卵胞刺激ホルモンとは?妊娠・不妊とはどんな関係があるの?

1. 卵胞刺激ホルモンとは?

卵胞刺激ホルモンとは、脳の視床下部から命令を受け、脳下垂体から分泌されるホルモンです。

女性だけでなく男性にも分泌されているホルモンで、「性腺刺激ホルモン」とも呼ばれています。

性腺刺激ホルモンは、生殖機能に関わるホルモンで、卵胞刺激ホルモンのほかにも「黄体形成ホルモン」があります。

卵胞刺激のホルモンの値が、正常値より高かったり低かったりする場合は、妊娠しにくくなる場合もあります。

今回は、卵胞刺激ホルモンの役割や正常値の値、妊娠や不妊に対してどのように関係するのかなどについてまとめました。

2. 卵胞刺激ホルモンの役割は?

卵胞刺激ホルモンは、「性腺刺激ホルモン」のひとつです。

名前が少々長いため、FSHとも呼ばれています。

卵胞刺激ホルモンはどこから分泌される?

卵胞刺激ホルモンは、脳の視床下部から分泌される「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」の分泌を受け、脳の下垂体から分泌されるホルモンです。

卵胞刺激ホルモンの役割は?

卵胞刺激ホルモンの役割は以下の通りです。

  • 卵胞の発育を促す
  • 卵巣を刺激し、エストロゲンの分泌を促す
  • 生理周期をととのえる
  • 睾丸の発育、精子の生成を助ける

卵胞の発育を促す

卵胞刺激ホルモンは、名前の通り卵胞を刺激し、卵胞の成熟を促すホルモンです。

卵巣内にある原始卵胞(卵胞の元になる細胞)を刺激することで、卵胞の発育を促します。

卵巣を刺激し、エストロゲンの分泌を促す

卵胞刺激ホルモンが分泌されると、卵巣が刺激されます。

卵巣が刺激されると、卵巣からエストロゲンが分泌されるようになります。

エストロゲンは、卵胞の発育を助けたり、子宮内膜を厚くしたり、排卵を促したりする役割がある女性ホルモンです。

卵胞刺激ホルモンが正常に分泌されないと、エストロゲンの分泌量に影響が出ることがあるのです。

生理周期をととのえる

卵胞刺激ホルモンは、卵胞の成熟を促すホルモンです。

卵胞刺激ホルモンが正常に分泌されることで、卵胞も順調に成長し、排卵することができます。

毎周期きちんと排卵されるということは、正常な生理周期をととのえるということになります。

睾丸の発育、精子の生成を助ける

卵胞刺激ホルモンは、その名前からか女性にだけ分泌されているホルモンと勘違いされやすいですが、男性にも分泌されている性腺刺激ホルモンです。

思春期を迎えると、男性の体内にでも卵胞刺激ホルモンが分泌されるようになります。

男性における卵胞刺激ホルモンのはたらきは、睾丸の発育や精子の生成を助けるといったものになります。

3. 卵胞刺激ホルモンのメカニズム

「卵胞の成熟を促す」とひとことで言っても、そのメカニズムは複雑なものです。

卵胞の成熟から排卵までの過程において、卵胞刺激ホルモンがどのようなはたらきをするのかをみていきましょう。

卵胞刺激ホルモンはいつ分泌される?

卵胞刺激ホルモンは、月経開始直後から分泌されます。

卵胞が成熟するまで

女性は、産まれたときから卵巣内に卵胞の元になる細胞をもっています。

これを「原始卵胞」と呼びます。

原始卵胞は徐々に減少する

出生時の原始卵胞の数は、約200万個あると言われています。

思春期を迎える頃には約20~30万個に減少します。

その後も、1回の月経周期のうち数百から数千の原始卵胞が消えていきます。

閉経を迎える頃には原始卵胞がほとんどなくなり、ゼロになると閉経をむかえます。

性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌を受けると

卵胞刺激ホルモンは、卵巣内になる原始卵胞を刺激し、卵胞の成熟を促していきます。

育つ卵胞は基本的に1個

原始卵胞はたくさんありますが、育つ卵胞は基本的に1個です。

卵胞刺激ホルモンが分泌されると、数百から数千の原始卵胞が反応します。

しかし、そのほとんどが消えてしまいます。

残った原始卵胞の中から、いちばん質の良い優秀な原始卵胞が「主席卵胞」として成熟し始めるのです。

排卵するまでの過程

数百から数千の原始卵胞から選ばれた主席卵胞は、卵胞刺激ホルモンの刺激を受けながら成長していきます。

卵胞の中には卵子がある

卵胞の中には、卵子の元になる細胞もあります。

卵胞が成長するとともに、中にある卵子も成熟していきます。

卵胞の直径が約2cmになると排卵する

卵胞刺激ホルモンやエストロゲンの刺激を受けて成長した卵胞は、直径約2cmになると排卵します。

卵胞の膜をやぶり、中の卵子が飛び出し、卵管にとり込まれるのです。

排卵するまで卵胞を刺激し続ける

卵胞刺激ホルモンは、月経開始直後から、排卵するまで卵胞を刺激し続けます。

これにより、卵胞はしっかりと成熟することができ、質の良い卵子を排卵することができるのです。

4. 卵胞刺激ホルモンの基準値は?

