赤ちゃんの言葉の遅れとは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 言葉の遅れとはこんな状態

言葉の遅れの原因はさまざま

言葉の発達は、赤ちゃんや幼児時代の親や周りとの過ごし方により、大きく影響します。

ところが、何らかの発達障害や知的障害などが原因により、言葉の遅れが出ます。

他にも難聴が原因により、言語学習ができず、言葉の発達が遅れている場合もあります。

難聴の場合、言葉の遅れを防止するため、早期からの療育がたいせつです。

障害の状態により治療法や対処法が異なるため、早めに専門の医師に相談や受診をおこないましょう。

言葉の遅れの兆候について

子どもが1才半過ぎになっても、

  • 意味のある言葉が出ない
  • 言葉の数が増えない
  • ママが何か言っても全然理解せずコミュニケーションがとれない

以上の兆候が出た場合、言葉の遅れを心配するママが増えてきます。

言葉の遅れの判断は難しい

知的障害や自閉症などは、言葉の遅れから気づかれることが多いでしょう。

ただ、言葉の発達は個人差が大きく、大人の言うことはよく理解しているのに言葉が出てこないというケースもあります。

子どもが話す言葉の数にこだわるのではなく、コミュニケーションができているか、大人のまねをしたり、おもちゃなどでよく遊ぶかなど、子どもの全体像を見ることがたいせつです。

言葉の遅れに気がついたとき、可能性が高いと感じたら、早めに受診しましょう。

2. 言葉の遅れの原因になる発達障害について

言葉の遅れの原因として、発達障害、知的障害、難聴などがあります。

原因は1つとはかぎらず、複数の障害を持つこともあります。

また、性格や考え方は子どもでも違うように、障害ではなく、生まれもった特有の性格や考え方の可能性もあります。

難聴を除いて、発達障害や知的障害は、障害の特定や診断が難しいのが現状です。

発達障害にもさまざまある

発達障害は、各障害の総称を指します。

発達障害は、以下の3つのことを指します。

  • 広汎性発達障害(PDD)
  • 学習障害(LD)
  • 注意欠陥、多動性障害(ADHD)

3つの発達障害もさらに細かく分類され、発達障害とは別に知的障害も加えることもあります。

3. 具体的な言葉の遅れの原因

言葉の遅れがあるときは、以下のような障害が隠れていることもあります。

1つだけとはかぎらず、複数の障害が関わることもあります。

1. 広汎性発達障害(PDD)

社会性、言葉、行動に問題があるため、コミュニケーションがうまくいかない自閉性障害の総称です。

2. 自閉症

広汎性発達障害の一種です

自閉症の症状は1才過ぎから目立ってきますが、普通の子どもにも見られることがあります。

自閉症の子の赤ちゃん時代を振り返ってみると、睡眠が不規則だったり、昼夜逆転だったりすることが多いです。

自閉症の根本的な治療法はまだありませんが、早期から療育をすることで日常生活を楽に過ごせるようになってきます。

自閉症の特徴として、以下の4つがあります。

1. 対人関係の異常

  • 視線が合わない
  • 身ぶりやまねをしない
  • 無表情

2. コミュニケーションの遅れ・異常

  • 言葉が遅い
  • おうむ返しばかり
  • ままごとをしない

3. 同じ動作の繰り返し

  • 限定された興味のあるものにだけ集中する
  • 自分なりの儀式、形式、順番にこだわる

4. 特定の感覚が過敏になる

人間の感覚には五感と呼ばれる、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚があります。

この五感のうち、特定の感覚が過敏になり、苦痛や不快感を持つことがあります。 感覚過敏と呼ばれる症状です。

自閉症になると大きな声や音に対して、極端に反応して驚いてしまうのは、感覚過敏が原因です。

3. アスペルガー症候群

広汎性発達障害の一種です。

2~3才までは言葉の発達も正常だし、知的発達の遅れもないので、大きくなるまで気がつかないことがあります。

5~6才になりはじめて気づくことも多く、学校や社会に出てから影響することがあります。

診断も難しく、治療もとくにはありませんが、集団の中に入り、適応能力を高めていくことが、最もたいせつなことになります。

アスペルガー症候群の特徴として、以下の3つがあります。

1. 人付き合いに問題が出る

同じ年齢の友だちと一緒に遊ぶことができず、1人宙に浮いてしまうことがあります。

2. コミュニケーションがうまく取れない

言葉がうまく話すことができない、逆に話の内容を理解できないことがあります。

場の空気を読めないため、他にも思ったことをそのまま話してしまい、知らずのうちに相手に不快な思いをさせることがあります。

周りとあわせることができず、社会生活に影響が出ます。

3. 行動に問題が出る

ある特定のことに対して、周りのことを忘れて夢中になることがあります。

特定の行動を何度も繰り返すパターン行動が出ます。

他にも周りの状況にあわせて、柔軟に行動を変化させることができず、融通が利かないこともあります。

4. 知的障害(精神遅滞)

言葉、理解力など知的な発達が全般的に遅れ、学習能力や社会生活への適応力に乏しい障害です。

医学用語では精神遅滞といいます。

障害の程度の目安としてIQ(知能指数)を使うこともあります。

根本的な治療はありませんが、それぞれの子どもに合わせた指導、教育をすることで、適応力を高めることができます。

知的障害が起きるのはいつから?

赤ちゃんや幼児のときに気づく場合が大半です。

知的障害の兆候

  • 言葉の遅れ
  • 運動発達の遅れ
  • 体や指先を動かすときの不器用さ
  • 友だちと上手に遊べない

このような兆候からから、気づかれることが多いです。

知的障害の原因

染色体異常、感染症、脳炎後遺症などさまざまです。

知的障害の場合、親の遺伝よりも突発的な遺伝子の変異に起こると言われています。

ただし、個々のケースについては原因の多くは、わからないケースがほとんどです。

5. 学習障害(LD)

基本的に知的障害はなく、以下の3つの障害から、学習障害と判断します。

  • 読字障害:読む正確さと理解力が乏しい
  • 算数障害:算数の能力が飛び抜けて乏しい
  • 書字障害:字を書くことができない

学習障害と気づくのはいつから?

