着床出血とは?時期・原因・症状・痛みは?どんな色や量が出るの?

1. 着床出血とは?

着床出血は、着床時に起こる少量の出血です。

「着床出血」は正式な医療用語ではなく、正式には「月経様出血」と呼ばれます。

着床出血が起こる理由は、大きく分けて2種類あります。

着床出血の原因2パターン

着床時、子宮内膜がわずかに傷つく

受精卵が子宮内膜に着床するとき、たくさんの細い血管が子宮内膜に入り込みます。

その際、子宮内膜の一部がわずかに溶けて出血が起こります。

hCGの分泌量が低いと、着床出血が起こることも

着床が成立すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。

hCGには、妊娠を維持させるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌を保つ作用があります。

hCGの分泌量が少ないとプロゲステロンの分泌量が一時的に下がり、わずかに出血することがあります。

着床出血が起こる確率

着床したからといって、全ての人に着床出血が起こるわけではありません。

着床出血が起こるのは、全ての着床のうち数%~10%程度と言われています。

着床出血の有無によって、その後の妊娠経過に差が出ることはありません。

ですから、着床出血があった(なかった)からといって不安がる必要はありません。

2. 着床出血の症状

出血が起こる時期

着床出血が起こるのは、生理予定日1週間前(受精の約1週間後)~生理予定日前後ごろです。

生理予定日1週間前ごろであれば、着床時にできた子宮内膜の傷からの出血と考えられます。

生理予定日に近ければ、hCG分泌量の一時的低下によって起こると考えられます。

出血の色・量

個人差があるものの普通の生理より出血量が少なく、以下のように表現されることが多いです。

  • ピンクや褐色のおりものが出る
  • 生理の終わりかけのような微量の出血
  • トイレットペーパーに少し付く程度の出血

出血量が少ないので、そもそも着床出血に気付かない人が少なくありません。

また、妊娠が確定してから「あの時の出血は着床出血だったんだ」と気付くケースも多いようです。

体質的に出血しやすい人も

着床出血の多くはごくわずかですが、中には生理開始直後のような鮮血が出る人もいます。

1人目妊娠中に出血が多かった場合、2人目以降の妊娠中も出血しやすくなることがあります。

その場合、着床出血が起こる確率も上がります。

3. 着床出血と生理の見分け方

着床出血は生理予定日近くに起こることが多く、生理と区別しづらいこともあります。

以下にあてはまれば、着床出血の可能性が高くなります。

基礎体温が下がらない

妊娠が成立しなかった場合、プロゲステロンの分泌量が下がります。

プロゲステロンの分泌量が下がると基礎体温が低くなり、生理が始まります。

着床が続いている間はプロゲステロンが多い状態が続き、基礎体温が下がりません。

普段の生理と痛み方が違う

普段の生理で下腹部痛や腰痛を感じる人でも、着床出血では痛みがないことがあります。

もしくは、普段の生理痛と違うチクチクした痛み・引っ張られるような痛みを感じることもあります。

普通の生理より短い

普通の生理は、3~7日ほど続きます。

着床出血はおおむね2~3日、長くても1週間ほどでおさまります。

妊娠超初期症状がある

妊娠超初期はホルモンバランスの変化が大きく、さまざまな症状が起こります。

着床出血もまた、妊娠超初期症状のひとつです。

妊娠超初期症状は個人差が大きいですが、以下に当てはまる場合は妊娠の可能性が高くなります。

  • 子宮周辺の痛み・違和感
  • 胸の張り・痛み
  • 吐き気・胸焼け・げっぷ
  • つわりのような症状(においに敏感になる、味覚・嗜好が変わる)
  • 風邪の初期のような症状(悪寒、鼻水など)
  • ほてり・微熱
  • 眠気・集中力低下
  • 肌荒れ・口内炎
  • 精神的症状(イライラ・落ち込みなど)

