赤ちゃんの単一遺伝子病とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. 単一遺伝子病はこんな病気

人間の遺伝子の数は、約2万種類あるといわれています。

約2万種類ある遺伝子のうち、1種類に難病などを引き起こす遺伝子が形成されることがあります。

遺伝子の異常により引き起こされる病気を、単一遺伝子病といいます。

メンデルの法則に基づくことから、メンデル遺伝病とも呼ばれます。

2. 単一遺伝子病の原因

遺伝子と染色体の違いは?

遺伝子は、私たちの体つきや顔などを作るための、設計図やプログラムになります。

設計図やプログラムの数は、約2万種類あります。

約2万種類ある遺伝子を1つにまとめて、パッケージ化したものが染色体です。

染色体の数は常染色体が22本、同じものが対になり合計44本あります。

また、性別を決める性染色体が2本あり、染色体は合計46本あります。

単一遺伝子病が引き起こす病気の種類は?

単一遺伝子病は、特定の病気を指すものではありません。

ある1つの遺伝子に、病気を引き起こす遺伝子を持つかにより、あらわれる病気や症状が変わります。

遺伝子の異常による病気の種類は、約1万種類あるといわれています。

単一遺伝子病は遺伝なの?

親からの遺伝と突然変異の2つにわかれます。

単一遺伝子病が起きる確率は?

親からの遺伝の場合

遺伝子がセットになった、常染色体が優性か劣性かにより、X染色体の異常により、発症する確率が変わります。

詳しくは次の章で説明します。

突然変異の場合

両親が健康な遺伝子を持っていても、特定の精子や卵子に異常があると、単一遺伝子病が発症します。

精子や卵子は、それぞれの両親の遺伝子をコピーして形成されますが、一定の確率でコピーがうまくいかないこともあります。

また、加齢するにつれて、精子や卵子のコピーが正常にできなくなり、突然変異による単一遺伝子病が確率的に高まります。

加齢以外にも、放射線や抗ガン剤などの薬が原因することもあります。

病気や症状は赤ちゃんのうちにあらわれるの?

赤ちゃんのうちには病気や症状が出ないこともあります。

子どもが成長し、大人になってからあらわれる病気や症状もあります。

血友病やフェニルケトン尿症は、子どものうちにあらわれる病気や症状です。

一方でハンチントン病は、30〜40代にあらわれます。

3. 単一遺伝子病の発症確率を決める3つの遺伝病

片方の親が健康、もう一方の親が病気の遺伝子を持っているから、子どもが病気になる確率は50%とはかぎりません。

以下の3つの遺伝病により、単一遺伝子病が発症する確率が変わります。

1. 常染色体優性遺伝病

常染色体優性遺伝病が起こるのは、片方の親の遺伝子は正常、もう片方の親の遺伝子に病気の遺伝子を持っている場合です。

ただし、親が病気の遺伝子を持っている保因者でも、病気を発症していないのが特徴です。

子どもは親の遺伝子を1つずつ受け継ぎますが、病気になる遺伝子を受け継いた場合に発症します。

正常な遺伝子を受け継いで健康な場合、片方の親の病気になる遺伝子を受け継いで病気になる場合の確率は、それぞれ50%です。

両親の遺伝子が正常であっても、突然変異により軟骨無形成症、マルファン症候群といった病気が発症することもあります。

2. 常染色体劣性遺伝病

常染色体劣性遺伝病が起こるのは、両親とも病気になる遺伝子を1対持っている場合です。

常染色体優性遺伝病と同様に、両親は病気を発症する遺伝子の保因者でも病気は発症していません。

子どもが病気を発症するのは、両親の病気の遺伝子をそれぞれ保因した場合で発症確率は25%です。

健康な遺伝子のみを持つ確率は25%、病気になる遺伝子の保因者でも病気にならず健康なのは50%です。

おもな常染色体劣性遺伝病として、フェニルケトン尿症などの先天代謝異常症、先天性副腎皮質過形成症などがあります。

3. X連鎖遺伝病

性別を決めるX染色体に病気を持っている場合です。

男性の染色体はXY、女性の染色体はXXです。

男性そして女性のX染色体に病気になる遺伝を持ち、子どもが受け継いだ場合に起こります。

ただし、病気になる遺伝子を持つだけで、病気にならない保因者の場合もあります。

詳しくは下記になります。

1. 優性遺伝

ママの2つあるX染色体のうち、1つに病気のX染色体を持ち、病気のX染色体を受け継いだ場合です。

おもに色素失調症が優性遺伝になります。

生まれて来る赤ちゃんとしては、以下のパターンになります。

  • 病気を持つ女の子
  • 健康な女の子
  • 健康な男の子

病気を持つ男の子がいないのは、X染色体に異常が出ると、代わりの正常なX染色体がないため、流産で死亡してしまうからです。

2. 劣性遺伝

ママがX染色体の片方に、病気を持つ遺伝子を持つ保因者である場合、男の子は健康、病気になる確率はそれぞれ50%です。

女の子の場合には病気を発症せず、ママと同じ病気を持つ遺伝子を持つ保因者となる確率は50%です。

女の子が発症しない理由は、X染色体が2つあるうち、異常のあるX染色体を不活性化する働きがあるからです。

発症する病気には、血友病やデュシェンヌ型筋ジストロフィーがあります。

4. 単一遺伝子病の治療&ホームケア

どの遺伝子に異常があるかにより、あらわれる病気が変わります。

そのため治療に関しても、症状や病気により違いが出てきます。

遺伝子そのものを変えることはできないため、病気や症状によっては長期に治療する場合もあります。

また、先天的には病気があらわれず、大人になってあらわれる病気もあります。

事前に病気のことを伝えておくことにより、大人になった場合に適切な治療をすぐに受けることもできます。

5. 先輩ママの「うちの子の単一遺伝子病体験談」

娘さんを持つちょーママより

ちょーです。

入院から約二十日、年末ギリギリでやっとこさ退院しました。

出産前から入院生活を送っていたので、自宅に帰れる喜びをひしひしと感じております。。。

検査結果はやはり古典的PKUで決定で、これからは通院で食事療法を進めていく予定です。

今はミルクのみなのでフェニルアラニン除去ミルク+普通ミルク+母乳で割合をみながら調整しています。

PKUは新生児に対し当疾患のスクリーニング(新生児マススクリーニング)で発覚する為、家族は生まれてすぐに病気と向き合うことになります。

ほかのPKUのご家族も私と同じような経験をされているという事ですよね。。。

適切な処置をすれば普通に育って行けるとはいえ、一生食生活に大きな制限がかかることは想像するだけで本当に辛いものでしたし、何日間かは悲観的になって泣いて過ごしました。

でも、入院した間病気と向き合う人達と触れるうちに自分も落ち込んでばかりはいられないと励まされ、やっとPKUを受け入れる準備ができての退院になりました。

離乳食や普通食が始まる頃には、親子の食事や保育園、復職について等…色々不安ですが、今は目の前の問題を確実にクリアして次の段階につなげていけたらと思います。

引用元:PKU(フェニルケトン尿症)の記録