陣痛前に破水が起きる前期破水とは?赤ちゃんへの影響は?対処法は?

1. 破水とは?

破水にも種類がある

赤ちゃんはママのお腹の中で、卵膜に包まれ、その中は羊水で満たされています。

破水とは、この卵膜が破れて、羊水が子宮の外に流れ出る状態のことをいいます。

そして、破水にはいくつかの種類があります。

前期破水とは?

前期破水とは、本格的な陣痛が始まる前に破水してしまうことをいいます。

分娩の準備が整う前に破水が起きても、そのまま出産にならないことがあり、適切な処置が不可欠となります。

前期破水が起こる確率

前期破水が起こる確率は、すべての分娩の5~10%といわれています。

妊娠36週6日までに出産する早産で前期破水が起こる確率は20~30%、正産期に入るとそれが70~80%に上がります。

妊娠34週以前の前期破水の場合、赤ちゃんに合併症が生じやすくなります。

その他の破水の種類

前期破水以外の種類は、以下の通りです。

適時破水

適時破水とは、陣痛がきて、子宮口が全開大になり、それから破水することをいいます。

これが、一般的な出産の流れとなります。

早期破水

早期破水とは、陣痛が始まり、子宮口が全開する前に破水することです。

これは、分娩の過程で起こることなので、異常ではありません。

高位破水

高位破水とは、子宮口から遠い、子宮の上の方が破けた状態をいいます。

羊水は少量からしか出ないことから、おりものや尿漏れと間違うママも多いため、気をつける必要があります。

2. 前期破水の原因は?

前期破水の原因は様々

前期破水が起こる原因には、以下のものがあります。

子宮内感染症

お腹の中の赤ちゃんは、脱落膜と絨毛膜、羊膜という3つの膜に包まれています。

このうち、絨毛膜と羊膜が細菌感染し、炎症を起こす疾患を「絨毛膜羊膜炎」といいます。

絨毛膜羊膜炎にかかると、卵膜が弱くなって破れやすくなるのです。

子宮内圧力が高まる

子宮内の圧力が高まる原因には、羊水が増えてしまう「羊水過多症」や「多胎妊娠」、赤ちゃんの姿勢が悪い「胎位異常」などがあります。

子宮内圧が上がることで、卵膜が破れやすくなります。

子宮頚管の弱さ

子宮頚管無力症と診断されている、あるいは過去に頸管円錐切除術の経験があると、子宮頚管が弱くなりがちです。

その結果、子宮頚管が卵膜を支えきれなくなり、破れやすくなってしまいます。

過度な子宮への刺激

子宮中期以降は、激しい性交渉で卵膜が圧迫されることで、破れてしまうことがあります。

以前の妊娠で前期破水を起こしたママや、喫煙習慣があると、起こりやすいという説もあります。

3. 前期破水の症状とは?

前期破水とおりものを見分けるポイント

前期破水は、おりものや尿漏れと間違えやすいので、見分け方を覚えておきましょう。

羊水の色

破水して出てくる羊水の多くは、透明か乳白色、少し血液が混ざったピンク色です。

羊黄緑色や黄色っぽい場合は、羊水が濁っている可能性があります。

赤ちゃんにリスクがあるので、すぐに病院に行きましょう。

羊水の形状

羊水には粘り気がなく、サラサラとした水っぽい形状です。

ゼリー状のときには、おりものの可能性が高いです。

羊水のにおい

おりもののにおいは酸っぱい感じですが、羊水は生臭いのが一般的です。

いつものおりものとにおいを比べて、違うと思ったら破水を疑ってください。

タイミング

笑う、くしゃみをするなど、お腹に力が入ったときには、尿漏れが起こっていることが多いです。

ですが、安静にしていても、静かに動いても出てくる場合は、破水かもしれません。

4. 前期破水の対処法は?

