高プロラクチン血症とは?妊娠への影響は?原因、症状、治療法

1. プロラクチンとは?

プロラクチンとは、別名「乳汁分泌ホルモン」とも呼ばれるホルモンです。

プロラクチンの役割は?

プロラクチンの役割は、さまざまあります。

  • 母乳の分泌を促す
  • プロゲステロンの分泌を促す
  • 妊娠中に乳腺を発達させる
  • 排卵を抑制し、月経を止める

母乳の分泌を促す

プロラクチンは、母乳の分泌を促すホルモンです。

また、母乳を生成するはたらきもあります。

プロゲステロンの分泌を助ける

基礎体温の高温期になると、「プロゲステロン」というホルモンが分泌されます。

プロゲステロンは卵巣から分泌されるホルモンで、子宮内膜を維持し、受精卵が着床しやすい環境をととのえる役割があります。

プロラクチンは、卵巣を刺激し、プロゲステロンの分泌を助ける役割をもっています。

妊娠中に乳腺を発達させる

妊娠すると、プロラクチンの分泌量は徐々に多くなります。

妊娠中から乳腺を発達させることで、産後の母乳分泌をスムーズにします。

排卵を抑制し、月経をとめる

プロラクチンが分泌されると、排卵を促すホルモンが抑制されます。

排卵がおこなわれないと月経不順になったり、月経が止まるようになります。

プロラクチンは男性にも分泌される

プロラクチンは女性だけでなく男性にも分泌されています。

思春期になるとプロラクチンの分泌が始まり、睾丸の発達を促したり、精子の生成を助けるはたらきをします。

プロラクチンはどこから分泌される?

プロラクチンは、脳の視床下部から命令され、脳下垂体から分泌されます。

プロラクチンの分泌が多いのはいつ?

プロラクチンは、受精卵が子宮内膜に着床した時点で、徐々に分泌量が多くなっていき、分娩時にはピークをむかえます。

産後、赤ちゃんに乳首を吸われることで、プロラクチンの分泌量が増えて母乳の分泌量も増えます。

2. プロラクチンの基準値と検査方法

プロラクチンの値の基準値や検査方法についてみてきましょう。

プロラクチンの基準値は?

プロラクチンの基準値は、以下の通りになります。

非妊娠時 3〜30ng/ml

妊娠時  20〜200ng/ml

正常分娩後 150〜200ng/ml

産後3か月後(授乳中の場合) 50〜100ng/ml

男性の場合 1.5〜9.7ng/ml

プロラクチンの検査方法方は?

プロラクチンの検査方法は、血液検査でおこなわれます。

プロラクチンの値は、生理周期で変動することも

基礎体温で高温期にあたる時期は、プロゲステロンが分泌されています。

この時期は、プロゲステロンの分泌を助けるため、プロラクチンが多く分泌されます。

しかし、プロラクチンの分泌量が正常だと、基準値を超えることはまずありません。

検査の時期はいつでもOK

プロラクチンの検査は、基本的にいつでもOKです。

生理周期に左右されずに検査できます。

ただし、病院によっては高温期の時期にしない場合もあります。

3. 高プロラクチン血症とは?

プロラクチンは、妊娠中や授乳中以外では値が高くなることはありません。

妊娠中や産後以外でのプロラクチンの値が高い場合、さまざまな症状があらわれることがあります。

プロラクチンの値が高い状態を「高プロラクチン血症」と呼びます。

先ほども述べたように、プロラクチンの値が高い場合、排卵を促すホルモンを抑制します。

卵胞が成熟できなかったり、排卵ができなくなったりします。

これにより、プロラクチンの値が高いと不妊の原因になることがあります。

4. 高プロラクチン血症の原因は?

高プロラクチン血症の原因はいくつかあります。

  • プロラクチン産生腫瘍
  • 視床下部障害
  • 薬剤性(向精神薬、抗潰瘍薬、経口避妊薬など)
  • 原発性甲状腺機能低下症
  • その他

プロラクチン産生腫瘍

高プロラクチン血症の約3分の1は、プロラクチン産生腫瘍が原因と言われています。

下垂体にプロラクチンをつくり出す腫瘍ができてしまい、プロラクチンの分泌量が上がっている状態です。

この腫瘍は良性なので、命に関わることはありません。

しかし、妊娠を望む人にとっては治療が必要なケースが多いでしょう。

視床下部障害

プロラクチンの分泌は、視床下部から分泌されるドーパミンと呼ばれる物質により抑制されています。

何らかの原因でドーパミンの分泌量が減ってしまうい、プロラクチンの分泌量が増え、高プロラクチン血症になることがあります。

薬剤性によるもの

向精神薬や抗潰瘍薬、ピル(経口避妊薬)を服用すると、ドーパミンの分泌が抑えられてしまうことがあります。

これにより、プロラクチンの分泌量が増え、高プロラクチン血症になることがあります。

原発性向上機能低下症

プロラクチンは甲状腺刺激ホルモンにより分泌が促進されています。

このホルモンが分泌過剰な状態(甲状腺機能低下症)だと、高プロラクチン血症になることがあります。

その他の原因(ストレスなど)

脳の視床下部は、ストレスに弱い器官です。

視床下部、プロラクチンを含めて多くのホルモン分泌の命令を出す器官です。

視床下部がダメージを受けることで、ホルモン分泌の命令系統が乱れます。

これにより、高プロラクチン血症になることがあります。

5. 高プロラクチン血症の症状は?

