プロゲステロン(黄体ホルモン)とは?生理・排卵・妊娠との関係は?

1. プロゲステロンとは?

プロゲステロンは女性ホルモンのひとつです。

月経周期や妊娠・出産において、大きな役割を果たします。

プロゲステロンの分泌のメカニズムは?

プロゲステロンは、卵巣から分泌されるホルモンです。

排卵の過程

卵子は、卵胞という膜に包まれています。

卵胞は、基礎体温の低温期の時期に、エストロゲンやFSH(卵胞刺激ホルモン)などの影響を受けて徐々に成長していきます。

卵胞の直径が約2cmになると、卵胞をやぶって卵子が飛び出し、卵管にとり込まれます。

これが排卵です。

卵巣に残された卵胞はどうなる?

排卵後、卵胞は卵巣に残されたままになります。

しかし、自然に消えることはなく黄体化して卵巣に残ります。

黄体化した卵胞から、プロゲステロンが分泌されはじめるのです。

2. 月経周期における、プロゲステロンの役割

プロゲステロンは、月経周期では「黄体ホルモン」とも呼ばれます。

月経周期における黄体ホルモンの作用は、以下の通りです。

  • 子宮内膜を維持する
  • 基礎体温を上げる

子宮内膜を維持する

プロゲステロンは、低温期の時期にエストロゲンによって厚くなった子宮内膜を維持する役割があります。

受精卵が着床しやすいように、ふかふかの子宮内膜を維持し、着床を待ちます。

着床に適した子宮内膜の厚みは?

受精卵が着床しやすい子宮内膜の厚みは、約10mmと言われています。

8mm未満の場合、受精卵が着床しにくくなります。

受精卵が子宮内膜にたどり着く日数は?

受精は、卵管内でおこなわれます。

受精卵は細胞分裂をくり返しながら、子宮内膜へと移動します。

卵管から子宮内膜へ移動する日数は、9日前後と言われています。

この間、子宮内膜を着床に適した環境に整えておく必要があるのです。

プロゲステロンの分泌が少ないとどうなる?

プロゲステロンの分泌が少なくなると、受精卵が着床しにくくなってしまいます。

具体的には、以下のような症状があらわれます。

  • 子宮内膜の維持がうまくいかない
  • 受精卵がたどり着く前に、子宮内膜が剝がれ落ちてしまう(生理がはじまる)
  • 流産しやすくなる

基礎体温をあげる

プロゲステロンが分泌されると、基礎体温が上がります。

基礎体温では高温期と呼ばれる時期になります。

0.3~0.5℃くらいのわずかな差なので、平熱では分かりません。

3. プロゲステロンはいいことばかりではない?

このように、月経周期において非常に大切な役割のあるプロゲステロンですが、分泌されることで不快な症状がでてしまうことがあります。

PMS(月経前症候群)とは?

プロゲステロンが多く分泌される高温期になると、PMS(月経前症候群)に悩まされる女性が多いものです。

約80%の女性が、生理前に何らかの不快症状があらわれると言われています。

PMSのはっきりとした原因は不明ですが、プロゲステロンの分泌が関与していると考えられています。PMSの症状は何がある?

PMSの症状は以下のようにさまざまなものがあります。

  • 下腹部痛、腰痛
  • 頭痛、胃痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢、便秘
  • 食欲不振、食欲旺盛
  • むくみ
  • 気分の浮き沈みが激しくなる
  • イライラする
  • 鬱っぽくなり、何もやる気が出ない

多くの場合、これらの症状が複数あらわれます。

PMSの改善法は?

PMSの症状があまりにひどい場は、婦人科を受診しましょう。

栄養面では、カルシウムやビタミンB6、マグネシウムを積極的にとることで、症状をやわらげることができます。

また、ハーブなどリラックス効果がある飲み物を飲むのもいいでしょう。

エストロゲンとのバランスが大切

プロゲステロンは、もうひとつの女性ホルモンである「エストロゲン」とのバランスがとても大切です。

エストロゲンとプロゲステロンは対になっている

エストロゲンは、卵胞の成長を助けたり、子宮内膜を厚くする役割があります。

一方、プロゲステロンは、子宮内膜を維持する役割をもっています。

この2つの女性ホルモンは対になっており、どちらか一方の分泌が増えたり減ったりすると、もう一つのホルモンのバランスが崩れてしまいます。

エストロゲンとプロゲステロン、両方の分泌がバランスよくおこなわれていることが大切です。

ホルモンバランスにストレスは大敵!

人間のホルモンは、脳の視床下部から命令を出し、脳下垂体から分泌されるしくみになっています。

視床下部は、ストレスに非常に弱いという性質があります。

ストレスに長くさらされると、視床下部のはたらきが悪くなり、ホルモンバランスの乱れにつながることがあります。

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4. プロゲステロンと生理の関係

プロゲステロンと生理(月経)は密接な関係があります。

プロゲステロンと基礎体温の関係とは?

健康な女性の場合、基礎体温は低温期と高温期に分かれます。

それぞれ2週間程度続きます。

プロゲステロンは高温期に分泌される

プロゲステロンは高温期に分泌されるホルモンです。

低温期にはエストロゲンが分泌される

一方、低温期にはエストロゲンが分泌されます。

プロゲステロンの分泌は、必ず2週間前後で終わる

妊娠が成立しなかった場合、プロゲステロンの分泌は必ず2週間前後で終わります。

これは、プロゲステロンの寿命が約2週間と決まっているからです。

プロゲステロンの分泌が終わると、基礎体温が下降し生理がはじまります。

5. プロゲステロンと排卵の関係とは?

