赤ちゃんの肥満とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 肥満はこんな病気

身長に比べて体重が重い状態を肥満と呼びます

肥満の状態が病気によるもの、そうでないものに別れます。

また、体質や環境、成長の状態により、肥満の状態が変わります。

まれですが、甲状腺機能低下症、ターナー症候群、プラダ・ウイリー症候群などの病気があるため肥満になっていることもあります。

赤ちゃんや幼児の肥満の目安は、カウプ指数22以上、学童はローレル指数160以上です。(カウプ指数、ローレル指数の内容や計算方法は後ほどご説明します)

赤ちゃんが成長すると誰でも肥満になる理由

赤ちゃんが成長するにしたがって、腕や足など体全体がボンレスハムのように、ムチムチ状態になります。

成長すると、体の大きさにかかわらず、食欲が増して脂肪や体重が増えます。

理由は、赤ちゃんは動くことができないため、消費カロリーは少なく、結果的に肥満になります。

病気が原因ではない、栄養の過剰摂取などで起こる肥満を、単純性肥満と呼びます。

赤ちゃんの多くは成長にともない肥満が解消される

ぽっちゃりして心配されるかもしれませんが、多くの赤ちゃんは問題になりません。

理由は、歩くようになり運動量が増えると、体に蓄えられた脂肪やエネルギーが消費されます。

どんどん消費されるにしたがって、赤ちゃんのようなぽっちゃり体型から、少しずつ引き締まった体になります。

身長や年齢に応じて、体重が正常値の範囲であれば、ぽっちゃり体型でも問題ありません。

しかし、正常値を極端に超える場合、病気などを疑ったほうがいいでしょう。

2. 赤ちゃんや幼児の肥満の原因

2つの肥満の原因

肥満には大きく2つの原因があります。

1. 単純性肥満(原発性肥満)

肥満の原因の95パーセントが単純性肥満に該当します。

単純性肥満の原因は、以下になります。

  • 食べ過ぎ
  • 栄養成分が偏った食事
  • 運動不足

2. 二次性肥満(症候性肥満、随伴性肥満)

病気などが原因で起こる肥満です。

二次性肥満の原因は、以下になります。

  • 遺伝子の異常や病気
  • 甲状腺などの異常や病気
  • 食欲を制御する視床下部の異常や病気
  • 服用した薬の副作用によるもの

いずれの場合にしても、病院での治療が必要となります。

脂肪細胞の数は乳幼児や思春期に決まる

乳幼児や思春期の時期に肥満になった場合、脂肪の数が増えたことで起こる、脂肪細胞増殖型肥満です。

乳幼児の場合、3歳までの食生活や生活スタイルで脂肪細胞の数が決まります。

脂肪細胞の数は、成人になると増えることも、減ることもありません。

成人の肥満は脂肪細胞が増えたのではなく、1つの脂肪細胞が風船のように膨らむことで起こります。

脂肪細胞肥大型肥満と呼ばれ、妊娠時や中高年の肥満は、これに該当します。

肥満の判断基準について

肥満かどうかの目安や指標として判断するものに、BMIがあります。

体脂肪が計測できる体重計も多く、BMIは馴染みがあるかと思います。

ただし、BMIは高校生以上の成人向けで、赤ちゃんや子どもには向いていません。

そこで、赤ちゃんや子どもに向けた、BMI同様に肥満の判断基準ができる指標が2つあります。

電卓で計算しなくても、身長と体重を入力して、カウブ指数やローレル指数が計算できるサイトもあります。

1. カウブ指数

対象年齢は生後3ヶ月〜5歳となります。

性別で指数を区別することはありません。

カウブ指数が20以上になると、肥満と判断されます。

カウプ指数の計算方法:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)×10の4乗

2. ローレル指数

対象年齢は5歳〜17歳となります。

性別で指数を区別することはありません。

ローレル指数が160以上になると、肥満と判断されます。

ローレル指数の計算方法:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)÷身長(m)×10の7乗

親が肥満だと遺伝するの?

肥満を左右する遺伝子が2つあり、β3アドレナリン受容体(β3AR)遺伝子と、脱共役たんぱく質1(UCP1)遺伝子があります。

おもに脂肪を燃焼する働きのある遺伝子で、異常が起きると、肥満が起こりやすくなります。

ある調査によると、親の遺伝子や影響で子どもが肥満になる確率は以下になります。

  • 父親が肥満の場合:40パーセント
  • 母親が肥満の場合:60パーセント
  • 両親が肥満の場合:80パーセント

ただし、遺伝子や体質の影響よりも、その後の食生活や生活スタイルに大きく影響します。

赤ちゃんが肥満になりやすい妊娠中の生活

実は妊娠中にママがどう生活したかにより、赤ちゃんの肥満に影響することがわかっています。

赤ちゃんが肥満になりやすい、妊娠中の生活は以下になります。

  • 運動不足
  • 喫煙している
  • 甘いものを取り過ぎる

他にも要因はありますが、この条件を満たすほど、8歳になったとき肥満児になる割合が非常に高くなることがわかっています。

肥満を放置するとどうなるの?

