赤ちゃんの耳の奇形とは?小耳症、副耳、耳瘻孔の原因・症状・治療法

1. 赤ちゃんの耳が変な形だけど大丈夫?

赤ちゃんの耳の奇形にもいろいろな種類がある

残念ながら、生まれてくる赤ちゃん全員が、健常児ではありません。

中には、先天性異常を持って生まれてくる赤ちゃんもいます。

そうした先天性異常の一つに、耳の奇形があり、様々な種類があります。

これは、人間の耳は妊娠4~22週の間に複雑な過程を経てつくられる器官なので、先天的な異常があらわれやすいからです。

赤ちゃんの耳ができるメカニズム

赤ちゃんの耳の元となる部分は、着床して25日前後で出現します。

そして、妊娠5週の終わりに小さな隆起ができ、次第に周囲のパーツとくっつき、妊娠7週には耳の形が整ってきます。

妊娠10週にはなるころには大人と同じ形になり、妊娠22週には完成するといわれています。

このプロセスのどこかに外的要因が加わると、耳の奇形が起こります。

2. 小耳症の原因・症状・治療法

小耳症とは

小耳症とは、生まれながらに耳介が通常より小さいという状態をいいます。

6000~10000人に1人の割合で発症します。

小耳症の赤ちゃんは、顔面の成型にも発育不全がみられることが多いです。

小耳症の原因

女の子より男の子に多い小耳症が発症する原因は、妊娠初期の器官形成時期に何らかの外的要因を受けたことです。

母体が抗がん剤の一つであるサリドマイドや葉酸拮抗剤を服用したこと、レチノイン酸誘導体の過剰摂取なども、原因とされています。

遺伝性があるという研究結果は、まだ報告されていません。

小耳症の症状

期間形成のどの段階で奇形が発生したかで、耳介の形が変わります。

第一度

第一度は、耳介の形は健常な状態で、大きさだけが小さいものです。

第二度

第二度は、耳の上半分や耳たぶなど、一部が欠けているものです。

第三度

第三度は、皮膚と軟骨は残っているものの、耳の形は存在していないもので、発症率が一番高いです。

どの段階であっても、外耳が閉鎖しているケースがほとんどで、外耳から空気の振動が伝わらず、難聴や耳鳴りを伴うことが多いようです。

小耳症の治療法

小耳症の治療方法は、手術しかありません。

形成外科で、胸の軟骨をつくって耳をつくる、耳介再建手術を受けることができます。

ただし、この手術は一度で済むものではなく、何回かに分けて受けることになります。

手術を受けるタイミングにも諸説あり、幼稚園入学から10歳くらいの間が一般的なようです。

また、耳の状態によっては手術ができないことや、あまり難聴が改善されないことがあります。

3. 副耳の原因・症状・治療法

副耳とは

副耳とは、耳の穴の手前側に生まれつきイボのようなものがある状態をいいます。

赤ちゃんの1000人に15人に発症するといわれています。

副耳があっても特に症状が起こらないので、何もせずに放置したまま大人になる人も少なくありません。

副耳の原因

副耳の原因は現代の医学では解明されていませんが、胎児期に顔や耳が発達する家庭で、何らかの不具合が起きたためと考えられています。

そのため、副耳で生まれた赤ちゃんの中に、耳介の変形や顔面裂、耳の病気を合併していることもあるそうです。

副耳の症状

耳の穴の手前側にできたイボですが、柔らかいものと硬いものがあります。

柔らくて弾性のある副耳は、皮膚が隆起したものです。

硬いしこりになっている副耳は、軟骨が中に入り込んでいる確率が高いです。

また、ごくまれにイボの付け根に湿疹ができることもあります。

副耳の治療法

副耳の治療は、切除が基本です。

副耳が皮膚の隆起の場合

副耳が小さく、皮膚の隆起だけだった場合は、生まれてすぐにイボの根元を糸で縛り、患部を壊死させます。

副耳には神経が通っていないので痛みもなく、数日で自然に脱落します。

