切迫流産とは?発生する時期・確率・兆候・症状・次の妊娠への影響

1. 切迫流産とは?

流産とは、妊娠22週未満で妊娠が継続できなくなる状態を指します。

切迫流産は、いわば流産になりかかっている状態のことです。

切迫流産になったら100%流産になるとは限らず、そのまま妊娠を継続できることも多いです。

妊娠22~37週で同様の状態になると、「切迫早産」と呼ばれます。

2. 切迫流産のおもな原因

受精卵の染色体異常

妊娠初期に起こる流産のほとんどは、受精卵の染色体異常が原因です。

切迫早産から流産になる場合の多くは、染色体異常によるものです。

染色体異常による流産は、若くて健康な男女の受精卵でも一定確率で起こります。

子宮の病気

子宮頸管無力症

子宮頸管の力が弱いため胎児を支えきれなくなり、子宮口が緩んで切迫流産が起こります。

胎盤・絨毛膜の血腫

胎盤や絨毛膜の下に血液がたまり、血腫ができることがあります。

血腫ができる場所によっては出血しやすくなったり、胎盤がはがれたりするおそれがあります。

胎盤がはがれると妊娠を継続できなくなるので、慎重に対処しなければなりません。

子宮周辺の炎症

カンジダ膣炎・細菌性膣症などの感染症が悪化すると、子宮口や子宮内に炎症が広がることがあります。

炎症によって子宮収縮や出血が起こり、切迫流産につながるおそれがあります。

子宮筋腫

子宮筋腫があると子宮収縮が起こりやすいため、切迫流産のリスクが高くなります。

子宮頸がん治療などの副作用

子宮頸がんなどの治療のため、子宮頸部を円錐状にくり抜く手術を行うことがあります。

手術後も妊娠することは可能ですが、切迫流産のリスクが若干高くなります。

多胎妊娠

双子・三つ子など多胎妊娠の場合は、切迫流産・切迫早産が起こりやすくなります。

子宮が大きくなるスピードが通常より速く、胎児を支えきれなくなることがあるためです。

冷え・ストレス

過度の冷えやストレス・疲労によっても、切迫流産が起こりやすくなります。

冷え・ストレスによって、子宮周辺の血行が悪化するためです。

タバコ

タバコに含まれる一酸化炭素やニコチンは、子宮・胎盤への血流をさまたげる作用をもっています。

喫煙(受動喫煙も含む)によって胎児が酸欠・低栄養状態になり、流産・早産を引き起こすことがあります。

原因不明

切迫流産後にそのまま妊娠継続できた場合、原因がわからないケースも多いです。

3. 切迫流産のおもな兆候・症状

進行具合によって差がありますが、切迫流産のおもな兆候・症状は以下の通りです。

  • 茶色のおりもの
  • 出血
  • 下腹部の鈍痛が続く
  • お腹の張り

安易な自己判断は禁物

妊娠初期は、しばしば茶色のおりものや出血が起こります。

「よくあることだから」と自己判断せず、念のため産婦人科に相談しましょう。

症状が軽い場合は、必ずしも救急を利用する必要はありません。

まず電話で問い合わせてから、指示に従いましょう。

4. 切迫流産が起こる確率

切迫流産は、すべての妊娠の約15%で起こります。

医師の指示に従ってきちんと対処すれば、約半数が妊娠を継続できると言われています。

切迫流産は繰り返す?

