不妊治療は30歳を超えてからと思っていた自分が20代で不妊治療

1. 不妊治療を始める前の私の考え

結婚すれば子どもができるという幻想

22歳で結婚

私は現在27歳、1歳の男の子の母親です。

私が結婚したのは22歳のときで、23歳で不妊治療を開始しました、

結婚すればすぐに子どもができる、そう思っていました。

しかし、それはただの幻想に過ぎませんでした。

子どもを授かることがこんなにも難しいことだとは夢にも思っていなかったのです。

「若いからまだ大丈夫」「治療すればすぐできる」…そう思っている女性もいることでしょう。

私もその一人でした。

不妊治療に対する今の私の考え

「不妊治療というと30代を超えてからするもので自分とは無縁」と思っていました。

でも、それは間違いだったとあとから気づきました。

「もっと早く治療に取り掛かるべきだった」と後悔する女性が一人でも減ることを祈って、私の経験をここに書き記したいと思います。

2. 子どもが好きでない私が子どもを望んだ理由

最初は子どもを望んでいなかった

もともとは子どもが嫌いだった

私はもともと子どもが好きだったわけではありません。

どちらかというと子どもが苦手でした。

学生時代は「絶対に子どもはいらない」という思いから、避妊のために低用量ピルを4年ほど飲んでいました。

結婚後も最初は子どもを望んでいなかった

結婚しても「子どもはいらない」と思っていました。

主人は私よりも一回り年上でしたが、子どもを熱望しているわけでもなく、結婚前から子どもを授かるか授からないかは自然に任せるという考え方でした。

子どもがいなければいないで、夫婦ふたりで楽しく過ごせばいいと私たちは思っていたのです。

結婚して半年くらいは子どもを作ることを意識しませんでした。

低用量ピルも飲み続けていました。

でも、以下の理由から子どもをほしいと思うようになりました。

私が子どもを望むようになった理由

子どもを産めない女は価値がない?

私の住んでいるところが田舎だからでしょうか。

職場の女性からは「子どもはまだなの?」「つくらないの?」と頻繁に聞かれました。

それも一人ではなく、複数の女性から毎日のように言われるのです。

最初は余計なお世話だと聞き流していましたが、ふとネットで子どもがいない女性について見てみたことがあります。

そこには「女は子どもを産んで一人前」「石女(うまずめ)とは離婚すべき」「三年子なしは去れ」といった厳しい意見もありました。

きっと職場の女性たちもそう見ているのだろうと、悔しい気持ちと悲しい気持ちが入り乱れ、女としての「負け」を宣告されている気分でした。

少し歪んでいますが、そういうことがきっかけとなり、子どもがほしいと思うようになりました。

夫の子を産みたい、女として出産を経験したい

子どもがほしいと思ったもう1つの理由は、単純に夫との子どもがほしいという思いでした。

なぜそう思ったのかはわかりません。

愛する男の子どもを産むことは女の幸せだから、女である以上出産を経験したいという気持ちもあったように思います。

また、夫が一回り年上で将来先立たれたときに、身内が一人もいない自分を想像するとさみしいからという考えも少しありました。

本能といえば本能なのかもしれません。

3. 一般産婦人科での不妊治療を開始する

とりあえずピルをやめて基礎体温をつけ始める

生理が来ない

子どもがほしいと思ったので、とりあえずピルをやめて基礎体温をつけはじめました。

ご存じの方も多いように、ピルには生理不順の治療効果があるのですが、ピルをやめたとたん、待てど暮らせど生理はこなくなりました。

基礎体温もガタガタです。

不正出血を起こしてしまう

もともと初潮の頃から生理不順だったことと、ピルを長期間飲んでいたので、「こんなこともあるだろう」くらいにしか思っていませんでした。

しかし生理が来なければ妊娠するタイミングを見計らうチャンスもありません。

どうしようかと思っていた矢先に、不正出血を起こしました。

不正出血を理由に産婦人科を受診しました。

ここからが私の不妊治療のスタートです。

絶望から始まった不妊治療

まずはホルモン剤と排卵誘発剤(クロミッド)

