赤ちゃんの眼瞼下垂(がんけいかすい)とは?原因・症状・治療・体験談

1. 眼瞼下垂ってどんな病気?

目が十分に開けられない

眼瞼下垂とは、上のまぶたが下がっていることで、十分に目が開けられない状態のことをいいます。

上のまぶたが下がっていることで、赤ちゃんは上方の視野が狭くなります。

また、片方あるいは両方の上まぶたの縁がかぶさることで、黒目の上部分が隠れてしまい、外見が悪くなることもあります。

眼瞼下垂の種類

眼瞼下垂は、まぶたがどの程度、黒目の部分にかぶさっているかで、軽度・中度・強度3つに分類されます。

また、眼瞼下垂の種類も3つあり、それぞれ原因や治療法が異なります。

先天性眼瞼下垂

先天性眼瞼下垂とは、生まれつきまぶたが下がっている状態のことをいいます。

目が細く、視野が狭いという特徴があります。

赤ちゃんの多くはこの先天性眼瞼下垂で、ほとんどは視力に問題はありません。

後天性眼瞼下垂

後天性眼瞼下垂とは、もともとは普通にまぶたが開いていたのに、だんだん開かなくなってしまった状態をいいます。

そのほとんどが、腱膜性眼瞼下垂という、長い年月のうちにまぶたを上げる腱膜が緩んでしまうことで起こるといわれています。

偽眼瞼下垂

偽眼瞼下垂とは、おでこの皮膚や筋が弛緩することで眉毛が下がり、眼瞼を押し下げてしまう状態です。

そのため、眼瞼下垂とは区別されています。

2. 眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂の原因は種類によって異なる

眼瞼下垂が起こる原因には、種類によって違いがあります。

先天性眼瞼下垂が起こる原因

赤ちゃんに多い先天性眼瞼下垂が起こる原因は、まぶたを上げている上眼瞼挙筋という筋肉の形成や発達が不足していることです。

上眼瞼挙筋を動かす、動眼神経の発達異常で起こることもあります。

また、ホルネル症候群という、先天性の交感神経障害が原因のこともあります。

その場合は、顔面の発汗が低下する、瞳孔の異常、交際の色素異常を伴う、眼瞼下垂が起こります。

後天性眼瞼下垂が起こる原因

後天性眼瞼下垂が起こる原因の多くは、加齢によりまぶたを上げる腱膜が緩むことです。

ハードコンタクトレンズを長期間使用したり、白内障や緑内障といった手術の後に起こることもあります。

その他にも、動眼神経麻痺や重症筋無力症、外眼筋ミオパチー、Horner症候群、外傷性眼瞼下垂などが原因になることがあります。

偽眼瞼下垂が起こる原因

偽眼瞼下垂が起こる原因は、いろいろあります。

加齢によってまゆげが自然に下がる眉毛下垂、上まぶたの皮膚が老化でたるむ眼瞼皮膚弛緩症、まぶたを閉じる筋肉が過剰に緊張することで開きにくくなる眼瞼けいれんなどです。