高プロラクチン血症は、さまざまな症状がみられます。

  • 排卵障害による月経異常
  • 着床障害
  • 乳汁分泌
  • 男性不妊

排卵障害による月経異常

高プロラクチン血症の場合、卵胞が育たなかったり、排卵がおこなわれないなどの排卵障害が多くみられます。

これにより、月経異常があるケースも多いです。

具体的には、以下のような症状があらわれます。

無月経

月経周期が90日以上と、非常に長い状態です。

無月経の場合、排卵がうまくおこなわれていない可能性があります。

基礎体温は、低温期がずっと続き、高温期になることがあまりありません。

不規則性月経

月経周期が不規則で、生理予定日がいつなのか分からない状態です。

基礎体温は、低温期と高温期に分かれず、バラバラになるケースが多いです。

無排卵月経

排卵されていないのに月経がある状態です。

無排卵月経の場合、卵胞の成熟を促すホルモンがじゅうぶんに分泌されていません。

このため、排卵がおこなわれないばかりか、子宮内膜もじゅうぶんな厚みにならないことが多く、月経の量がとても少ないのが特徴です。

基礎体温は低温期がずっと続き、高温期がありません。

着床障害

高プロラクチン血症の場合、着床障害がおこる可能性があります。

着床障害とは、その名の通り受精卵が着床しにくい状態です。

乳汁分泌

高プロラクチン血症の場合、妊娠中や産後でない時期に、乳汁が分泌されることがあります。

男性の症状

男性が高プロラクチン血症の場合、性欲減退やED(勃起不全)になることがあります。

これにより、男性不妊の原因になることがあります。

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6. 高プロラクチン血症の治療方法は?

高プロラクチン血症の治療は、原因に応じた治療をします。

治療期間は個人差が大きく、効果がみられた時点で治療を終了するケースや、効果がみられても治療を継続するケースもあります。

プロラクチン産生腫瘍が原因の場合

プロラクチン産生腫瘍が原因の場合、腫瘍の大きさに応じて摘出手術をすることがあります。

膿腫が1cm以上と大きい場合

腫瘍の大きさが1cm以上の場合、手術にて取り除くことが多いです。

膿腫が小さい場合

膿腫が小さい場合は、ドーパミンの分泌を増やす薬を服用して治療します。

また、視床下部に何らかの障害がある場合も、同様の薬を服用して治療していきます。

薬剤性によるもの

減薬・断薬治療

原因となる薬を徐々に減薬、または断薬することで治療します。

例えば、向精神薬を常用している人は、それが原因で高プロラクチン血症になっている可能性が高いです。

向精神薬を徐々に減薬したり、断薬したりして治療する方法です。

減薬・断薬は必ず医師の指示で!

常用している薬をいきなり減薬・断薬すると、思いがけない作用が起こる場合があります。

減薬・断薬の際は、必ず医師の管理・指導のもと慎重におこなうようにしましょう。

原発性甲状腺機能低下症の場合

甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬を投与することで治療します。

ちなみに、甲状腺ホルモンの分泌が多い場合、長期にわたって薬を服用する必要があります。

甲状腺ホルモンの分泌が多いと、すぐ疲れる、のぼせやすいなどの症状が出やすくなります。

薬を服用することで、症状が安定するケースが非常に多いからです。

原因不明の場合(ストレスなど)

原因不明の場合は、プロラクチンを抑える薬である「ブロモクリプチン」を服用するなどの治療がおこなわれます。

ただし、ブロモクリプチンは吐き気や頭痛などの副作用が強くでることがあります。

この場合は、副作用の弱い漢方を服用するなどして対応していきます。

7. 高プロラクチン血症は不妊の原因になる?

高プロラクチン血症の場合、排卵障害が起こることが多いため、プロラクチンの値が正常な人に比べると妊娠する確率は落ちます。

まずはプロラクチンの値が高い原因を見つけ、それに応じた治療を受けることが大切です。

プロラクチンの値は、その日によって変動することがあります。

特に不妊に悩んでいる人の場合、ついつい数値を気にしてしまいがちです。

しかし、ホルモン値は目安のひとつなので、数値にとらわれすぎないことも大切です。

8. 日常生活で気をつけることは?

高プロラクチン血症と診断された場合、日常生活に気をつけることで改善されることがあります。

ストレスははやめに解消する

プロラクチンは脳の視床下部から命令され、脳下垂体から分泌されています。

視床下部はストレスに弱い器官なので、ダメージを受けるとホルモンバランスが崩れる原因になることもあります。

ストレスをなくすだけでも、症状が改善するケースがあります。

睡眠不足にきをつける

睡眠時に分泌されるホルモン「メラトニン」は、正しく分泌されることで自律神経をととのえるはたらきがあります。

自律神経がととのうことで、女性ホルモンの分泌も正しくおこなわれます。

メラトニンは、22時から2時の間にたくさん分泌されます。

できれば0時には布団に入るようにしましょう。

栄養バランスがとれた食事

栄養バランスが偏ると、ホルモンバランスが乱れる原因になります。

バランスを考えた食生活をこころがけるようにしましょう。

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