切迫流産は、さまざまな原因で起こります。

1人目で切迫流産になったからといって、2人目以降も切迫流産になるとは限りません。

ただし、以下にあてはまる人は切迫流産になりやすいため注意が必要です。

  • 高齢の人
  • 過去に流産・早産を経験した人
  • 子宮の病気・手術歴がある人
  • 多胎妊娠の人

5. 切迫流産と診断されたら

必ずしも切迫流産→流産になるとは限らないので、まずは落ち着いて対処しましょう。

切迫流産そのものを治療する方法はなく、多くの場合は安静にして症状がおさまるのを待ちます。

進行度によって対処方法が異なるので、医師の指示に従いましょう。

自宅療養

ごく初期の切迫流産であれば、自宅療養しながら様子を見ます。

仕事を休んで家事などもできるだけ避け、疲労をためないよう静かに過ごします。

症状によっては、「トイレと食事以外は起き上がってはいけない」と指示される場合もあります。

入院

症状が進行していると、そのまま入院となることもあります。

家事や上の子の世話などで自宅安静が難しい場合に、大事をとって入院することもあります。

入院中は歩行・シャワーが許可される場合もあれば、カテーテルを挿入して絶対安静となる場合もあります。

薬物治療

状況に応じて、止血剤や子宮収縮抑制剤を使用することがあります。

感染症が原因であれば、抗生物質を投与して治療します。

なお、これらの薬剤が胎児の発育に影響することはありません。

退院後も無理は禁物

症状により個人差がありますが、退院後もしばらくは自宅で安静にしなければなりません。

料理・掃除などの立ち仕事や上の子の世話は家族に頼み、胎児の安全を第一に考えましょう。

また、入浴は思いのほか身体に負担がかかります。

しばらくは短時間のシャワーにとどめ、シャワー後は身体を冷やさないよう注意しましょう。

6. 切迫流産は予防できる?

染色体異常による切迫流産は、防ぐことができません。

しかし、以下の点に注意すれば切迫流産のリスクを下げることができます。

禁煙

妊婦本人が禁煙するのはもちろん、家庭や職場での受動喫煙にも注意が必要です。

家族には禁煙してもらうか、どうしても無理なら近くで吸わないようにしてもらいましょう。

カフェインの過剰摂取に注意

妊娠中にカフェインをとりすぎると、流産・早産・低体重などのリスクが上がる恐れがあります。

コーヒー・紅茶・緑茶などのカフェイン飲料は、1日1~2杯以下に抑えましょう。

もともとコーヒー・紅茶が好きな人の場合、摂取量を控えることでストレスがたまるかもしれません。

その場合は、カフェインレス(デカフェ)タイプのコーヒー・紅茶を試してみましょう。

身体を冷やさない

下半身が冷えていると、子宮周辺の血流が悪くなります。

暑い時期でも過度の薄着は避け、インナーやひざ掛けなどで腰周りを温かく保ちましょう。

また、冷たいものや身体を冷やす食材のとり過ぎにも注意しましょう。

体調がよければ、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるのも有効です。

重労働・長時間の立ち仕事は避ける

切迫流産の危険がある場合、重いものを持つ・長時間立ちっぱなしなどの作業は極力控えましょう。

仕事をしている人は、上司や同僚に相談して軽作業に変えてもらいましょう。

もちろん、家事や上の子の世話などでも無理は禁物です。

毎日の買い物は、ネットスーパーや食材宅配などを利用するとよいでしょう。

体調がよければ、適度な運動を

体調に問題がなければ、無理のない範囲で有酸素運動を行いましょう。

自宅でのストレッチやウォーキングなら運動量を調節しやすく、お金もそれほどかかりません。

妊娠中期以降なら、マタニティヨガ・スイミングなどもおすすめです。

運動を始めるときは、念のためかかりつけの医師に相談しましょう。

適度な運動で、流産のリスクが下がる

適度に運動すると子宮の血流が良くなり、流産のリスクが下がります。

ストレス解消や腰痛・体重増加予防のためにも、積極的に運動しましょう。

また、分娩時はかなりの体力を消耗します。

安産のためには、早いうちから運動で身体を鍛えておくことも大切です。

運動時の注意

外で運動するときは、天気がよくあたたかい日を選びましょう。

いざというときのために、母子手帳・健康保険証・携帯電話を忘れず持って行きましょう。

胎児・母体の安全のため、以下の運動は避けましょう。

  • ボールを使う運動
  • 上下運動が激しい運動(ジョギングなど)
  • 短時間で大きな負荷がかかる運動
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