子どもの低身長の治療法は?治療にかかる期間と費用は?

1. 低身長とは?

低身長は、身長および身長の成長率がいちじるしく低い状態を指します。

以下のいずれか・もしくは両方にあてはまると、低身長とみなされます。

  • 身長が-2SD以下
  • 成長率が-1.5SD以下の状態が2年以上続いている

「SD」は、その年齢・性別の平均値からどれくらい離れているかを示す数値です。

低身長のおもな原因

遺伝から病気まで、低身長の原因はさまざまです。

病気でないもの

  • 遺伝
  • 後天的環境(栄養・睡眠不足、強いストレスなど)

病気によるもの

  • 成長ホルモン分泌不全
  • SGA性低身長症
  • ターナー症候群
  • プラダー・ウィリー症候群
  • 軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)
  • 甲状腺機能低下症
  • 各種内臓疾患(心臓・消化器などの疾患)

2. 低身長のおもな治療法

成長ホルモン治療

低身長の治療において、もっとも多い治療法です。

針の細いペン型注射器を使って、週に6~7回自宅で成長ホルモンを注射します。

注射する成長ホルモンは安全性が高く、副作用の心配は少ないといわれています。

成長ホルモン治療の対象となる病気

  • 成長ホルモン分泌不全
  • SGA性低身長症
  • ターナー症候群
  • プラダー・ウィリー症候群
  • 軟骨異栄養症
  • 慢性腎不全

成長ホルモン治療以外の治療法

甲状腺ホルモン治療

甲状腺機能低下症による低身長には、甲状腺ホルモン治療が有効です。

また、成長ホルモン治療の効果を上げるために行うこともあります。

注射ではなく、服薬によって甲状腺ホルモンをおぎないます。

骨延長術

軟骨異栄養症の場合、骨延長術を行うことがあります。

手術で人工的に手脚を骨折させ、自然治癒力を利用して骨を伸ばします。

思春期(10~16歳ごろ)に行うことが多いですが、手術時期に関してはさまざまな見解があります。

3. 成長ホルモン治療を行う時期

成長ホルモン治療の効果が出やすい時期は、3歳~思春期開始前です。

成長ホルモン治療が有効かどうかの判断は、早ければ3歳頃から可能です。

治療開始後すぐは、急速に身長が伸びる

治療開始から2~3年までは、急速に身長が伸びます。

その後の伸び率は落ちますが、少しずつ標準身長に近づいていきます。

思春期を過ぎると、効果が出にくくなる

思春期を過ぎると骨の成長が止まり、成長ホルモンを投与しても効果があらわれにくくなります。

効果を最大限に得るため、3歳をすぎたらできるだけ早く治療を始めるとよいでしょう。

4. 成長ホルモン治療にかかる費用

投与する成長ホルモンの量は、体重によって決まります。

ある医療機関の料金例

体重20kgの場合

  • 投与する成長ホルモンの量…約15mg/月
  • 医療費…約120,000円/月

成長ホルモン治療は何年も続けなければならず、注射器などの器具も必要です。

医療費全額をみるとかなり高額ですが、各種制度を利用して負担を減らすことができます。

健康保険が適用される

成長ホルモン治療の対象となる病気の治療には、健康保険が適用されます。

健康保険が適用されれば、自己負担額は3割だけになります。

自己負担分が高額になったら…

成長ホルモン治療には、長い年月がかかります。

そのため、健康保険の自己負担額も高額になりがちです。

自己負担額が高額になったら、以下の制度を利用しましょう。

小児慢性特定疾患治療研究事業

特定の小児慢性疾患の治療に際して、医療費の一部が助成されます。

成長ホルモン治療の対象となる病気のうち、一定の基準を満たした場合に利用できます。

乳幼児医療費助成制度

未就学児が治療を行った際、自己負担額の一部もしくは全額が助成されます。

多くの自治体で実施されているので、お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

子ども医療費助成制度

小学生~中学生以下の子どもが治療を行った際、自己負担額の一部もしくは全額が助成されます。

多くの自治体で実施されていますが、自治体によって対象年齢が異なります。

高額療養費制度

その月にかかった医療費の合計額が自己負担限度額を超えると、超過分が払い戻されます。

自己負担限度額は、年齢や収入によって定められています。

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