前期破水は放置してはいけない

前期破水に限らず、卵膜が破れると、子宮頚管から細菌に感染するリスクが高まります。

ママと赤ちゃんの命に関わる事態に発展することもあるので、早く対処しなければなりません。

前期破水が起きた時にまずすべきこと

前期破水が起きた時には、すぐに細菌感染を予防する処置をとる必要があります。

電話をした上で、病院へ向かいましょう。

前期破水後の対処法

前期破水で病院に行っても、妊娠週数によって対処法が異なります。

妊娠37週以降の場合

正産期に入った妊娠37週以降の場合は、そのまま分娩に進めます。

陣痛促進剤を使って経膣分娩を促しますが、それでも陣痛が起こらないときには、緊急帝王切開を行うこともあります。

妊娠34週から36週の場合

妊娠34週から36週の間に前期破水した場合は、感染予防の抗菌剤を服用しながら、入院して安静に過ごし、可能な限り妊娠期間を延長させます。

ただし、赤ちゃんの状態によっては、すぐに分娩に進むこともあります。

妊娠34週未満の対処法

妊娠34週未満の赤ちゃんは、まだ肺が未成熟なので、出産しても大きなリスクを負う可能性が高いです。

そのため、子宮収縮を抑制する薬と抗菌剤を服用し、妊娠期間の延長を試みます。

とはいえ、感染症にかかってしまった場合は、赤ちゃんの肺の成熟を待たずに分娩させ、新生児集中治療室(NICU)や未熟児室(GCU)でサポートしながら、成長を見守ります。

5. 前期破水による感染症について

かかるリスクのある感染症の種類とリスク

破水後にかかる可能性がある感染症と、そのリスクについて、お話ししておきましょう。

B群溶連菌感染症

B群溶連菌とは、妊娠中のママの5~10人に1人が膣内に持っている、常在菌のことです。

B群溶連菌を持っているママから生まれた赤ちゃんの約50%に感染し、そのうち100人に1人が重症化するといわれています。

赤ちゃんが重症化すると、肺炎や髄膜炎、敗血症が急に進行し、発症後の死亡率は25~50%にも上ります。

命はとりとめても、後遺症が残る可能性があります。

単純ヘルペスウイルス感染症

単純ヘルペスウイルス感染症には1型と2型があり、初めて母体感染したママだと約50%、感染が2度以上ある人だと1~3%の確率で、赤ちゃんが産道感染します。

新生児のヘルペス感染症には、「全身型」「虫垂神経型」「皮膚型」の3つがあり、全身型が最も重篤で、死亡率が30%となっています。

水ぼうそう

出産前後にママが水ぼうそうに感染すると、2~4人に1人の割合で、赤ちゃんも発症します。

出産間近にママが水ぼうそうを発症した場合、出産をできるだけ延ばすための措置がとられます。

6. 前期破水の予防法とは?

感染症予防を徹底する

前期破水が起こっても、感染症にかからなければ、母子のリスクを下げることができます。

妊婦検診をきちんと受けること、手洗いを徹底すること、外陰部は常に清潔に保つことを、日ごろから徹底しましょう。

子宮に負担をかけない

重い荷物を持つなど、子宮に腹圧がかかることは避けましょう。

転倒や交通事故も、前期破水の原因になるので注意が必要です。

また臨月に入ったら、子宮への刺激を避けるためにも、夫婦生活は控えることをおすすめします。

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7. 先輩ママの「前期破水体験談」

東京都・Nさんより

妊娠35週のとき、キッチンで後片付けをしていたら、経血が出るような感覚があり、トイレに行くと下着が少し濡れていました。

尿漏れだと思いナプキンをつけたのですが、その後も同じような感覚が続き、病院に電話。

破水ならそのまま入院になるとのことで、準備をして病院に行きました。

検査の結果、前期破水と診断され、そのまま入院。

1回30分の抗生物質の点滴を、毎日3回受けながら、出産の日を待ちました。

妊娠36週を過ぎてから陣痛が発来し、10時間で元気な男の子を出産しました。

引用元:無事出産!強い母になる!