ひとまず不正出血をとめてリセットするために、ホルモン剤を飲みました。

そして、子どもがほしいことを伝えると排卵誘発剤(クロミッド)を処方されました。

さらに、ホルモン状態を調べるために血液検査を行いました。

その血液検査の結果が衝撃的なものでした。

女性ホルモンが分泌されていない

「女性ホルモンがほとんど分泌されていません。これは閉経した90歳のおばあさんと同じ状態です」と先生に言われたのです。

あまりのショックに「妊娠できるのでしょうか…」と聞き返すのが精一杯でした。

さらに先生は私にこう言いました。

「原因を詳しく調べないとわからないですが、排卵しないままでは妊娠は難しいです」

悲しくて涙が止まらなかった

診察室を出て、赤ちゃんを抱いている女性の姿が目に入りました。

涙をこらえようと思うのですが、次から次へと涙があふれてきます。

周囲から白い目で見られながら会計を済まし、車に戻って声をあげて泣きました。

不妊の悲しみは誰に相談すればいいのか

自分の母親にも相談できなかった

「女としての機能が正常に働いていない」

「子どもができないかもしれない」

そのことを考える度に涙があふれ、自分の存在価値すらないように感じました。

女としての死刑宣告をうけたかのような絶望の底に叩き落されました。

同じ女である母親にすら、この事実を言うことができませんでした。

きっと孫の顔が見れないかもしれないと思うと、母親もショックを受けるだろうからです。

不妊を受け止めてくれた夫

誰に相談すればいいのかわからず、とりあえず主人にだけはありのままを話しました。

主人は「大丈夫だよ…」と一言言って抱きしめてくれました。

この人と結婚してよかったと思うと同時に、この人の子どもを産みたいと思う気持ちも一層強まりました。

排卵誘発剤(クロミッド)による治療の結果

排卵誘発剤が効かない

私の一抹の望みは1日1錠飲むように処方された排卵誘発剤(クロミッド)でした。

当時の私は無知で、排卵誘発剤を飲めば必ず排卵するものだと信じていました。

ちょうど排卵する頃に卵胞が育っているか調べるために診察に行きましたが、「育っていないですね」と一言。

「排卵誘発剤を飲んでいるのになぜ?」という気持と、不安な気持ちでいっぱいでした。

結局クロミッドの飲む量を変えながら3周期治療を行いましたが、排卵しませんでした。

「うちでできる治療では難しいから、専門の病院に行ったほうがいいです」と言われました。

地域の産婦人科病院での不妊治療をやめる

このクロミッドを処方されたのを最後にこの病院への通院はやめてしまいました。

基礎体温で排卵した様子がありましたが、卵胞チェックをしたところ排卵されていませんでした。

不正出血か生理か分からない程度の出血があっただけでした。

クロミッドを飲み続けると子宮内膜が薄くなる副作用があるようで、生理の出血量が少なくなっていることから子宮内膜が薄くなっているのだと悟りました。

4. 不妊治療専門の婦人科での治療

田舎での不妊治療専門の病院探し

不妊の原因を詳しく知りたい

本当に子どもが必要かどうかを考える時期もありましたが、まずは自分の体の状態を詳しく知りたいという気持が強く、不妊治療専門の病院の受診を決めました。

田舎に不妊治療専門の病院は少ない

早速ネットで不妊治療を専門にしている病院を探しましたが、私の住んでいる市内には1件もありませんでした。

隣の市に1件、さらに隣の市に2件程度という状況でした。

親友に相談したところ、たまたまその親友が通っている病院が不妊治療専門の病院でした。

車を1時間以上走らせなければならない場所でしたが、親友が通っている安心感と「子連れ禁止だから精神的に楽だよ」という一言に通院することを決めました。

不妊治療の検査の流れ

血液検査(ホルモン検査)