小学校に入学し、読み書き計算を習い始めてから気づかれることが多いです。

本人もその障害に気づかずイライラしてしまい、学校の先生にもふざけているのかと思われます。

保護者も障害の意味がわからず動揺してしまうことが多いです。

学習障害を疑う場合には、学校の先生とよく相談をして、より専門的な教育スタッフのいるところに通う必要が出てきます。

6. 注意欠陥多動症(ADHD)

脳になんらかの機能障害があり、落ち着きのなさ、不注意、衝動的な行動を起こす障害で、いわゆる「落ち着きのない子」です。

2~3才のころ

チョコチョコ動き回って、ママやパパが「危ない」と言っても手を振りきって走りだすなどが目立ちます。

ただし、障害の有無に関係なく、普通の子どもでも同じようなことをするので、診断は難しいです。

3~6才のころ

集団生活(保育園・幼稚園・小学校)に入っていけず、以下のような症状が表れて気づきます。

  • 一つのことに集中できない
  • 今言ったことをすぐに忘れてしまう
  • 落ち着きがなく授業中にじっと座っていられない
  • 衝動的に他の子どもに手を出す

家族や学校の先生など周囲の人が子どもの状態を理解し、適切に対応して社会性を身につけさせることがたいせつです。

小児科・小児神経・精神の専門医を受診して、相談するといいでしょう。

以前はリタリン(中枢神経に作用する薬)を使って症状を抑える治療がよく行われていましたが、今は新しい薬(コンセータ)が認定され使用され始めています。

4. 言葉の遅れの治療

言葉の遅れがあるときは、言語療法や「言葉の教室」など専門的な療育も有効です。

また、日常生活の中でのママやパパの働きかけがとても重要です。

具体的な治療法は、発達障害の程度や内容により異なります。

病院は何科で受診するの?

症状により対応できる病院や診療科目が異なります。

一例として、発達外来や小児神経科などがある病院です。

また、街中にある開業医では診察が難しいことも多く、大学病院など大きな病院で受診することになるでしょう。

まずは小児科やかかりつけの病院で相談し、紹介してもらうのも1つの方法です。

他には市町村の自治体では発達相談や、発達障害者支援センターでも相談や検査が可能です。

言語療法(ST)

身体障害のためにうまく発音できない、聴覚障害のために言葉が出ない、言葉の発達が遅れている子どもたちには、言葉の発達を促すための訓練をします。

訓練の内容は言葉が出ない原因、子どもの状態によって違います。

薬物療法

薬の治療はケースによりわかれます。

薬を用いず療育や周りへの理解など、環境整備から入ることも多いです。

ただし、発達障害の状況により、不安や恐怖を感じている、極度な緊張がある場合、薬物療法で治療することもあります。

5. 言葉の遅れで 障害者手帳の申請は可能なの?

言葉の遅れの原因が、発達障害や知的障害、難聴の場合、障害者手帳の申請は可能です。

障害の症状や程度、治療を受けてからの経過により、障害者手帳の申請条件や可否も変わります。

申請に関しては、病院の先生や自治体に確認をしてください。

6. 先輩ママの「うちの子の言葉の遅れ体験談」

埼玉県・3才の男の子のママより

2才になっても息子はいくつかの単語は出るものの、なかなかそれらがつながらない状態でした。

言葉での意思疎通がうまくいかず、親子ともどもイライラしたり、母親の私がまわりの子と比べてあせっでいました。

待ちに待った二語文が出だのは2才8ヵ月のとき、「にゅうにゅう(牛乳)ちょうだい」が最初でした。

ちょうどそのころ、プレ幼稚園に通うようになり、先生や友だちからさまざまな刺激を受けたこともよかっだのかもしれません。

3才の今では、お笑い芸人のまねをしたり、自分の思いを通すために理屈を言ったり、と、言葉のやりとりを楽しんでいます。

息子は「てんかん」という長くつき合っていかなければならない病気を持っており、親としては不安や心配は尽きません。

家族やお友だち、幼稚園の先生など周囲から、たくさんの刺激を受けながら、自分のベースで成長していることを願っています。

引用元:「にゅうにゅう、ちょうだい」初めての二語文が出たのは、2才8ヵ月のとき

埼玉県・5才の男の子のママより

1才5ヵ月でようやく歩きだした息子は言葉も遅く、1才半健診でも、3才児健診でも意味のある言葉が出ていませんでした。

3才7ヵ月のころ、ある病院で検査を受けましたが、結果は異常なし。

安心する半面、不安も残ったので別の病院も受診しました。

そのとき出会った担当医に「(発達の遅い子は)脳に刺激を与えるとよい」と言われ、本格的に言語療法や作業療法を始めました。

初めはいすに座ることもしませんでした叫半年過ぎたころから30分間ぐらいは机に向かうことができました。

息子は今5才、保育園では言葉のシャワーを浴びたせいかポロポロと言葉が出て簡単な会話ならスムーズにできるようになりました。

苦手だった自転車にも乗れるようになり行動範囲も広がりました。

積極的に息子にかかわるようになって何より変化したのは母親の私の気持ちです。

以前は心配や不安ばかりでしたが、息子がとてもかわいいと思える余裕が出てきました。

今は前向きに楽しく毎日過ごしています。

引用元:発達の遅い息子に積極的に働きかけるようになって、母である私が前向きになりました