子どもの低身長症とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 低身長症とは?

低身長症は、身長もしくは身長の伸びる速さが一定の基準値を下回った状態です。

以下のどちらか片方(もしくは両方)に当てはまると、低身長症とみなされます。

身長が-2SDを下回る

SDは標準偏差のことで、その年齢・性別の平均身長からどのくらい離れているかを指します。

身長の標準値は+2SD~-2SDの範囲内とされ、-2SD以下なら低身長症とされます。

身長の伸びが悪い

年齢・性別に応じて、1年間の成長率(1年でどのくらい身長が伸びるか)が定められています。

身長の標準値だけでなく、成長率もまたSD値であらわされます。

成長率-1.5SD以下の状態が2年以上続くと、身長が標準値でも低身長症とされます。

2. 低身長症のおもな原因

病気によるもの

成長ホルモン分泌不全

身長を伸ばす成長ホルモンは、脳下垂体から分泌されます。

外傷や脳腫瘍などで脳下垂体が損傷を受けると、成長ホルモンの分泌がさまたげられることがあります。

甲状腺機能低下症

成長ホルモンだけでなく、甲状腺ホルモンにも骨の成長をうながす作用があります。

生まれたときから低身長の場合、先天的に甲状腺機能が低いことがあります。

また、後天的な病気で甲状腺機能が低下することもあります。

SGA性低身長症

子宮内での発育が悪く、平均より小さく生まれる病気です。

たいていは、3歳ごろまでに標準的な身長になります。

ただし3歳をすぎても身長が伸びにくく、平均身長を大きく下回るケースもあります。

内臓疾患

心臓・肝臓・消化器などに疾患があると、栄養をうまく取り込めず身長が伸びにくくなることがあります。

原因となる病気を治療できれば、身長もしだいに伸びてきます。

染色体異常

ターナー症候群

X染色体に異常が出る病気です。

約1/2000の確率で女の子だけに起こり、低身長や性腺機能不全などをともないます。

プラダー・ウィリー症候群

15番染色体に異常が出る病気です。

男女ともに1/10000~1/15000の確率で起こり、低身長・性腺機能不全・肥満などをともないます。

軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)