不妊治療の検査については、生理周期に合わせてスケジュールがある程度決まっていました。

私の場合はまずはホルモン剤で生理を起こし、生理中に採血をしてホルモン値を調べます。

卵管造影検査

次に卵管造影検査です。

これは卵管に造影剤を通して、卵管が詰まっていないか調べる検査です。

LHサージの検査

そして、排卵日頃に卵胞のチェックを行いLHサージを調べました。

LHサージの検査は、は排卵直前にLH(黄体ホルモン)というホルモンが一気に放出されることを利用して、排卵日の特定をしやすくするために行います。

排卵日と思われる日を特定したら夫婦生活を持ち、その後すぐに病院へ行き内診を受けます。

これはフーナーテストといわれ、子宮頸管の粘液の中の精子の状態を調べる(きちんと精子が卵子に向かっていっているか、動きはどうかを調べる)検査です。

これが女性が受ける基本的な検査です。

男性の検査は、フーナーテストまでに精液の採種を行い、量や運動率を調べます。

不妊治療の検査の精神的な苦痛

男性の場合、容器に向けて射精するというのはなかなかのプレッシャーだと思います。

また、フーナーテストでは決められたタイミングで性交を行わなくてはならず、これは夫婦双方にとってプレッシャーが大きいのではないでしょうか。

主人は愚痴の一つも言わず協力してくれましたが、男性にとっても気持ちのよい検査ではないと思いました。

不妊治療の検査の肉体的な苦痛

卵管造影検査の事前情報

私が一番苦痛だと感じたのは、卵管造影検査でした。

検査を受ける前にネットで調べると、「陣痛より痛かった」「あまりの痛さに逃げ出した人や気絶した人がいる」という噂が書かれていました。

異常がない人は痛くないようですが、異常のある人は痛みを感じやすいようです。

検査後は妊娠しやすくなるという説

検査を受ける前から恐怖と戦いながらも、この検査を受けた後は妊娠しやすくなるという説を信じ「妊娠しやすくなるならどんなに痛くてもやってやる」と自分を奮い立たせました。

