であれば、まずは脱水症状を改善することが必要となります。

水分と塩分を補うためのビタミン類を含む点滴や、ケトン体の排出を防止するためにブドウ糖液などを注入します。

これらに加え、吐き気を抑えるための薬剤(メトクロプラミド)が入ることもあります。

点滴によって電解質のバランスが整うと、吐き気も改善されていきます。

症状が治まるのが早ければ、通院による点滴治療となることもあります。

この場合、自宅では「絶対安静」が基本です。

入院による安静と体調の管理

症状が重かったり、第2期に移行している場合には入院が必要です。

継続的に点滴で水分と栄養を補給する治療がすすめられます。

家庭や職場などで生じる精神的なストレスは、妊娠悪阻の症状に影響を及ぼす原因にもなります。

入院によって安静にしながら、治療以外のストレスを除去することも大切です。

投薬治療(新薬や漢方薬)

妊娠中は胎児に影響の出る強い薬の服用はできません。

基本的にはビタミン類などを点滴投与され、症状の改善を図ります。

しかし、吐き気が強い場合には、メトクロプラミドなどが用いられることもあります。

また、作用の穏やかな漢方薬が処方されるケースも多くあります。

8. 早めの受診を心がけましょう

妊娠悪阻は母体や胎児を危険な状態にする病気の一つです。

しかし、妊娠悪阻と診断されても、きちんと治療すれば大丈夫。

もし、ひどいつわり症状に不安を感じたら、早めに病院を受診しましょう。

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