赤ちゃんのばね指とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. ばね指はこんな病気

ばね指は腱鞘炎の一つ

ばね指は腱鞘炎の一つで、「弾発母指」あるいは「強剛母指」といわれることもあります。

手の指の関節が曲がっていることで、指をまっすぐ伸ばせず、動かしにくい状態をいいます。

痛みはなく、乳児の時には不都合はありません。

ですが幼児になり、折り紙をしたり、ハサミを使うようになると、不便さを感じることが多くなります。

治療せずに進行すると、指が曲がったままになることもあるそうです。

90%以上が親指に発症

赤ちゃんのばね指は、母指と呼ばれる親指に発症するのがほとんどです。

親指の付け根に炎症が起こるケースが、大半を占めます。

2. ばね指の原因とは?

赤ちゃんのばね指の多くは先天性

指は、腱という骨と筋肉をつなげて動かす部分があるので、曲げ伸ばしができます。

そして、腱の周りには腱鞘があり、腱を通すトンネルのような役割を果たしています。

赤ちゃんがばね指になるのは、何らかの原因で腱自体が腫れてしまい、太くなることで、腱鞘を通りにくくなることが原因で起こります。

赤ちゃんがばね指になるのは先天性と考えられており、具体的な要因は現代の医学では解明されていないようです。

3. ばね指の症状とは?

2歳までに発症することが多い

子どものばね指は、0~6歳に発症することが多く、そのうち80%は2歳までにみられます。

子どものばね指は、男の子より、女の子に多いです。

ばね指の赤ちゃんにみられる症状

赤ちゃんがばね指になると、以下のような症状が見られます。

  • 親指の第一関節が曲がったまま。伸ばすことができない
  • 指を無理に伸ばそうとすると関節がなり、離すとばねみたいに元に戻る
  • 親指の付け根にしこりがあるが、痛みはほとんどない

ばね指の症状には段階がある

ばね指は、進行レベルによって対処法が異なります。

第一期症状

進行レベル1の段階では、指に違和感があったり、軽い痛みを感じることがあります。

ですが、乳幼児には自覚症状がありません。

ばね指特有の指の跳ね返りも微弱なので、ママやパパも気づかないことが多いです。

第二期症状

ばね指の症状が出て、半年から数年を経過している状態が、進行レベル2です。

赤ちゃんの親指がビーンと突っ張ったり、戻ったりする症状が出ます。

悪化すると、痛がるようになるので、赤ちゃんの様子を観察しましょう。

第三期症状

進行レベル3になると、ばね指の発症から数年が経過していることがほとんどです。

寝起きに指が痛んだり、指がこわばることが増え、日常生活に支障をきたすようになります。

この段階にくると、手術で治療しなければ、回復は見込めません。

4. ばね指の治療方法

整形外科を受診しよう

赤ちゃんの場合は、普段の遊びの中で指を曲げる訓練をしながら、様子を見るのが基本です。

ですが、3歳になるまでに症状が改善されない時には一度、整形外科または形成外科を受診しましょう。

症状がひどくない時には、6カ月ごとに定期検診をするのが一般的です。

装具療法を行うことが多い

乳幼児のばね指の治療では、「装具療法」を行うのが一般的です。

シーネといわれる添え木を使って、指を強制的に伸ばした状態にし、包帯を巻いて固定します。

「副木固定」や「スプリント固定」とも呼ばれ、着脱が簡単です。

乳幼児が装具療法を受けた時の完治率は、約50%以上といわれています。

装具療法の進め方

装具療法では、器具で指を固定します。

装具をつけるのに慣れるまでは、痛みが強く出ることがあります。

その場合は、消炎鎮痛剤や貼り薬、塗り薬を併用します。

関節内注射を行うこともある

装具療法で効果が上がらない場合、手術の前に関節内注射で治療することがあります。

腱鞘の動きをなめらかにしてくれる薬物を注射することで、炎症を抑えるのです。

それだけで、症状が緩和されることもあるので、試してみる価値はあります。

進行すると手術をすることもある

赤ちゃんのばね指を治療せずに放置すると、痛みが出たり、日常生活に支障をきたすようになることがあります。

そうなると、炎症が慢性化してしまっているので、手術を行うことになります。

ばね指の手術は、「腱鞘切開術」と「内視鏡手術」の2つがあります。

乳幼児の場合は、全身麻酔で手術が行われますが、かかる時間は15分程度です。

腱鞘切開術

乳幼児のばね指の治療に、保尊療法を行っても効果がみられなかった時に、勧められる手術です。

中手指節間関節掌側を0.7~1.2mmほど切開し、腱鞘内の腫瘤を摘出します。

腱鞘切開術による完治率は、約60%以上といわれています。

内視鏡手術

手のひらを3mmほど切開し、細い内視鏡の管を挿入します。

発症している部位を探し、炎症を起こしている腱鞘を、直接切開します。

切開する部分が小さいので、皮膚の縫合も必要ありません。

ですが、内視鏡手術を行っている病院が少なく、重症のばね指の時はこの方法では完治しないことがあります。

手術は健康保険が適用される

乳幼児のばね指の診察や治療には、健康保険が適用されるので、自己負担は3割になるのが普通です。

乳幼児医療費助成制度を利用すれば、さらに負担額が減らせます。

乳幼児医療費助成制度の適用範囲は、居住する地域によって異なるので、詳しくは市町村役場に問い合わせてみましょう。

5. ばね指のホームケア

経過観察が基本

赤ちゃんがばね指であっても、6歳ころまでに自然治癒することが多いです。

そのため、病院に連れて行っても、経過観察といわれるケースがほとんどです。

痛みを感じたり、日常生活に支障が出るようであれば、装具療法をするかどうかを、お医者さまに相談しましょう。

手術後のホームケア

乳幼児のうちに、ばね指の手術を受けることがあります。

その場合は、手術後のリハビリが、とても大切です。

手術の翌日からリハビリを始め、3カ月程度は、指の運動を続けましょう。

自宅でできるマッサージ

お風呂上りにベビーマッサージをする習慣があるなら、ばね指もケアしてあげましょう。

赤ちゃんのばね指を、先端から手のひらの方まで、しっかりもみほぐします。

その際、指の側面もきちんともみほぐします。

また、手のひらをほぐすのも、忘れないでください。

赤ちゃんが痛がらない程度にマッサージを続けると、ばね指の症状が軽減することがあります。

温冷の刺激も効果的

赤ちゃんをお風呂に入れる時、ばね指を温めたり、冷やしたりすることで、血流を循環させるのもおすすめです。

洗面器を二つ用意し、一つには真水を、もう一つには40度以上のお湯を入れます。

30秒ごとに、お湯と水に交互にばね指の手を入れることを、5回くり返します。

マッサージをしなくても、この温冷の刺激を毎日続けることで、3カ月程度で、症状が軽くなることがあるそうです。

ぜひ、試してみてください。

6. 先輩ママの「うちの子のばね指体験談」

2才8ヵ月の女の子・あんママより

1才6ヵ月のときに、パーにした手の親指が、屈曲していることに気がつきました。

整形外科にかかったところ、「ばね指のようだけれど、もう少し様子を見ましょう。

3才で一度診察して、必要があれば5才ごろ、手術するのがいいかもしれません」と言われました。

日常生活に支障はないのですが、誰かが右手を見ようとすると、手を引っ込めることがあります。

しばらく経過観察して、その後に手術をするかどうか、検討する予定です。

引用元:右手親指がばね指です。3才で手術するか判断します