卵管造影検査の流れと痛み

検査の前には造影剤を流すための器具をつけます。

その器具を固定するために子宮口を挟むので、器具を着けたときから激痛が始まりました。

重い金属が子宮口を挟んで股にぶらさがった状態でレントゲン室まで移動します。

看護師さんに「がんばってください、もう少しですよ。」と励まされ、造影剤を流します。

このときの痛みといったら表現しようがなく、気が遠のきました。

卵管造影検査の後

その後は痛みで歩けず、しばらく処置室で寝かせてもらい、感染症予防の抗生剤を処方されて帰りました。

5. 不妊治療の検査の結果

一通りの検査を終え、結果と今後の方針を決めることにしました。

不妊の原因は多嚢胞性卵巣症候群

検査の結果、私が排卵しないのは多嚢胞性卵巣症候群という病気が原因であることがわかりました。

もしかしたら早期閉経かも…と不安になっていましたが、別の原因であることがわかり少し安心しました。

妊娠可能なカラダと判明

もう1つ検査でわかったことは、左の卵管がつまっているかもしれないということです。

ただ、ほかに異常はなく、右の卵巣からの排卵さえあれば妊娠は十分可能と言われました。

生理が起こるのを待ち、排卵誘発を行う方針をとることにしました。

6. 検査直後にまさかの妊娠

排卵誘発を行うつもりが生理がこない

治療方針が決まった後、排卵誘発を行うつもりで生理を待っていましたが一向に生理はきませんでした。

フーナーテスト前のLHサージや、基礎体温からも排卵していることは明らかでした。

卵胞チェックのときに「右に卵胞が育っていますね」と先生に言われたことを思い出し、もしかしたらと思いました。

妊娠検査薬を使うと陽性が出ました。

妊娠検査薬で何度も確認

信じられず、病院に行くまで毎日検査薬で確認しました。

1日2本検査薬を使った日もありました。

病院へ行き、内診をしてもらったところ胎嚢が確認できました。

一般産婦人科に通っていた頃はクロミッドを3錠飲んでも排卵しなかったのに、たった1錠で排卵し、フーナーテストのタイミングで妊娠したのです。

7. 病院での治療以外で取り組んだこと

不妊の原因がわかってから、何かできることがないかと貪欲に探しました。

多嚢胞性卵巣症候群に対して

食事面の改善

多嚢胞性卵巣症候群の詳しい原因は明らかではありませんが、血糖値との関連が報告されていることを知りました。

クロミッドが反応しない場合、糖尿病の薬を投与すると反応することがあるようです。

糖尿病家系なので、もしかしたらインスリンの働きが悪いのかも…と思い、糖質制限食や運動を日常生活で取り入れました。

糖質制限食は野菜を多く摂り、糖分の多いものを控えるというゆるい制限で、炭水化物を抜くということはしませんでした。

サプリメントも導入

あとは、糖代謝を促進すると言われているαリポ酸のサプリメントもドラッグストアで購入して飲んでいました。

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東洋医学の不妊治療

婦人科系の疾患に対しては東洋医学がよく効くということを聞き、試してみることにしました。

鍼灸による不妊治療

ひとつは鍼灸です。

多嚢胞性卵巣症候群のことは伝えずにいましたが、鍼灸師に「卵巣が固い」といわれ、その診断力に驚きました。

かなりご年配の先生で、局部に近い部分にまで鍼をうったりしましたが、「嫌だろうけど頑張って、絶対に妊娠できるようにするから」と強く励まされ通い続けました。

お灸もせんねん灸を購入し、時々ですが自宅ですえていました。

身体を温めて冷えを改善することは、基礎体温を安定させるのにもよいそうです。

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漢方薬

もう1つ試した東洋医学は、漢方薬です。

血を補うとともに血の循環がよくなるよう、婦宝当帰膠という漢方薬と冠元顆粒という漢方薬を購入し、2ヶ月程度飲みました。

婦宝当帰膠は黒糖のような味で意外と飲みやすく、妊娠中に飲めば流産の予防や貧血の予防、母乳の出をよくするといった効果もあるそうです。

私が感じた東洋医学のいいところ

西洋医学の治療とあわせてできる

鍼灸や漢方など東洋医学のいいところは、西洋医学の治療を受けていても基本的には取り入れることができることです。

体質の根本改善に役立つ

また、西洋医学は症状に対してアプローチする対症療法が中心ですが、東洋医学は即効性はないにしても体質を根本から改善できるようアプローチしてくれます。

経済的な負担は小さくない

ただ、西洋医学は健康保険や不妊治療の助成が受けられるのに対し、東洋医学はそういった制度の対象外であることが多いです。

経済的には続けるのがなかなか難しい場合もあると感じました。

8. 経済面は助成金や医療費控除でカバー

治療を受けていると、やはり経済的な面が心配になってきます。

1周期の卵胞チェックだけでも3回のエコーを受け、画像診断料などで3000円近い額が通院の都度飛んでいきました。

地域の助成制度

私が治療を受けた期間は1年程度で、人工授精や体外受精も行いませんでしたが、それでも地域の助成金制度を利用しました。

私の地域では、上限は5万円まででしたが、治療にかかった金額の1/2を助成してくれました。

病院で書類を書いてもらったり手間はかかりますが、こういった制度はどんどん利用したほうがいいと思います。

医療費控除

また、東洋医学の治療費は助成金の対象外ですが、漢方薬に関しては医療費控除において他の治療費とともに確定申告のときに申告し、10万円を超えた部分に関しては規定の計算式のもとで算出された金額が戻ってきます。

こういった制度をうまく利用し、少しでも経済的な負担を減らすことは治療のストレスを減らすことにつながります。

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9. 不妊治療から妊娠・出産を経て学んだこと

最初から不妊治療専門の病院に行くべきだった

結果的に、不妊治療をしてよかったと思います。

早めに一般の婦人科から専門の病院に行くことに決めたのも、よかったと思います。

治療は長引くほど負担が大きい

治療が長引けば長引くほど費用もかかりますし、精神的にも肉体的にも負担がかかるからです。

そのため、はじめから不妊治療専門の病院に行くべきだったと思います。

少しでも早く治療を始めるべき

若いから大丈夫…と先延ばしにしていたら、子どもを授かれたかどうかもわかりません。

妊娠に不利な要因がほかにも出てきて、さらに授かりにくくなっていたかもしれません。

20代前半でも排卵すらしない自分の身体を考えたら、30代や40代はもっと妊娠しづらくなっていることは明らかです。

新しい命の誕生は奇跡の連続

治療をすることで妊娠する確率を高めることはできるけれど、妊娠するかしないか、出産に至るかいたらないかというのは、最終的には神のみぞ知る領域なのだと痛感しました。

ホルモンが正しく分泌されること、排卵すること、受精すること、着床すること…すべてが奇跡の連続です。

まずは不妊の検査だけでも

「子どもがほしいけれどできない、病院を受診しようか・・・」と迷っている方は、検査だけでも受けてほしいです。

不妊治療は夫婦で取り組むもの

まずは夫婦で不妊と向き合うことが大切

不妊治療というと女性だけのものというイメージがまだあるようですが、男性に原因があることもあります。

男女とも不妊の検査を負担に感じたり、思わしくない結果が出たら落ち込み、悲しい気持ちになるのは同じです。

だからといって逃げていても、妊娠しやすくなるわけではありません。

妊娠しない原因を突き止めることは、不妊治療をどうするのか、どう生きていくのかを考える材料にもなると思います。

不妊治療は一人では乗り越えられない

不妊治療をすると決めたのなら、夫婦でいっしょに取り組むという意識を持って臨むことで、治療のつらさも少しは和らぎます。

私も主人の理解と支えなしには乗り越えられなかったと思います。

二人で乗り越えた治療は、妊娠したときには2倍の喜びにつながります。

私の体験が、これから検査や治療を考えている方や治療中の方の参考に少しでもなれば幸いです。

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