排卵誘発剤とは?注射?それとも飲み薬?妊娠への効果・種類・費用

1. 排卵誘発剤ってどんなもの?

排卵誘発剤とは、性腺刺激ホルモンや女性ホルモンにはたらきかけ、排卵を促す薬剤のことです。

排卵誘発剤は、内服薬と注射の2種類があり、症状や効き具合によって使い分けられます。

主に無排卵月経や月経異常、多嚢胞性卵巣症候群などの病気の治療に使用されます。

不妊治療をしている場合は、特に原因がない場合でも排卵誘発剤を使用する場合もあります。

しかし、排卵誘発剤を使用することに対し、副作用などの不安を持つ女性も多いものです。

今回は、排卵誘発剤の種類や効果、費用などについてまとめました。

2. 排卵誘発剤の種類はどんなものがある?

排卵誘発剤は、実にさまざまな種類があります。

排卵誘発剤の種類は以下の通りです。

  • クロミッド
  • セキソビット
  • テルグリド
  • hmg注射
  • hcg注射

排卵を誘発する作用は同じですが、効果や副作用は種類によって違いがあります。

それぞれの効果や副作用などについてみていきましょう。

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3. クロミッドの効果や副作用は?

クロミッドは、排卵誘発剤の中でももっともポピュラーな薬です。

「クロミフェン」という成分を含む排卵誘発剤で、クロミッドを服用する治療を「クロミフェン治療」と呼ぶこともあります。

錠剤タイプの薬で、通常はホルモン分泌が安定する、生理開始5日目から5日間ほど服用します。

クロミッドが処方されるのはどんな場合?

クロミッドは、次のような場合に処方されます。

無排卵月経

月経があるのに排卵がおこなわれていない状態です。

排卵障害のひとつです。

稀発月経

月経周期が39日以上と長い場合です。

必ずしも排卵障害があるとは限りません。

無月経

月経周期が90日以上と非常に長い場合です。

卵胞が成熟する過程で、何らかの問題があるケースが多いでしょう。

多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣の中に小さな卵胞がたくさんできてしまい、どの卵胞も育ちきらずに排卵できなくなる病気です。

排卵障害の中ではもっとも多い病気と言われています。

黄体機能不全

黄体ホルモンの分泌量が少なくなることで、子宮内膜が維持できなくなったり、薄くなってしまう症状です。

排卵誘発剤を服用して卵子の質を上げたり、女性ホルモンの分泌を促進して子宮内膜を厚くする治療をします。

不妊治療

不妊治療をはじめて中々成果があらわれない場合にも、排卵誘発剤が使用されることがあります。

クロミッドの効果は?

クロミッドの成分であるクエン酸クロミフェンは、排卵をコントロールしている脳の視床下部に作用します。

クロミフェンは、視床下部にあるエストロゲンを感知する反応を鈍らせるはたらきがあります。

これにより、エストロゲンが不足しているとみせかけることで、エストロゲンの分泌が促進され、排卵が起きやすい環境を整えるのです。

クロミッドは比較的マイルドな薬

クロミッドは、排卵障害がある場合、最初に処方されることが多い排卵誘発剤です。

比較的マイルドで、排卵誘発剤の中では中程度の効果が期待されます。

臨床試験では、クロミッドを服用した無月経の女性のうち、約70%の女性に排卵がみられたというデータがあります。

クロミッドの副作用は?

クロミッドは、内服することで以下のような副作用があらわれることがあります。

  • 子宮頸管粘液の分泌が減る
  • 卵巣過剰刺激症候群(約5%)
  • 多胎妊娠(約5%)

クロミッドは医師が様子をみながら服用する

不妊治療をしている場合、子宮内膜が薄くなったり子宮頸管粘液の分泌が減ることで、さらに不妊の原因が増えてしまうことになります。

約半年クロミッドを服用したら、1か月ほど薬をお休みする場合もあります。

また、わずかな確率ですが、卵巣を過剰に刺激することで卵巣が肥大してしまう「卵巣過剰刺激症候群」や、多胎妊娠の副作用もあります。

4. セキソビットの効果や副作用は?

セキソビットは、シクロフェニルという成分を含む排卵誘発剤です。

クロミッドと同じく錠剤タイプの飲み薬で、ホルモン値が安定する月経開始5日目から5日間ほど服用します。

セキソビットが処方されるのはどんな場合?

セキソビットは、クロミッドと同じく無排卵月経や無月経、多嚢胞性卵巣症候群などの治療に使用されます。

セキソビットの作用は弱め

セキソビットは、クロミッドと比べると比較的作用は弱めです。

このため、無排卵月経や無月経などの治療に最初から用いられるケースは少ないでしょう。

セキソビットの扱いがない病院もあります。

セキソビットは副作用も少ない

セキソビットの作用は弱めですが、その分副作用も少ないです。

このため、クロミッドや他の排卵誘発剤の休薬期間に使用されるケースが多いです。

また、他の排卵誘発剤の副作用の不安から、患者の希望により処方されることもあります。

セキソビットの効果は?

セキソビットは、クロミッドと同じく脳の視床下部や脳下垂体に作用します。

臨床試験では、無排卵月経の女性でセキソビットを服用した結果、約半数に効果がみられたというデータがあります。

5. テルグリドの効果や副作用は?

テルグリドは、排卵誘発剤の一種ですが、主に高プロラクチン血症を治療するときに使用されます。

錠剤タイプで、1日2回服用します。

高プロラクチン血症とは?

