稽留流産とは?発生する時期・確率・兆候・症状・次の妊娠への影響

1. 稽留流産とは?

流産は、妊娠22週未満で赤ちゃんの成長が止まり、妊娠が継続できなくなった状態を指します。

成長が止まってしまうことから体外に排出されます。

すでに亡くなった胎児が子宮にとどまっている状態を、稽留(けいりゅう)流産と呼びます。

稽留流産が起こりやすい時期

稽留流産が起こりやすいのは、妊娠6~7週目ごろと言われています。

そのほかの流産の種類

流産は、症状によっていくつかの種類に分けられます。

稽留流産以外の流産は、以下のとおりです。

進行流産

子宮口が開き、流産が始まった状態です。

稽留流産から、自然に進行流産へと移行することもあります。

進行流産が始まると止めることはできず、完全流産・不全流産のいずれかが起こります。

完全流産

子宮の内容物がすべて体外に出てしまった状態が、完全流産です。

内容物が完全に出てしまえば、手術は必要ありません。

不全流産

子宮の内容物の一部のみが体外に出る流産です。

感染症を防ぐため、子宮内に残った組織を流産手術で取り除きます。

切迫流産

胎児の心拍は確認できるものの、流産になりかかった状態を指します。

早めに対処すれば、そのまま妊娠を継続できることも多いです。

化学流産

着床が長続きせず、妊娠確定前に着床が終了することです。

着床終了後は生理が起こるので、そもそも化学流産に気付かないことが多いです。

化学流産は正式な医療用語ではなく、妊娠・出産としてカウントされません。

2. 稽留流産の原因

稽留流産の原因としてもっとも多いのは、受精卵の染色体異常です。

染色体異常は受精が成立した時点で決まっているので、治療することはできません。

若くて健康な男女の受精卵でも、一定の確率で染色体異常は起こります。

そのため、流産になったからといって自分やパートナーを責める必要はありません。

3. 稽留流産が起こる確率

全ての妊娠のうち、約15~20%が流産となります。

ただし母体の年齢が上がると染色体異常の発生率が上がり、流産の確率も高くなります。

  • 35歳以下…10~15%
  • 35~40歳…20%
  • 40歳以上…40%

稽留流産の割合

流産を経験した人のうち、約6人に1人が稽留流産になると言われています。

4. 稽留流産の兆候・症状

産婦人科でわかる稽留流産の兆候は、以下のとおりです。

  • 妊娠6~7週目になっても胎芽が確認できない
  • 胎芽が確認できても、心拍が確認できない
  • 一旦心拍を確認した後、心拍が止まってしまった

稽留流産の自覚症状

進行流産の場合、たいていは強い下腹部痛や出血をともないます。

しかし稽留流産の多くは自覚症状がなく、検診時に発覚することも珍しくありません。

妊娠特有の症状が急に消える?

以下の症状で、流産に気付く場合があります。

  • つわり・胸の張りが急に無くなる
  • 基礎体温が下がる

妊娠中は、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌されます。

hCGの作用で基礎体温が高く保たれ、つわり・胸の張りなどが起こります。

流産後もしばらくつわりが続くことがある

妊娠を継続できなくなると、hCGの分泌量は減っていきます。

すぐに分泌が止まるのではなく、時間をかけて少しずつ分泌量が減っていきます。

そのため、胎児死亡後もつわりなどがしばらく続くことがあります。

5. 稽留流産と診断されたら

稽留流産と診断されたら、感染症予防の観点から早めに手術することが多いです。

場合によっては、そのまま自然に流産が起こるのを待つこともあります。

ただし、不全流産だった場合はやはり手術が必要になります。

流産手術(掻爬手術)

手術自体は10~20分で終わりますが、事前に子宮口を拡げる処置が必要です。

水分を吸収して膨らむラミナリアなどを子宮口に挿入し、物理的に子宮口を拡げます。

また、薬剤を使って子宮口を拡げることもあります。

子宮口が十分拡がったら、器具を使って子宮の内容物をきれいに掻き出します。

手術の痛みは?

