アトピーの治療にステロイドは効く?ステロイドの効果、限界、副作用

1. アトピー性皮膚炎で使われるステロイドとは?

アトピー性皮膚炎の治療でよく使われるステロイドは、皮膚の炎症を抑える働きがあります。

ほかにはハチや毛虫など、毒性の強い虫に刺された場合の炎症にも使われます。

ステロイドの歴史

ステロイドの歴史は古く、1948年に発見されます。

関節の炎症を引き起こす、リウマチ患者にステロイドを適用したところ、炎症の抑制に劇的な効果をあげました。

以降、各国で研究が続けられ、化学者のライヒシュタインは、ステロイドでノーベル賞を受賞しました。

ステロイドとはどんな物質なの?

ステロイドの正式名称は、副腎皮質ホルモン、またはコルチゾールと呼びます。

体内では体の機能を維持するため、いろんなホルモンが生成されています。

副腎皮質ホルモンもその1つです。

副腎皮質ホルモンは腎臓の上についている、副腎で作られています。

2. ステロイドの効果について

炎症を抑える

アトピー性皮膚炎などで炎症を起こすと、プロスタグランジンという体内物質が生成されます。

ステロイドは、プロスタグランジンの体内物質を抑制し、炎症を抑える効果があります。

免疫機能の暴走を止める

私たちの体は、免疫機能があるおかげで、いろんな病気や症状を抑える働きがあります。

正常に働いている場合には問題ないですが、免疫機能が暴走すると、アレルギー反応などを起こすことになります。

ステロイドは免疫機能が暴走したときに分泌され、いわゆるブレーキの役割を果たします。

ストレスへの対応

ストレスがかかると、闘争と逃走の2つの反応を引き起こします。

心拍数を上げ、集中力を高め、いつでも戦いや逃げる準備をします。

ストレスへの対応をするときに、ステロイドが分泌されます。

血圧や脈拍の上昇

ステロイドは血圧や脈拍を上げる効果があります。

血糖値の上昇

ステロイドは血糖値を上げる効果があります。

その一方、糖尿病治療薬で使われるインスリンは、ステロイドの逆で血糖値を下げる効果があります。

中性脂肪やコレステロール値の上昇

ステロイドは血液中に含まれる中性脂肪や、コレステロール値を上げる効果があります。

高脂血症の方や生活習慣病を持っている方は、注意が必要です。

ナトリウムとカリウムの調整

ステロイドは血液中のナトリウムを増やし、カリウムを減らします。

結果として血圧が上昇します。

骨の分解作用

ステロイドは骨を分解する作用があります。

骨量や骨密度が多ければ、とくに心配する必要はありません。

3. ステロイドは悪いものなの?

とくに日本ではステロイドは危険、という風潮が非常に強くあります。

前のステロイドの効果について、血圧やコレステロール値の上昇などがあります。

また、免疫機能を抑える働きがあるため、免疫機能が低下することもあります。

ステロイドが体からなくなると?

ステロイドの分泌が不足してしまいますと、炎症や免疫機能の暴走を止めることができなくなります。

結果として、アトピー性皮膚炎やアレルギーがひどくなる、などの作用も出てしまいます。

4. アトピー性皮膚炎で使用されるステロイドの種類

ステロイドが投与される病気や症状について

アトピー性皮膚炎以外にも、

  • 気管支喘息
  • 関節リウマチ
  • 潰瘍性大腸炎
  • 免疫機能の疾患

このような病気や症状にステロイドは使われます。

ステロイドの5段階レベル

ステロイドの作用が強いものから弱いものまでを、全5段階のレベルにわけています。

大人や子ども、症状、皮膚疾患などの部位により、使用するステロイドが変わります。

また、ステロイドを連続して使用する日数や回数なども、明記されています。

ステロイドの流用は可能なの?

前に記述したとおり、人それぞれ適切なステロイドは異なります。

大人向けのステロイドを子どもに投与すると、逆に効果が強く出すぎてしまい、悪影響が出ます。

余っているからと、ステロイドを流用するのは絶対に避けましょう。

ステロイドの形状について

アトピー性皮膚炎の場合には、軟膏の外用薬が中心となります。

症状にあわせて、錠剤の内服薬を処方されることもあります。

5. ステロイドの限界と副作用

ステロイドはアトピー性皮膚炎を抑えるのに、有効な薬です。

しかし、ステロイドを使い続けることによって、体が慣れてしまいます。

いわゆるステロイドの耐性がついた状態となります。

逆にそうなると、アトピー性皮膚炎が再発し、以前よりひどくなることもあります。

ステロイド耐性がつくまでの期間は

ステロイドを塗る量や強さによって個人差が出ます。

半年という人もいれば、もっと短い期間でステロイド耐性がつく人もいます。

長い期間ステロイドを使用している人は注意

とくに目的もなく、長期的にステロイドを使用している場合には注意が必要です。

ステロイドの使用は、短期的に回数を守って使うことがたいせつです。

ステロイドの副作用

ステロイドを長期に使いますと、下記のような副作用があらわれます。

  • 毛細血管が拡張して皮膚が赤く見える
  • 皮膚が薄くなる
  • 免疫機能が落ちるため皮膚の感染症の悪化
  • 肌の色素が薄くなる
  • あざができやすくなる

ほかにも体調の異変や気になることがありましたら、病院の先生に相談しましょう。

参考:病院で処方される薬