高プロラクチン血症とは、プロラクチンの値が高いため排卵が起きにくくなる排卵障害のひとつです。

プロラクチンは排卵を抑制する

プロラクチンが多く分泌されると、卵胞の成熟を促すホルモンの分泌を抑制します。

卵胞が育つことができず、排卵がおこなわれなくなることがあります。

プロラクチンが多く分泌されるのはいつ?

プロラクチンは、別名「乳汁分泌ホルモン」と呼ばれています。

プロラクチンは、妊娠中から産後にかけて多く分泌されるホルモンです。

しかし、何らかの原因によりこの時期以外にもプロラクチンが多く分泌されることがあります。

これが「高プロラクチン血症」です。

テルグリドの効果は?

高プロラクチン血症は、脳内で分泌される伝達物質「ドーパミン」の分泌に問題があるケースがあります。

テルグリドは、ドーパミンの分泌を調整することで、プロラクチンの分泌をコントロールする効果が期待できるのです。

テルグリドの副作用は?

血圧低下や睡眠障害、動悸や息切れなどの副作用があらわれることがあります。

妊婦に対しての安全性は未確認です。

不妊治療をしている人でテルグリドを服用している場合、妊娠反応がみられた時点で服用を中止します。

6. hcg注射の効果や副作用は?

hcgとは「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」と呼ばれるホルモンの1種です。

受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立した際に、受精卵の表面にある「絨毛」と呼ばれる組織から分泌されます。

hcg注射は打つタイミングで効果が異なる

hcg注射は、打つタイミングで効果が異なります。

排卵誘発剤として使用する場合

hcg注射を排卵誘発剤として使用する場合は、卵胞がじゅうぶんに成熟してから(約2cm)投与します。

卵巣を直接刺激することで、約36時間後に強制的に排卵を起こす作用があります。

黄体ホルモンを補充するはたらきも

hcg注射は、黄体ホルモンを活発化させる作用があります。

排卵してから約1週間後に投与することで、黄体ホルモンを補充するはたらきもあります。

hcg注射の副作用は?

hcg注射は比較的作用が強いです。

その分副作用もあらわれやすく、注意が必要です。

hcg注射の副作用は以下の通りです。

  • 卵巣過剰刺激症候群
  • 吐き気
  • 眠気
  • 胸の張り

特に注意が必要な副作用が「卵巣過剰刺激症候群」です。

卵巣過剰刺激症候群とは?

卵巣過剰刺激症候群とは、排卵誘発剤などの投与で卵巣が過剰にはたらくことで、卵巣が腫れてしまう病気のことです。

症状が重くなると、お腹や胸に水がたまってしまうケースもみられます。

hcg注射は様子を見ながら投与する

hcg注射は、長期間投与することで、副作用が強くあらわれやすくなります。

様子を見ながら慎重に投与していく必要があります。

7. hmg注射の効果や副作用は?

hmg注射は、卵巣を直接刺激することで、排卵を強く促す作用があります。

通常、hmg注射だけで排卵誘発をおこなうことはありません。

hmg注射をする場合は、hcg注射と合わせて治療をすすめる「hmg-hcg(ゴナドトロピン)療法」が一般的です。

強い排卵誘発作用があり、副作用も強いため、飲み薬で効果がみられなかった場合に使用されます。

hmg-hcg(ゴナドトロピン)療法とは?

hmg-hcg(ゴナドトロピン)療法とは、hmg注射とhcg注射を組み合わせておこなう排卵誘発法のことです。

hmg-hcg(ゴナドトロピン)療法のしくみは?

hmg注射で卵胞を成熟させる

hmg(ヒト閉経ゴナドトロピン)とは卵胞の成長を促す成分で、卵胞刺激ホルモン(FSH)を含んでいます。

このため、注射すると卵胞が短時間で成長します。

hcg注射で排卵を促す

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は排卵を促す作用があり、黄体化ホルモン(LH)と同じような働きがあります。

このため、注射をすると成熟した卵胞を強制的に排卵させる作用があります。

hmg-hcg(ゴナドトロピン)療法の治療の進め方は?

hmg-hcg(ゴナドトロピン)療法は、基本的に以下のような流れで治療をすすめていきます。

注射の回数や打つタイミングは、治療方法によって異なります。

治療の流れは?

1. 月経開始日から3~6日目に、hmg注射を1日に1~3本を打ちます。

2. 1~3本の注射を、6~10日間毎日続けます。

3. 卵胞の大きさが18mm~20mm程度に成熟したらhCG注射を打ち、排卵を促します。

病院に毎日通う必要がある?

毎日注射をする必要があるため、病院に通えない場合は自宅で注射をする場合もあります。

注射は皮下注射なので、練習をすれば簡単にできるようになります。

hcg注射は、卵胞の大きさを超音波でチェックしてから打つため、必ず病院で注射をします。

hmg-hcg療法の副作用は?

hmg-hcg療法は、飲み薬に比べて強力な排卵誘発作用があります。

このため、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠の副作用が上がります。

hmg-hcg(ゴナドトロピン)療法は1~3周期おこなった後、治療を休むのが一般的です。

8. 排卵誘発剤の費用は?

排卵誘発剤は保険が適用されるため、高額な費用になることはあまりありません。

クロミッドなどの飲み薬は、1周期につき500~1000円程度です。

注射の場合、1回の注射につき1000~1500円くらいかかります。

それに注射の手技費用が上乗せされます。

治療方法によって異なりますが、1周期の治療につき1万~2万円ほどかかる場合もあります。

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