化学流産とは?発生する時期・確率・兆候・症状・次の妊娠への影響

1. 化学流産とは?

受精したものの着床が続かず、妊娠確定に至らなかった状態を化学流産と呼びます。

化学流産は正式な医学用語ではなく、そもそも妊娠・流産としてカウントされません。

2. 化学流産のおもな兆候・症状

以下のような兆候や症状があると、化学流産の可能性があります。

ただし、女性のホルモンバランスはささいなきっかけで変化します。

以下にあてはまる場合でも、100%化学流産とは限りません。

妊娠検査薬で陽性反応が出たのに生理が来る

着床が成立すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。

市販の検査薬は、このhCGを検出して妊娠の有無を調べるしくみになっています。

hCGが一定量以上分泌された後で着床が終了すると、生理が起こります。

病院の妊娠検査で、胎嚢が確認できない

妊娠検査薬で陽性反応が出たにもかかわらず、エコー検査で胎嚢が確認できないことがあります。

次回の検診で胎嚢が確認できることがありますが、そのまま化学流産となるケースも少なくありません。

子宮外妊娠に注意!

子宮以外の場所(卵管など)に受精卵が着床してしまうと、子宮外妊娠となります。

病院でなかなか胎嚢が確認できず、かつ以下の条件が揃った場合は、注意が必要です。

  • 高体温が続く
  • 生理予定日1週間後くらいに出血がおこり、しばらく続く
  • つわりの症状がある
  • 下腹部痛がある

対処が遅れると、卵管破裂など命に関わる事態になることもあります。

生理の様子がいつもと違う

通常より生理が遅れたり重かったりする場合も、化学流産の可能性があります。

  • 生理開始日が遅れる
  • 経血量が多く、どろっとしている
  • 生理痛(下腹部痛・腰痛)が重い
  • 生理痛の様子がいつもと違う(子宮がチクチクする、またはえぐられるような痛み)
  • レバー状の血の塊や、白く小さな塊が出る

生理前に、妊娠初期症状のような症状があった

生理前に以下のような症状があり、生理開始以降におさまった場合も、化学流産かもしれません。

普段の生理前症状と違う症状があれば、より可能性が高くなります。

  • 下腹部痛・腰痛
  • 胸の張り・痛み
  • 吐き気・胸焼け・げっぷ
  • 便秘・下痢
  • 悪寒・微熱
  • 風邪の初期症状のような症状(鼻水・くしゃみなど)
  • 頭痛
  • つわりのような症状(味覚・嗜好の変化、においに敏感になる)
  • 強い眠気・集中力低下
  • 精神的症状(イライラ・落ち込みなど)

高温期が短い・体温が安定しない

妊娠すると、生理予定日を過ぎても高温期の体温がそのまま続きます。

高温期が短い・もしくは高温期の体温が不安定になってから生理になった場合は、化学流産の可能性があります。

まったく症状がない

上記のような症状がなく、いつも通りに生理が来ることも多いです。

多くの女性は、知らず知らずのうちに化学流産を経験していると言われています。

3. 化学流産の原因

化学流産のほとんどは、受精卵の染色体異常によって起こります。

若くて健康な男女の受精卵でも、一定の確率で染色体異常が起こります。

化学流産が起こる確率

化学流産の有無を確認することは難しく、具体的な数値はわかっていません。

一説には、全ての受精卵の約15%で化学流産が起こると言われています。

ごく初期(妊娠検査薬で陽性反応が出る前)の化学流産も含めると、さらに3%ほど上がります。

不妊治療で化学流産しやすくなる?

不妊治療によって妊娠すると、ホルモンの変化を細かくチェックしながら経過を観察します。

そのため、通常では気付かない化学流産にも気付きやすくなると言われています。

まれに、母体に原因があるケースも

化学流産の多くは受精卵の染色体異常で起こるので、自分を責める必要はありません。

もし化学流産を2回以上繰り返しても、それ自体はさほど珍しいことではありません。

ただしあまりに化学流産の回数が多い場合は、以下のような原因が考えられます。

着床しにくい体質

受精卵が着床しやすくなるよう、排卵後は子宮内膜が厚くなります。

しかし、黄体機能不全などが原因で子宮内膜が十分厚くならないことがあります。

子宮内膜の厚みが少ないと着床しにくく、また着床しても長続きしにくくなります。

高温期が短い・高温期の途中で体温が下がるなどの症状があると、黄体機能不全が疑われます。

身体の冷え

子宮は冷えに弱く、下半身が冷えていると着床しにくくなります。

薄着やエアコンの使いすぎなどで冷えを感じている人は、意識して下半身を温めましょう。

加齢

加齢とともに、卵子の染色体異常が起こる確率が上がります。

その結果、染色体異常による化学流産も起こりやすくなります。

5. 化学流産は次の妊娠に影響する?

化学流産はそもそも妊娠・流産として扱われず、次の妊娠や流産率に影響することはないとされています。

体調悪化などの問題がなければ、それまで通り妊活を続けることができます。

6. 化学流産は防げる?

残念ながら、受精卵の染色体異常による化学流産は防ぐことができません。

ただし生活の見直しによって子宮の環境を整え、着床率上昇に役立てることは可能です。

血行を良くする

冷え性や運動不足・無理な姿勢などが続くと、血行が悪くなります。

血行が悪化すると子宮内膜が育ちにくくなり、着床率低下の原因になります。

以下の生活習慣に注意すると、血行悪化を防ぐことができます。

ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる

入浴時はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かりましょう。

熱すぎると身体に負担がかかるので、39~40℃くらいを目安にしましょう。

リラックスのために、好きなアロマや入浴剤を使うのもおすすめです。

下半身を冷やさない

薄着やクーラーの使いすぎ・冷たいもののとりすぎで、身体が冷えてしまいます。

下半身が冷えると、子宮周辺の血行悪化につながります。

ただし仕事で服装が制限されたり、オフィスのクーラーにさらされたりすることも多いでしょう。

保温用インナーやひざ掛けなどをうまく使って、できるだけ身体を温めましょう。

可能であれば、温かい飲み物を少しずつ飲むのも有効です。

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適度に運動する

定期的な運動で、全身の血行をよくすることができます。

ウォーキング・ジョギング・サイクリングなど、長続きしやすい有酸素運動がおすすめです。

忙しくて時間を確保できない人は、ひと駅分余計に歩く・エレベーターより階段を使うだけでも効果的です。

ストレス・疲労をためない

ストレス・疲労を溜め込むと、身体が「今は安全に妊娠・出産できる環境ではない」と判断してしまいます。

いつ妊娠してもいいよう、ストレスや疲労はこまめに解消しましょう。

7. 妊娠検査薬の使用は、生理予定日の1週間後以降に!

妊娠検査薬を使うタイミングは、生理予定日の1週間後以降が最適とされています。

それ以前に検査することを、フライング検査と呼びます。

妊活中は、「一刻も早く妊娠の有無を知りたい」とフライング検査してしまう人が少なくありません。

昔は「化学流産」という概念がなかった

化学流産が知られるようになったのは、妊娠検査薬が登場してからのことです。

妊娠検査薬がなかった時代は、化学流産という概念自体がありませんでした。

フライング検査しなければ、化学流産に気付かなくて済む

フライング検査によって、化学流産に気付くケースが少なくありません。

そして、化学流産に気付くことで余計なストレスを抱え込んでしまいます。

もし何か異常があれば、早く気付いて対処することが大切です。

しかし、余計なストレスを避けたいならフライング検査は避けたほうがよいでしょう。

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