赤ちゃんの先天白内障とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 先天白内障はこんな病気

瞳孔の奥には水晶体という透明な組織があり、光を網膜に届けたり屈折を調節したりする役割を持っています。

先天白内障は水晶体が生まれつき濁っており、光が網膜にうまく届かず視力が発達しにくくなる病気です。

濁りが強いと視覚刺激が妨げられ、重度の弱視につながります。

先天白内障の種類

先天白内障と発達白内障

先天白内障の多くは、出生直後に白内障の症状が確認できます。

しかし、中には幼児期~思春期に発症・進行するケースもあります。

その場合は、発達白内障と呼ばれます。

両眼性白内障と片眼性白内障

片目のみに発症する片眼性白内障と、両眼に発症する両眼性白内障があります。

先天白内障のおもな原因

染色体異常

染色体異常により、水晶体を構成するタンパク質が変性することがあります。

遺伝

先天白内障そのものは、10000人に1~2人の確率で起こる珍しい病気です。

しかし、両親・きょうだいなどに先天白内障の人がいると高い確率で赤ちゃんに遺伝します。

実際に、先天白内障の2~3割は遺伝によるものと言われています。

赤ちゃんの近親者に先天白内障の人がいる場合は、生後すぐに眼科で検査しましょう。

子宮内感染

ママが妊娠初期に風疹にかかった場合、水晶体全体が濁る「全白内障」のリスクが上がります。

また、風疹以外の感染症が原因となることもあります。

他の疾患の合併症

以下の疾患の合併症として、先天白内障の症状が出ることがあります。

  • ダウン症
  • 眼球形成異常
  • 先天代謝異常

2. 先天白内障の症状

瞳孔が白く濁る

水晶体の白濁により、瞳孔の中が白く濁って見えます。

水晶体のごく軽い濁りは多くの人に見られますが、濁りが強い場合は視力に支障をきたします。

眼振(眼が揺れる)・視線が合わない

いずれも弱視の症状です。

症状が強い場合、生後10週ごろからこれらの症状が目立ち始めます。

斜視(片眼のみ視線がずれる)

斜視もまた、弱視の典型的症状です。

片眼性の場合、生後3~4ヶ月ごろから白内障のほうの眼が斜視になりはじめます。

周囲に反応を示さない

出生後すぐは視力が弱く、生後2~3ヶ月ごろから動くものを眼で追う「追視」が始まります。

追視がなかなか始まらない場合、弱視の疑いがあります。

小角膜・小眼球

重症の場合、処置が遅れると角膜・眼球が小さくなることがあります。

3. 先天白内障の治療

先天白内障の発見が遅れると視力や脳の発達に影響を及ぼすので、極力早く対処する必要があります。

両眼性なら生後10~12週、片眼性なら生後6週までに手術するのが望ましいです。

乳幼児は手術中じっとしていることが難しいので、全身麻酔下で手術を行います。

先天白内障の手術が可能な病院は少なく、大学病院などに紹介状を書いてもらうことが多いです。

手術は両眼同時?それとも片眼ずつ?

両眼性の場合、両眼同時に手術する病院と片眼ずつ手術する病院があります。

両眼同時に手術することで、全身麻酔による体への負担を減らすことができます。

その反面、手術中の感染症などによる失明のリスクはやや高くなります。

水晶体摘出手術について

白濁した水晶体と、硝子体(眼球内部を満たすゼリー状の組織)の前部を摘出します。

手術の傷は数ヶ月で治るので、それまでは感染症予防などのために内服薬・点眼薬を使用します。

水晶体が無くなっても、ものは見える?