軟骨の異常により、手足が伸びにくくなります。

軟骨無形成症では、頭が大きく手足が短い特有の体つきになります。

病気ではないもの

遺伝による低身長

身長が-2SD以下の子どもの約80%は、小柄な親の体格を受け継いでいます。

病気や異常ではないので、治療の必要はありません。

環境による低身長

以下のような要因で、身長が伸びにくくなることがあります。

  • 栄養状態が悪い(ひどく食が細い・好き嫌いが多いなど)
  • 強いストレスや睡眠不足で、成長ホルモンの分泌がさまたげられる

3. 低身長症の治療

まずは内分泌科で問診を行い、本人や家族の健康状態・生活習慣をチェックします。

また、母子手帳の記録をもとに成長曲線を作ります。

問診とともに、以下のような検査を行います。

おもな検査内容

手首のレントゲン撮影

骨の成長の様子を調べます。

血液・尿検査

各種ホルモンの分泌量や、内臓疾患の有無を調べます。

成長ホルモン分泌刺激試験

問診や検査で必要と診断されれば、成長ホルモン分泌刺激試験が行われます。

まず安静にして採血を行い、薬を投与して成長ホルモンの分泌をうながします。

その後一定時間ごとに採血を繰り返し、成長ホルモンの分泌量を調べます。

この検査には時間がかかるので、入院や複数回の通院が必要な場合もあります。

成長ホルモン投与による治療

成長ホルモン分泌不全やターナー症候群などの場合、成長ホルモン投与による治療が有効です。

成長ホルモン投与の方法

成長ホルモンは皮下注射で投与しますが、インスリンのように自宅で注射することができます。

ペン型注射器を使って、ほぼ毎日(1週間に6~7日)就寝前にホルモンを注射します。

ペン型注射器はふつうの注射器に比べて針がとても細く、痛みは少なめです。

成長ホルモン投与の効果

治療開始から2~3年までは、目に見えて効果があらわれます。

その後は身長が伸びるペースが落ちますが、標準身長に近づいていきます。

思春期を過ぎると骨の成長が止まるので、できるだけ早く治療を始めるほうがよいでしょう。

骨延長術

軟骨異栄養症の治療法のひとつです。

まず手術で人工的に骨折状態を作り、骨の間隔をあけて固定します。

すると、骨折した部分をつなぐように仮骨(やわらかい骨)ができます。

仮骨が固まると、もとの骨と変わらない状態になります。

4. 身長を伸ばすための生活習慣

バランスのいい食生活

バランスのとれた食生活を心がけ、以下の栄養素を積極的にとりましょう。

タンパク質

骨や筋肉、そして成長ホルモンの材料になります。

乳製品・肉類・魚介類・卵・大豆製品などに多く含まれます。

カルシウム

タンパク質と並んで、骨の主成分となります。

乳製品・小魚・小松菜などに多く含まれます。

ビタミンD

カルシウムの吸収に欠かせない栄養素です。

卵の黄身・魚介類・しいたけ・緑茶などに多く含まれます。

マグネシウム

骨の成長を助ける栄養素です。

海藻類・緑黄色野菜・ゴマ・ナッツ・バナナ・納豆などに多く含まれます。

亜鉛

マグネシウムとともに骨の成長を助け、また成長ホルモンの原料となります。

チーズ・レバー・豚肉(もも)・納豆・うなぎなどに多く含まれます。

十分な睡眠

「寝る子は育つ」の言葉どおり、成長ホルモンは睡眠中にたくさん分泌されます。

特に、寝付いてから3時間以内に特に多く分泌されます。

夜更かしや不規則な生活などで睡眠が足りないと、成長ホルモンが十分に分泌されません。

夜はしっかり眠り、朝は日光を浴びてきちんと起きることで、生活リズムも自然にととのいます。

適度な日光浴

日光を浴びると、体内でのビタミンD生成がうながされます。

熱中症や日焼けに注意しつつ、適度に日光を浴びましょう。

運動習慣

運動をした後は、成長ホルモンの分泌量が多くなります。

また、運動することでほどよく疲労します。

そのため食事が進み、夜もぐっすり眠れます。

軟骨を刺激して、成長をうながす

運動によって軟骨に刺激を加えると、骨が伸びやすくなることが知られています。

身長を伸ばすには、縦方向に刺激が加わるスポーツが効果的です。

  • ジョギング
  • バスケットボール
  • バレーボール など

ただし、体に負担がかかりすぎるスポーツは逆効果です。

エネルギーを消費しすぎて、栄養不足につながるおそれがあります。

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5. 低身長症に関する体験談

かめさん

我が家の5歳になった娘は、3月に検査入院して、ホルモンの分泌が悪いので、ホルモン治療を5月から開始しました。

悩んだ挙句の検査入院、治療でした。

1歳半の時から低身長の疑いがあり..で半年後とに採血、手のレントゲンで早く治療をした方がいいと勧められても逃げてました。子供に聞いてからしたいと思っていたからです。

でも、検査入院を決意したのは、子供が保育所で同い年の頭ぐらいの身長差がある子達のなかで、必死についていこうとしてもなかなかうまくできない姿を見たからです。

そして、子供に「XXちゃんぐらいに身長がもっと伸びるようになるんだけどやってみる?」と聞きました。子供は「やる」といいうつぶせでおしり注射してます。

引用元:発言小町「低身長のホルモン治療について」

Rくん 小学校4年生(9歳)とお母さん

成長ホルモン治療を始めてから、食欲が出てきたと感じました。

幼稚園に行くとやっぱり動きますので、お腹もすくし、食欲や体力が、いい感じに備わってきたように思います。

年中から入園したのですが、お友達も初めてできて、嬉しくて、より活発になってお腹もすくのでしょう。

それからよく食べるようになったと思います。

体格も大きくなってきて、治療効果が出てきたように 感じました。

引用元:成長障害、低身長のお子様のための相談室 Nordicare 患者さんの声(治療体験談)