鼠径ヘルニアの治療はどうするの?痛みを和らげる方法は?

1. 赤ちゃんの鼠径ヘルニアについて

鼠径ヘルニアは別名、脱腸とも呼ばれる症状です。

鼠径部と呼ばれる下腹部に、腸管の一部が入り込むことで、鼠径ヘルニアが起こります。

初期の段階は痛みがなく、下腹部がポッコリとふくらみます。

鼠径ヘルニアが悪化すると、腸管などが元に戻らなくなる、嵌頓(かんとん)ヘルニアを引き起こします。

痛みが出て腸管や生殖器の血流を阻害し、命に関わることもあるため、早めの治療や手術が必要となります。

2. 赤ちゃんの鼠径ヘルニアの原因について

赤ちゃんの鼠径ヘルニアが発症する時期は?

赤ちゃんの鼠径ヘルニアは、先天的な原因がほとんどです。

生まれてから3ヶ月前後に、下腹部のふくらみにより気づきます。

鼠径ヘルニアの遺伝性はない、といわれています。

赤ちゃんと大人の鼠径ヘルニアの違い

鼠径ヘルニアや脱腸と聞くと、大人がなるイメージがあるかもしれません。

しかし、赤ちゃんは20〜50人に1人が鼠径ヘルニアになるといわれ、珍しい病気ではありません。

では、赤ちゃんと大人では、鼠径ヘルニアにどのような違いがあるのでしょうか?

赤ちゃんの鼠径ヘルニアの場合

赤ちゃんは成長するにつれ、生殖器(精巣や卵巣)が下腹部に落ち込んで来ます。

腹膜鞘状突起と呼ばれる、生殖器が落ち込む、ぶら下がった袋状の部分があります。

ここに生殖器が入ると袋の上部が閉まり、ほかの臓器が入り込まなくなります。

しかし、完全に閉まらないと、腹膜鞘状突起に腸管が入り込み、鼠径ヘルニアを引き起こします。

大人の鼠径ヘルニアの場合

40代以降になると、臓器を支える腹膜の筋力が落ちることで、鼠径ヘルニアを引き起こします。

ほかには腹部に力が入る仕事をしている人、便秘の人や肥満の人なども、鼠径ヘルニアを引き起こしやすいといわれています。

赤ちゃんの鼠径ヘルニアと比べると、原因はさまざまです。

赤ちゃんの鼠径ヘルニアは自然治癒するの?

腹膜鞘状突起の上部が成長とともに閉じる、ハイハイなどで腹部の筋力がつくことで、自然治癒することもあります。

ただし、赤ちゃんの体質や個人差により、鼠径ヘルニアの症状の重さに違いが出ます。

必ず病院の先生に診断してもらいましょう。

3. 鼠径ヘルニアの判断方法について

鼠径ヘルニアが軽症の場合

赤ちゃんが泣く、排泄するなどで腹部に力が入ると、下腹部がポッコリふくらみます。

ポッコリふくらんで元に戻らない場合、ふくらんだ部分を押すと元に戻る場合、鼠径ヘルニアの可能性が十分考えられます。

鼠径ヘルニアが軽症の場合、痛みを伴わないため赤ちゃんも泣かず、見逃すこともあります。

鼠径ヘルニアが重症の場合

腸管が完全に戻らなくなると、腸管や生殖器などが締め付けられます。

鼠径ヘルニアが重症になった状態を、嵌頓(かんとん)ヘルニアと呼びます。

締め付けられることで痛みが出て、赤ちゃんが大泣きすることもあります。

熱や風邪、その他病気になっていないにも関わらず、大泣きして下腹部がふくらんでいる場合、早めの治療が必要です。

鼠径ヘルニアを放置するとどうなるの?

嵌頓ヘルニアの場合、腸管や生殖器が締め付けられ、血流の流れが阻害されます。

最悪、壊死を引き起こし、命に関わることもあります。

様子がおかしいと気づいたら、早めに病院で診てもらいましょう。

4. 鼠径ヘルニアの診察方法

どこの病院で診てもらえるの?

まずは、かかりつけの病院または小児科などで診てもらいましょう。

鼠径ヘルニアの診察方法は?

視診で見た目の確認、触診で下腹部を触り、鼠径ヘルニアかを判断します。

ほかにはCT検査やエコー検査で、内臓の状態を確認することもあります。

鼠径ヘルニアの痛みを和らげる方法はあるの?

痛みが出ているということは、鼠径ヘルニアの症状が重いと考えられます。

薬による対処療法はありません。

腸管がはみ出ないようにするため、手術が必要となります。

5. 鼠径ヘルニアの治療方法

経過観察

鼠径ヘルニアは自然治癒することもあり、軽症の場合であれば、経過観察します。

用手整復法(用手還納法)

腸管が出た部分を押して、腹膜内に戻します。

押しても元に戻らない場合、手術が必要となります。

手術

手術は、開腹手術または腹腔鏡手術で行います。

おもに腹部やおへその部分に、数ミリから数センチ開腹します。

穴の開いた筋膜から出た、袋状の腹膜の中に腸管が入らないように、腹膜の外側から糸で縛ります。

2〜3日の入院で済み、傷口も目立ちません。

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