水晶体を摘出しても、視力そのものが無くなるわけではありません。

ただし遠視状態になってしまうので、手術後は以下の方法で対処します。

眼内レンズ挿入

水晶体摘出と同時に、水晶体の代わりとなる人工レンズを眼球に挿入します。

ただし乳幼児の目は発達段階にあり、成長後にレンズの度数が合わなくなっていきます。

また、長期的に見ると合併症のリスクも上がります。

そのため、慎重に運用しなければなりません。

メガネ・コンタクトレンズによる視力矯正

無水晶体用の特殊なメガネやコンタクトレンズを使って、視力を矯正します。

眼内レンズ挿入後に度数が変化した場合も、メガネやコンタクトレンズを使用します。

軽度の場合

軽度の白内障の場合、すぐ手術せずにしばらく様子を見ます。

白内障の進行を抑える点眼薬・内服薬などを投与しつつ、定期検査で症状をチェックします。

手術後の定期検査

定期的に視力検査や眼底検査を行い、眼の様子をチェックします。

また、ごくまれに手術後の合併症として網膜剥離や緑内障を発症することがあります。

もしものときにすぐ対処するためにも、定期的に眼科で検査を受けなければなりません。

4. 手術後の弱視訓練

先天白内障の手術後は、弱視訓練が重要です。

せっかく手術しても、視力を発達させなければやはり弱視になってしまいます。

子どもの視力は10歳ごろまで発達するので、できるだけ小さいうちから開始すると高い効果が得られます。

両眼性の場合

手術後早いうちから、視力矯正が必要です。

3歳ごろまでは、メガネよりコンタクトレンズを使うことが多いです。

赤ちゃんは自分でレンズをつけられないので、大人がレンズの着脱や管理を行います。

コンタクトレンズの着脱方法

赤ちゃんの体を固定し、吸盤つきの専用スポイトや指を使って素早くレンズを着脱します。

体を固定するときは、以下の方法で行います。

  • 大人の股に赤ちゃんの頭を挟んで固定する
  • バスタオルなどで体をぐるぐる巻きにする

たいていの赤ちゃんは怖がって泣き叫びますが、弱視訓練には視力矯正が欠かせません。

片眼性の場合

健眼遮蔽(アイパッチによる弱視訓練)

片眼性の場合、手術したほうの眼ともう一方の眼で視力に差が出ます。

そのままにしておくと無意識に見えるほうの眼だけを使ってしまい、手術したほうの眼が弱視になってしまいます。

手術したほうの眼を使う訓練として、1日数時間だけ見えるほうの眼をアイパッチで覆います。

視力矯正

健眼遮蔽と並行して、手術したほうの眼の視力をメガネやコンタクトレンズで矯正します。

両眼視訓練

手術したほうの眼の視力がある程度上がったら、両眼視(両眼でものを見ること)の訓練を行います。

斜視があっても両眼でものを見ることができるよう、プリズムを使ったメガネで光を屈折させます。

斜視そのものを矯正する効果はありませんが、弱視を防いで両眼視の機能を伸ばすことができます。

5. 手術後の状態・回復

重症度や発見・手術のタイミングによって、手術後の視力は大きく変わります。

健康な人とほぼ同じように生活できる場合もあれば、成長しても視力が上がりにくい場合もあります。

いずれにしても、手術や訓練開始が早いほど視力が良くなる可能性が上がります。

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6. 先輩ママの「うちの子の先天白内障体験談」

愛知県・1才6ヵ月の男の子・MPママより

1ヵ月のときです。

息子を抱っこしているときに、黒目が白く濁っているのに気がつきました。

おかしいなと思い、小児科を受診。

そのとき息子は眠っていて確認できなかったのですが、話を聞いて専門医を紹介され、すぐにその病院へ行きました。

診察の結果、やはり先天白内障で、手術を予約しました。

産院での健診や、1ヵ月健診で発見してもらえなかったのが、残念。

もっと早く気づいてあげたかったです。

4ヵ月のときに両目の濁った部分を取る手術をしました。

5日間の入院で、小さな子ばかりの大部屋で夜泣きにも気を使うし大変でした。

手術後1ヵ月ごろから、毎日コンタクトレンズをはめています。

厚めのハードレンズで、朝起きてすぐにはめ、夜おふろの前にはずします。

自分で触ってはずれたり、遊びが活発になって落ちてしまうこともあり、探すのに大騒ぎですが、視力は出ているようで安心しています。

現在は2ヵ月ごとの定期検診に通っています。

引用元:引用元:先天白内障だったの4ヵ月で手術しました