卵子の質が高ければ高いほど、プロゲステロンの質も高くなると言われています。

卵子の質は、エストロゲンのほかにも、さまざまなホルモンのバランスによって決まります。

卵子の質はFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)で決まる

生理がはじまる頃、卵巣の中にある原始卵胞(卵胞の元)は、FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)の分泌により成熟がはじまります。

この時期のFSHやLHの値が低いと、卵子の質が悪くなる可能性が高くなります。

排卵が近くなると

排卵日が近くなると、エストロゲンの分泌はピークをむかえます。

エストロゲンの分泌がピークになると、LH(黄体化ホルモン)の分泌もピークをむかえます。

この2つのホルモンの分泌が少ないと、排卵がうまくおこなわれないことがあります。

排卵するまでのホルモンが、プロゲステロンの質を決める

FSH、LH、エストロゲンがバランスよく豊富に分泌されることで、プロゲステロンも豊富に分泌されるようになります。

プロゲステロンを分泌するもとになるのは、卵胞です。

卵胞(卵子)の質がよいほどプロゲステロンの質がよくなるのです。

6. プロゲステロンと妊娠の関係

妊娠すると、プロゲステロンの分泌量はどんどん増加していきます。

妊娠中のプロゲステロンの役割

基礎体温は高温期が続く

妊娠すると、基礎体温は高温期が続くようになります。

これは、胎盤ができあがる妊娠4か月頃まで続きます。

胎盤の形成を助ける

プロゲステロンは、子宮内の状態を整えながら胎盤を形成していく役割をもっています。

胎児の成長を助ける

胎盤が完成していない妊娠初期は、プロゲステロンにより胎児が成長していきます。

胎盤が完成すると

胎盤が完成する妊娠16週頃になると、卵巣から分泌されていた黄体ホルモンが胎盤から分泌されるようになり、妊娠をさらに持続させます。

妊娠後期~産後のプロゲステロン

妊娠後期(妊娠8か月頃)になると、プロゲステロンの分泌は徐々に減少していきます。

そのあと、出産後2日後くらいに急激に減少します。

産後、エストロゲンが分泌され、卵胞が育ちはじめると排卵がおこなわれます。

排卵すると、プロゲステロンの分泌も元通りになります。

7. プロゲステロンと不妊の関係は?

プロゲステロンの分泌が少ない場合、受精卵が着床しにくくなり、不妊の原因になることがあります。

また、流産する可能性が高くなることもあります。

プロゲステロンの分泌量を知る方法は?

プロゲステロンの分泌が少なくても、体調に変化がでることは少ないでしょう。

基礎体温をはかることで分かる

プロゲステロンの分泌が少ない場合、基礎体温でわかることがあります。

基礎体温の高温期は約2週間続きますが、プロゲステロンの分泌が少ない場合、基礎体温では以下のようなグラフになります。

  • 高温期の日数が8日未満
  • 低温期と高温期の差が0.3℃未満

このような場合、プロゲステロンの分泌が少なく、妊娠しにくくなる可能性があります。

ホルモン検査で分かる

病院でホルモン検査をすることにより、プロゲステロンの分泌量が分かります。

ホルモン検査は、血液検査にておこなわれます。

不妊治療におけるプロゲステロンの検査は、排卵後約1週間後におこなわれます。

この時期は、プロゲステロンの分泌がもっとも多い時期です。

正常値の目安は、5〜30mg/mLです。

プロゲステロンの分泌が少ない場合の治療法は?

プロゲステロンの分泌が少ない場合、生活習慣を見直したり、漢方薬を服用したり、婦人科でホルモン補充療法をしたりして治療します。

生活習慣を見直す

プロゲステロンの分泌を増やすには、以下のことを気につけましょう。

  • 規則正しい生活
  • ビタミンEやビタミンC、たんぱく質をとる
  • 適度な運動
  • からだを冷やさない

特に、卵子の質を保つはたらきのあるビタミンEやビタミンC、たんぱく質は積極的にとるようにしましょう。

また、からだが冷えると血流が悪くなり、卵巣のはたらきも悪くなります。

卵巣のはたらきが悪くなると卵子の質も落ちることがあるので、からだを冷やさないように気をつけましょう。

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漢方薬を服用する

不妊にきく漢方薬は、からだの冷えを改善し、血流をアップさせるものが多いです。

  • 当帰芍薬散
  • 加味逍遥散
  • 婦宝当帰膠

これらの漢方薬を服用することで、卵子の質がアップし、プロゲステロンの分泌が増える場合があります。

薬を服用する

婦人科などでプロゲステロンの分泌が少ないと診断された場合、ホルモン補充療法がおこなわれます。

使用される薬は以下の通りです。

飲み薬
  • ルトラール
  • プラノバール
  • ソフィア
座薬
  • プロゲステロン坐薬
注射
  • hCG注射
  • ルテウム
  • プロゲデポー

プロゲステロンの分泌が少ないと、妊娠の継続が難しく流産の可能性が高くなります。

これらの薬は、流産の予防に使用されることもあります。

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