卵胞刺激ホルモンの基準値は、生理周期によって変動します。

基準値は以下の通りです。

卵胞期(基礎体温の低温期) 5.2~14.4MIU/mL

排卵期(排卵日前後) 5.6~14.8MIU/mL

黄体期(基礎体温の高温期) 2.0~8.4MIU/mL

閉経期(閉経前から閉経後) 26.2~113.3MIU/mL

この数値より高かったり低かったりすると、何らかの異常が考えられます。

5. 卵胞刺激ホルモン値が高いと不妊の原因になる?

卵胞刺激ホルモンの値が高くなる原因は、ほとんどの場合「卵巣機能の低下」によるものです。

卵巣の機能が弱っていると、卵胞刺激ホルモンをより多く分泌して卵胞を成熟させようとします。

卵胞刺激ホルモンの値が高いということは、卵巣が弱まり、排卵に影響が出ていることが考えられるのです。

具体的には、以下のような症状があらわれます。

  • 卵巣機能の低下による月経異常
  • 早発閉経
  • 他のホルモンの分泌低下

卵巣機能の低下

卵巣機能が低下すると、以下のような症状があらわれることがあります。

稀発月経・無月経

月経周期が39日以上と長い状態をいいます。

無月経では、月経周期が90日以上と非常に長い状態です。

無排卵月経

排卵がおこなわれていないのにも関わらず、月経がある状態です。

早期閉経

通常、閉経は50歳前後で起こると言われています。

しかし、何らかの原因で30~40代で閉経するケースがあります。

これを「早期閉経」と呼びます。

他のホルモンの分泌低下

女性ホルモンである、エストロゲンやプロゲステロンの分泌が低下すると、卵胞刺激ホルモンの値が高くなります。

これは、卵巣から分泌されるエストロゲンやプロゲステロンの分泌低下を受け、下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンが「もっと分泌量を増やしなさい!」と命令するからです。

過剰に命令することで、卵胞刺激ホルモンの値だけが高くなってしまうのです。

6. 卵胞刺激ホルモンが低下するとどうなる?

卵胞刺激ホルモンが低いと、以下のような症状があらわれることがあります。

  • 下垂体機能低下症
  • 視床下部低下症

下垂体機能低下症

下垂体機能低下症は、卵胞刺激ホルモンを分泌する下垂体の機能が低下することです。

下垂体に腫瘍ができているなど、下垂体に何らかの異常があることでおこります。

視床下部低下症

下垂体の機能が低下すると、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が過剰になることがあります。

その結果、卵胞刺激ホルモンの数値が低下する可能性があるのです。

卵胞刺激ホルモンが値が低い場合の治療法は?

卵胞刺激ホルモンの値が低い場合、下垂体機能低下症や視床下部低下症の治療がおこなわれます。

膿腫がある場合は、手術をする場合もあります。

どちらもホルモン剤を服用するなどして治療します。

7. 卵胞刺激ホルモンが高い場合の治療法は?

卵胞刺激ホルモンが高い場合、卵巣の機能が低下していることが考えられます。

このため、不妊の原因になることがあります。

血液検査で卵胞刺激ホルモンの値が高いと判明したら、病院で治療をおこなうこともあります。

カウフマン療法

月経周期をささえているのは「エストロゲンとプロゲステロン」

卵胞刺激ホルモンが正常に分泌されている場合、エストロゲンの分泌が促され、排卵後にプロゲステロンが分泌されます。

このエストロゲンとプロゲステロンが分泌されることで、排卵や月経が規則正しくおこります。

しかし、卵巣の機能が低下していると、エストロゲンがうまく分泌できずホルモンバランスが崩れることで、月経異常などの症状があらわれます。

ホルモン補充をして、生理周期をととのえる

エストロゲンとプロゲステロンを含むホルモン剤を3~6か月服用することで、ホルモンバランスを整えます。

ホルモンバランスがととのってくると、月経周期も徐々にととのってきます。

これにより、次第に卵胞刺激ホルモンの高い数値を下げることができます。

この治療法をカウフマン療法といいます。

排卵誘発剤を注射する

GnRHアゴニストという薬を服用したあと、HMGという排卵誘発剤を注射することで、FSHの値を下げることができます。

この方法は、体外受精の採卵時に実施されることが多い治療法です。

漢方や鍼灸をためす

卵巣機能の低下は、薬や注射だけでは改善しない場合もあります。

漢方や鍼灸をし、からだが本来もっているちからを底上げすることで、卵巣機能が向上することがあります。

卵胞刺激ホルモンの値が高いと診断された場合は、おこなってみる価値がある治療法です。

生活習慣を改善する

卵巣機能が低下している場合、一度生活習慣を見直してみましょう。

  • 栄養バランスのとれた食事
  • じゅうぶんな睡眠
  • 喫煙をやめる
  • お酒やカフェインはほどほどに
  • 適度な運動
  • からだが冷えていないか
  • ストレスをためない

特に、からだが冷えていると血液の循環が悪くなります。

血液の循環が悪くなると、卵巣まで血液が行き届かず、機能が低下してしまうことがあります。

また、ホルモン分泌を命令する脳の視床下部はストレスに弱い器官です。

ストレスを受けると、視床下部のはたらきが弱まり、卵胞刺激ホルモンが正常に分泌されなくなることもあります。

ストレスははやめに解消するようにしましょう。

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