胎児水頭症の症状と原因は?出産できるの?産後の治療は?

1. 胎児水頭症とは?

水頭症は、何らかの原因で脳室に髄液がたまる病気です。

胎児期に診断された場合、胎児水頭症と呼ばれます。

2. 胎児水頭症のおもな症状

出生後に起こる水頭症のおもな症状は、以下の通りです。

  • 頭囲が大きい、もしくは急に大きくなる
  • 大泉門(額にある頭蓋骨のつぎ目)が膨らむ
  • 頭の静脈がくっきり浮き出る
  • ひんぱんに嘔吐する
  • 眼球が下に動く(落陽現象)
  • 眠っている時間が長く、起きている時間もぼうっとしていることが多い
  • 機嫌が悪いことが多い
  • 3~5ヶ月を過ぎても、首がすわる気配がない

胎児水頭症の多くは、妊娠中の検査で判明

赤ちゃんの頭が大きくなるので、妊婦健診の超音波(エコー検査)で発見されることが多いです。

確実に水頭症と診断できるのは、22週目以降になります。

出生後すぐ対処できるよう、早期発見することが大切です。

胎児水頭症が疑われたら…

胎児水頭症の疑いがあるときは、胎児MRI検査などで詳しく調べます。

羊水検査を行うこともありますが、母子共にリスクが大きいので必ず行うわけではありません。

2. 胎児水頭症のおもな原因

先天的な病気の合併症

二分脊椎

脊椎の一部が欠損し、脊髄が外にはみ出す先天性形成障害です。

ダンディーウォーカー症候群

先天的な小脳の形成障害と水頭症が合併する病気です。

全前脳胞症

左右の大脳がうまく分離せず、水頭症や顔面の形成異常などをともないます。

X連鎖性遺伝性水頭症

性染色体のひとつ・X染色体の異常による水頭症です。

XYの性染色体をもつ男の子の場合、母親が保因者であれば50%の確率で発症します。

XXの性染色体をもつ女の子の場合、母親が保因者であれば50%の確率で保因者になります。

その他の原因によるもの

母体の感染症(トキソプラズマ・風疹など)

妊娠中にトキソプラズマ症や風疹などにかかると、赤ちゃんに影響することがあります。

胎児期頭蓋内出血

何らかの原因で赤ちゃんの頭蓋内に出血が起こり、その影響で胎児水頭症になることがあります。

3. 胎児水頭症になったら、出産できる?

胎児水頭症と診断されたら、脳神経外科のある病院を紹介してもらいます。

出産する病院に脳神経外科があれば、出生後すぐに対処できます。

今のところ出生前の治療方法はなく、まずは安全な出産を第一に考えます。

症状が重い場合は…

分娩時の赤ちゃんの負担を軽減するため、症状の重さによっては帝王切開で出産します。

症状が非常に重く助かる見込みがない場合、妊娠継続を諦めなければならないこともあります。

5. 産後の治療はどうする?

シャント術

通常、体重が2000gを超えるとシャント術を行います。

脳室の余分な髄液をお腹などに流すため、体内にシャントチューブを入れる手術です。

シャントチューブを入れても日常生活に支障はなく、運動や水泳も可能です。

6. 胎児水頭症の後遺症について

胎児水頭症と診断されても、手術のおかげでごく普通に成長している子どもはたくさんいます。

ただし、症状の重さや原因となる病気によっては、成長後に知能・運動障害などが出ることがあります。