妊娠検査薬によるチェックが確実

着床出血ではない不正出血の場合も、普段の生理と様子が変わることがあります。

妊娠の有無を見分けるには、生理予定日1週間後以降に市販の妊娠検査薬を使うのが確実です。

もし陽性反応が出たら、早めに産婦人科を受診しましょう。

4. 着床出血とまぎらわしい現象

排卵出血

排卵日およびその前後1~2日に、少量の出血が起こることがあります。

排卵にともなって起こる減少なので、妊娠の有無とは関係ありません。

排卵による卵巣への衝撃

排卵が起こるとき、卵巣の表面がわずかに破れて卵子が飛び出します。

卵巣が破れることで、少量の出血や軽い痛み(排卵痛)が起こることがあります。

ホルモンバランスの乱れ

排卵前後は、エストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。

その影響で子宮内膜の一部がわずかにはがれ、出血することがあります。

化学流産

一旦受精・着床が成立したものの長続きしなかった状態を、化学流産と呼びます。

「化学流産」といっても正式には流産ではなく、妊娠・流産にはカウントされません。

化学流産のおもな特徴は、以下のとおりです。

  • 妊娠検査薬で陽性反応が出た後、生理が始まる
  • 生理開始と同時に、基礎体温が下がる
  • 普段の生理より重い・量が多いことがある

化学流産の場合も妊娠超初期症状が起こることがありますが、生理開始とともにおさまります。

5. 着床出血と間違えないで!注意すべき症状

子宮外妊娠

子宮外妊娠は、受精卵が子宮以外の場所(卵管など)に着床して起こります。

放置すると卵管破裂などの重篤な症状を伴うことがあるので、早めの対処が必要です。

子宮外妊娠でも出血が起こる

子宮外妊娠の場合、生理予定日~1週間後ごろに出血が起こります。

そのため、初期の段階では着床出血や普通の生理と区別しづらいです。

以下の条件がそろうと、子宮外妊娠の可能性が高くなります。

  • 妊娠検査薬で陽性反応が出る
  • 基礎体温が下がらず、高い状態が続く
  • 鮮やかな出血が何日も続く
  • つわりのような症状がある
  • 下腹部の痛みが起こり、だんだん強くなる
  • 生理予定日2週間後を過ぎても、エコー検査で胎嚢が確認できない

子宮外妊娠の有無を見極めるためにも、検査薬で陽性反応が出たら早めに受診しましょう。

感染症

感染症の中には、膣周辺からの出血をともなうものがあります。

こうした出血は排卵周期とは無関係ですが、タイミング次第では着床出血と区別しにくいこともあります。

出血以外におりものの異常や外陰部のかゆみなどの症状があれば、感染症の疑いが強くなります。

重症化すると不妊・異常妊娠・母子感染などのリスクが上がるので、早めの対処が必要です。

カンジダ膣炎

カンジダ(真菌の一種)に感染して起こります。

性行為で感染することがありますが、抵抗力が落ちていると性行為の有無に関係なくかかりやすくなります。

カンジダ膣炎のおもな症状は、白くぽろぽろしたおりものや外陰部のかゆみなどです。

重症化すると膣粘膜や性器周辺の皮膚がただれ、少量の出血をともなうことがあります。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症のひとつです。

感染初期に出血・下腹部痛が起こることがありますが、多くの場合はおりものが増える程度です。

ただし、放置すると子宮頸管から子宮・卵管・骨盤内へとどんどん炎症が広がります。

最悪の場合骨盤腹膜炎や子宮外妊娠・不妊の原因になるので、早めに対処しましょう。

トリコモナス膣炎

トリコモナス原虫が原因で起こり、性交渉や公衆浴場などで感染します。

泡だったにおいの強いおりもの・外陰部の強いかゆみ・性交痛などが特徴です。

人によっては、排尿痛や膣壁からの出血をともなうこともあります。

淋菌感染症(淋病)

最近の一種・淋菌が原因で起こる性感染症です。

女性の場合自覚症状が少ないですが、不正出血・下腹部痛・膿状のおりものが見られることがあります。

クラミジア感染症と同じく不妊・子宮外妊娠のリスクが上がるので、早めに治療しましょう。

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