子どものときに肥満になると、40〜60パーセントの割合で、肥満のまま成人になります。

乳幼児では問題がなくても成人になり、糖尿病など生活習慣病を引き起こしやすくなります。

膝などにも負担がかかると、関節痛の原因にもなります。

学校においては肥満が原因で、イジメやからかいの対象にもなります。

子どもの将来のため、食生活の見直しや病気が原因の場合、早めに治療を行いましょう。

3. 病気が原因の肥満について

赤ちゃんや乳児の肥満の多くは、食べ過ぎや運動不足から来る、原発性肥満(単純性肥満)が95パーセントを占めています。

しかし、残り5パーセントは、病気が原因による二次性肥満となります。

二次性肥満になる病気については以下になります。

甲状腺機能低下症

甲状腺は首のところにあります。

甲状腺は食べ物を消化するためのホルモンの生成や、代謝に大きく関わっています。

甲状腺の機能が低下して代謝が落ちると、取り込んだ栄養をうまく消費できません。

消費できなかった栄養は、脂肪に蓄積されてしまい、肥満になります。

ターナー症候群

ターナー症候群は女性特有の病気で、新生児2,000人のうち1人かかると言われています。

症状として身長が低くなる、体に奇形を伴います。

体が小さいため普通に食事をしても、過剰摂取になりやすく、肥満を引き起こしやすくなります。

プラダ・ウイリー症候群

プラダ・ウイリー症候群は、10,000〜15,000人に1人の割合で起こります。

満腹中枢に障害が出るため、いくら食べても満腹感を持つことができません。

結果として肥満になりやすく、将来生活習慣病になるリスクを伴います。

4. 肥満のホームケア

一人歩きができるまで

赤ちゃん時代は、運動量は少ないのでぽちゃぽちゃした体格の子も多いです。

一人歩きが始まり、動きが活発になってくると、自然に体も締まってくることが多いものです。

栄養が不足すると発育発達に悪影響を与えるので、母乳やミルク、離乳食を制限してはいけません。

果汁やお菓子などは控えめにしても構いません。

幼稚園や小学校に通うようになってから

幼稚園の年長・小学生になっても肥満で運動量が少ないようなら、食事や生活全般を見直したほうがいいでしょう。

太っているから運動が苦手、体を動かさないからますます太るという悪循環になりがちです。

ほうっておくと、生活習慣病の予備軍になってしまいます。

間食はしない、野菜や魚など栄養バランスのよい食事にする、運動を習慣づける、規則正しい生活リズムにするなどに気をつけましょう。

子どもの肥満で不安を感じたら

小児肥満外来などを受診して相談してもいいでしょう。

病気が原因の肥満もあるため、気になったら早めに受診しましょう。

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5. 先輩ママの「うちの子の肥満体験談」

1才の男の子を持つママより

息子は、新生児の時から上手に母乳を飲む子でした。入院中に母乳を飲んだ量を計測すると、周りの子の2、3倍の量を飲んでいるような子でした。母乳は欲しがるだけ飲ませて良い、と助産師さんから言われていたので、退院後も特に気にせず授乳していました。

1ヶ月検診で、ほかの赤ちゃんたちと約1ヶ月ぶりに会って、体の大きさの違いに驚きました。平均では、出生体重より1kg増えていると良いそうなのですが、息子は倍の2kg増加でした。肥満児になってしまうのではないか、と不安になったのですが、助産師さんからは母乳なら心配ないと太鼓判を押されました。

4ヶ月検診では、赤ちゃんの時に太っていると脂肪細胞が増えて、大人になってからも肥満体型になってしまうという話を聞きました。離乳食相談があり、バランスよく野菜をしっかり取り入れるように、と教えてもらったのでそのようにしました。

10ヶ月頃には歩き始め、よく動くようになったせいか、1歳を過ぎた頃には平均体重とほとんど変わらなくなりました。

引用元:【子育て体験談】赤ちゃんの肥満

※参考:カウブ指数・ローレル指数の計算方法

カウプ指数

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)×10の4乗

対象年齢は生後3ヶ月〜5歳となります。

カウブ指数が20以上になると、肥満と判断されます。

ローレル指数

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)÷身長(m)×10の7乗

対象年齢は5歳〜17歳となります。

ローレル指数が160以上になると、肥満と判断されます。