副耳に軟骨が含まれる場合

副耳に軟骨が含まれている場合は、全身麻酔の切除手術を受けます。

副耳のほかにも次回の変形があるときには、同時に手術することもあります。

手術は、幼児あるいは児童になってからになることが多いようです。

大人になってから、切除する人もたくさんいます。

4. 耳瘻孔の原因・症状・治療法

耳瘻孔とは

耳瘻孔とは、耳の周りに針の穴程度の小さな穴が開いており、細菌が感染を起こす病気です。

穴があく位置には個人差があり、中には穴の周りがへこんで生まれてくる赤ちゃんもいるようです。

耳の周りに穴があることが問題なのではなく、細菌が感染して症状が出ることが問題です。

日本では、100人に2~3人が発症するといわれています。

耳瘻孔の原因

耳は、複数のパーツによってできています。

胎児期に耳が形成される課程で、このすべてのパーツがきちんと結合できず、隙間が空いてしまったことが、耳瘻孔の原因です。

また、耳瘻孔は遺伝も原因の一つとされており、両親のどちらかが先天性耳瘻孔の場合は、赤ちゃんに発症する確率があがるといわれています。

耳瘻孔の症状

耳瘻孔にみられる症状は、小さな穴から膿のようなにおいと分泌物が出るというものです。

穴の奥は、管が続いていたり袋状になっていたりします。

分泌物が出るときに、かゆみを伴うことがあります。

また、この穴に細菌が入り炎症が起こると、膿がたまり、大きく腫れることもあります。

耳瘻孔の治療法

耳瘻孔は、症状によって治療法が異なります。

症状がないときには経過観察

耳瘻孔があっても、腫れや膿、痛み、臭い、分泌物などの症状がなければ、特に治療をする必要はありません。

耳瘻孔の中には、無症状で終わる人もいますので、経過観察を続けましょう。

炎症がある場合はまず投薬治療

腫れや膿、臭いなどの症状が出ている場合は、感染している可能性が高いです。

その場合は、抗生物質を服用することになります。

炎症が治まらないときは手術を検討

抗生物質を投与しても、炎症が治まらなかった場合は、腫れている部分を少し切開し、膿を出すことがあります。

また、投薬治療をしても、何度も症状が出てくるときには、手術を検討します。

その場合は、耳の奥にある管や袋を手術で切除します。

しかし、管や袋の形状によっては一度で取り切れず、手術をくり返したり、切り取った部分に皮膚移植をすることもあります。

5. 診察を受ける科は?

耳鼻咽喉科か形成外科を受診しよう

もし、生まれたばかりの赤ちゃんの耳に奇形が見つかったら、どの科で診察を受けるべきか迷う保護者も多いことでしょう。

まずは、耳の機能を調べる意味でも、耳鼻咽喉科に連れて行きましょう。

そして、手術が必要な場合には、耳鼻咽喉科か形成外科で受けるのが基本です。

耳の奇形の状態や、移植が必要かどうかでも、手術を受ける科が変わります。

お医者さまとよく相談の上、検討しましょう。

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6. 先輩ママの「うちの子の耳瘻孔体験談」

兵庫県・1歳3ヶ月の男の子・けんとママより

生まれたときから、耳の前の上部に穴が開いていることに気づいていましたが、特に症状がないので治療もしていませんでした。

ですが、子どもが幼稚園に上がったのを機に、スイミングスクールに通わせたら、穴のあたりが腫れるようになったのです。

腫れた部分が赤くなり、臭いもしはじめ、本人も痛がるので耳鼻咽喉科に行った時に、「耳瘻孔」と診断されました。

抗生物質を処方され、最後まで飲み切らせたら症状が治まったので、まだ手術はしていません。

今後、再び耳瘻孔に炎症が起こったら、手術も含めて治療方法を検討するつもりです。

日常生活には支障がないので、穴の部分を汚い手で触らないなど、子どもにも気を付けるように話しています。