その他にも、外傷や甲状腺の病気が原因で起こる眼球陥凹があります。

3. 眼瞼下垂の症状

眼瞼下垂であらわれるいろいろな症状

眼瞼下垂になると、まぶたの皮膚が目にかぶさることで、目つきが悪くなったり、ぼんやりした眠そうな印象になります。

ですが、起こる症状はこうした外見的なものだけではありません。

頭痛や眼精疲労が起こる

まぶたが下がって視野が狭くなると、物を見る時にあごを突き出したり、顔をそむけたり、頭を傾けることが多くなります。

また、目を開くために額にしわを寄せたり、まゆげを上げたりします。

そうした行動の結果、頭痛や肩こり、猫背、腰痛が起こることがあります。

また、まぶたを開けるために筋肉に過度な負担をかけるので、眼精疲労を併発することも多いです。

斜視になる可能性がある

眼瞼下垂が強度だと、両目を均等に使えなかったり、乱視を合併する可能性があります。

赤ちゃんの場合は、視力の発達が遅れたり、両目で物を見るのが難しく、斜視を発症することもあります。

両目では見えにくいのに均等に見ようとすると、めまいを感じることもあり、それが自律神経失調症を引き起こす原因にもなります。

目が見えないことも

眼瞼下垂で視野が狭くなると、周囲との距離感がつかめなかったり、突然見えない状態に陥ることがあります。

そのため、転倒事故やケガ、自動車事故が多くなるのです。

中でも両眼性眼瞼下垂が悪化すると、視力はあっても目が開かないことで、見えない状態になることもあるそうです。

4. 眼瞼下垂の治療

赤ちゃんは経過観察が多い

生まれたばかりの赤ちゃんは、目がまったく開かない状態でも問題ありません。

生後1~2カ月たつと、だんだんまぶたが上がってきます。

ですが、生後6カ月を過ぎても改善されない場合は、弱視や斜視の予防をするためにも、眼科で診察を受け、治療を検討することをおすすめします。

治療は手術が中心

眼瞼下垂の治療は、手術がほとんどです。

生後6カ月以降の赤ちゃんが眼瞼下垂の場合は、目が見えている時には経過観察を続け、見た目や視力の伸びる時期を考慮し、2~5歳の間に手術をすることが多いようです。

眼瞼下垂の手術方法

眼瞼下垂の手術にも、いろいろな種類があります。

目は顔の印象を決める重要なパーツなので、左右のバランスや二重の形など、納得のいく手術になるように、お医者さまときちんと話し合っておく必要があります。

眼瞼挙筋腱膜前転術

眼瞼挙筋腱膜前転術では、眼瞼挙筋腱膜とつながる眼窩隔膜を丁寧にはがして前方に移動させ、これらをまぶたの縁にある瞼板という軟骨に固定します。

眼瞼挙筋短縮術

眼瞼挙筋短縮術では、まぶたの裏側にある結膜から挙筋腱膜と、まぶたを持ち上げる筋肉であるミュラー筋をまとめてはがし、瞼板に固定します。

眼瞼挙筋腱膜短縮術

眼瞼挙筋腱膜短縮術では、ミュラー筋から挙筋腱膜をはがして前方に移動させ、瞼板に固定します。

前頭筋吊り上げ術

前頭筋吊り上げ術では、まゆげを上げる筋肉である前頭筋をまぶたとつなぎます。

この手術により、まゆげを持ち上げると、まぶたが開くようになります。

5. 眼瞼下垂のホームケア

訓練や薬では完治が難しい

眼瞼下垂が軽度で、日常生活に支障がなければ治療は必要ありません。

ですが、赤ちゃんの眼瞼下垂が中度や強度だった場合、視力の発達に悪影響が及ぶことがあり、薬や訓練での完治は難しいです。

ホームケアで対処できるものではないので、生後6カ月を過ぎたら、治療を前提に病院で診察を受けることをおすすめします。

手術後のホームケア

眼瞼下垂の手術を受けると、まぶたが腫れて、内出血が起こることがあります。

若干、痛みが残ることが多いので、痛がるようなら処方された痛み止めを飲ませてあげましょう。

手術後、数日間は入浴させず、シャワーだけで簡単に済ませます。

そして、目に負担をかけないためにも、テレビやパソコンなどを見せるのは止めましょう。

また、目に違和感があり、触ろうとすることが多いので、気をそらせて、患部を触らないように心がけてあげてください。

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6. 先輩ママの「うちの子の眼瞼下垂体験談」

5才の女の子・ママより

娘が保育園の年長の時に受けた眼科検診で、医師から「眼瞼下垂」と診断されました。

娘は視力が低下していたので、小さいうちに治療しておこうと、手術を選択。

全身麻酔での手術だったので、1週間ほど入院しました。

手術後、2週間あたりから腫れが徐々に引いて眼帯がとれ、術後1カ月には以前より目が上がり、本人も見やすくなったと喜んでいます。

現在は、眼瞼下垂に伴った視力低下を矯正するためメガネをかけていますが、2年ほど続ければよいといわれています。