赤ちゃんの先天性股関節脱臼とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 先天性股関節脱臼はこんな病気

太ももにある大腿骨が、生まれつき股関節にきちんと入っていない病気です。

股関節は歩くときにとても重要な関節です。

しっかり治療しないと、中高年になって痛みや歩行困難を引き起こすおそれがあります。

2. 先天性股関節脱臼の原因

先天性股関節脱臼が発症する確率は?

赤ちゃん1,000人に対し、1〜3人の割合で発症します。

性別の違いによる発症の違いは?

男の子1に対して、女の子は9〜10と圧倒的に女の子に発症します。

女の子に多く発症する理由としては、骨盤が広いため外れやすいのが原因とされています。

痛みはないの?

痛みはありません。

そのため自覚症状もなく、痛みで泣いて訴えることがありません。

また、見た目では判断しにくいのが特徴です。

実際に3ヶ月検診で、はじめて発見されることも多くあります。

後天的に股関節が脱臼することはあるの?

ここ最近でわかってきていることは、先天性股関節脱臼と思われている大部分は、後天的に起きています。

割合としては、9割が後天的といわれています。

つまり、出生後に股関節は脱臼していない場合がほとんどです。

退院後赤ちゃんと生活するようになってから、股関節が外れてしまった、というわけです。

先天的、後天的に関係なく、早めの治療や対応が必要です。

素人が判断することはできるの?

素人が判断するのは、難しいのが現状です。

実際に乳幼児健診で、股関節が脱臼している疑いがある、と診断されるケースがほとんどです。

3. 先天性股関節脱臼の症状

おもな症状としては、下記になります。

  • 股関節を動かすと、ポキポキと音がする
  • おむつ替えをするときに脚の開きが悪い
  • 股関節の動く範囲が狭い
  • 左右の脚の長さが違う
  • 左右の太ももに出る、シワの数が違う
  • あおむけに寝かせると、左右のひざの高さが違う

4. 先天性股関節脱臼の検査&診断

先天性股関節脱臼の疑いがあるときは、X線検査や超音波検査を行います。

検査後、股関節に異常があると判明した場合、以下の3つで診断します。

1. 臼蓋形成不全

別名では、発育性股関節形成不全と呼ばれます。

臼蓋(きゅうがい)と呼ばれる、股関節の屋根の発達が遅れ、形成が悪い状態で起こります。

大腿骨の骨を受け止める臼蓋が、一部しか形成されていないだけで、厳密には脱臼していません。

成長するとともに臼蓋が形成されるのを待ちます。

2. 股関節亜脱臼

股関節から大腿骨頭がはずれかかっている状態です。

放置すると、完全に脱臼するおそれがあるため、適切な処置や治療が必要です。

3. 股関節脱臼

股関節から大腿骨頭が完全にはずれている状態です。

放置すると、成長してから歩行にも影響が出るため、早めの処置や治療が必要です。

5. 先天性股関節脱臼の治療

経過観察

臼蓋形成不全の場合、成長するとともに骨が形成されれば、脱臼することはなくなります。

経過観察をして、脱臼していないことを定期的に検査します。

装具をつける

脱臼の症状が改善されない場合、リーメンビューゲルと呼ばれる装具をつけます。

脚に装具をつけて脚が左右に開いた、自然な姿勢になるようにします。

定期的に診察を受け、ベルトの長さなどを調整します。

多くの赤ちゃんは80%の確率で整復されます。

手術

リーメンビューゲルをつけても改善されない場合、手術による治療を行います。

股関節が脱臼する原因になっているものを除去する手術を行います。

6. 先天性股関節脱臼のホームケア

先天性股関節脱臼と思われている9割は、後天的といわれています。

つまり、日々の赤ちゃんとの生活で、ママやパパが注意することで、脱臼を防ぐこともできます。

以下の点に注意することがたいせつです。

1. 赤ちゃんの脚をまっすぐにしない

赤ちゃんの自然な脚の向きは、左右に開いています。

無理にまっすぐにすると、脱臼を起こしやすくなります。

2. おむつの当て方

布おむつの場合には、赤ちゃんの股だけにおむつを当てます。

股の周辺は余裕を持たせましょう。

紙おむつの場合には、普通につければ問題ありません。

3. 抱っこの方法

赤ちゃんを抱く場合には、両脚が左右に開くように抱っこをしましょう。

両脚をそろえる横向きは避けましょう。

毛布でくるむ場合にも、脚にグルグルと巻かないようにしましょう。

4. 衣服やチャイルドシート

脚回りがぴったりしたスパッツ、上下がつながって脚が動きにくい洋服はなるべく避けましょう。

ベビーチェアやチャイルドシートなども、幅が狭くないかなど確認します。

7. 先輩ママの「うちの子の先天性股関節脱臼体験談」

愛知県・2才7ヵ月の男の子・くちママより

生まれたときは何も言われなかったのですが、6ヵ月健診のときに、脚の開きが悪いことを指摘されました。

股関節がかたいのか、すんなりとM字に脚がしっかり開きません。

1人目の子なので私はとくには気にならなかったのですが、言われてみると確かに開きにくいようです。

その後X線を撮ったりと大変でした。

股関節脱臼の疑いとの診断で、おむつの当て方などを指導されました。

日常生活で脚を自由に動かせるよう心がけていたせいか、それ以降の健診では何も言われず、今は心配ありません。

引用元:M字型に脚が開かず股関節脱臼が疑われました