手術中は、部分麻酔もしくは全身麻酔を使用します。

病院の方針や妊婦の状態によっては、子宮口を拡げるときにも麻酔を使用します。

入院日数は?

経過が順調であれば、日帰りもしくは1泊入院となります。

健康保険は適用される?

人工妊娠中絶の多くは、健康保険が適用されません。

しかし、流産後に行う手術には健康保険が適用されます。

6. 手術後の過ごし方

退院後、数日~1週間ほどは自宅で安静に過ごします。

出血や下腹部痛が起こることがありますが、たいていは1週間前後でおさまります。

つわりなどの症状が残っている場合も、しだいにおさまっていきます。

これらの症状がおさまるまでは仕事を休み、家事もごく最低限にとどめましょう。

妊活再開はいつから?

経過や医師の見解によって異なりますが、たいていは1~2回生理が来たら妊活再開の許可が下ります。

ただ、身体が回復しても精神的なダメージがなかなか回復しないこともあります。

そのような時は決して無理をせず、心の準備が整うのをゆっくり待ちましょう。

あまり早いうちに妊娠するのは避けて

「一刻も早く子どもがほしい」という人も多いですが、医師の許可が下りるまでは我慢しましょう。

子宮が十分回復しないうちに妊娠すると、また流産するリスクが高くなります。

7. 稽留流産は繰り返す?

一度流産すると、「次もまた流産するのでは?」と不安になるのはごく自然なことです。

しかし、稽留流産後に再び妊娠して無事に出産した人はたくさんいます。

あまり不安を抱え込まず、ゆったりした気持ちで待ちましょう。

何度も流産を繰り返す場合は、病院で検査を

何度も流産を繰り返す場合は、何らかの問題があるかもしれません。

病院で原因を調べて対処すれば、妊娠できる可能性が上がります。

不育症

妊娠はするものの流産・死産・新生児死亡を繰り返すことを、不育症と呼びます。

不育症のおもな原因は、以下のとおりです。

  • 子宮の奇形・異常
  • 夫婦どちらか(もしくは両方)の染色体異常
  • 甲状腺の異常
  • 原因不明

夫婦の遺伝子の相性が悪い

夫婦どちらにも原因がないのに妊娠しにくい、もしくは流産・死産しやすい場合、遺伝子の相性が悪いことがあります。

決して夫婦仲が悪いという意味ではなく、免疫的に相性が良くないということです。

遺伝子の相性が悪いとどうなる?

女性の免疫が男性の精子を攻撃対象と認識し、精子に対して抗体を作ってしまいます。

あるいは妊娠に至った後で免疫反応が起こり、流産に至ることもあります。

8. 稽留流産は予防できる?

残念ながら、染色体異常による稽留流産は防ぐことができません。

ただ、日ごろから以下の点に注意することで流産のリスクを下げることはできます。

下半身の血行をよくする

下半身が冷えると子宮周辺の血行が悪化し、胎児に血液や栄養分が運ばれにくくなります。

日ごろから以下の点を心がけ、子宮血行を悪化させないようにしましょう。

  • 過度の薄着を避け、インナー・入浴などで下半身をあたためる
  • 無理のない範囲で、適度な運動をする
  • 冷たい食べ物・飲み物をとり過ぎない

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葉酸を積極的にとる

水溶性ビタミンの一種である葉酸(ビタミンM)には、先天性奇形や早期流産のリスクを下げる作用があります。

葉酸は野菜・きのこ・果物・貝類・レバーなどに多く含まれますが、タブレットやサプリを使うのも有効です。

妊娠してからあわてて葉酸をとるより、妊活を意識しはじめた時点で積極的にとりましょう。

男性も葉酸をしっかりとって!

葉酸は、精子の染色体異常予防にも有効です。

妊活を女性まかせにするのではなく、男性も意識して葉酸をとりましょう。

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