赤ちゃんの胎便吸引症候群とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. 胎便吸引症候群はこんな病気

妊娠中、羊水の中でうんち(胎便)をしてしまい、肺の気管支に詰まってしまう症状です。

出産後、呼吸障害や酸欠状態を引き起こしてしまいます。

妊娠中、低酸素状態が続く、母親の病気などが原因で、胎便吸引症候群を引き起こします。

胎便吸引症候群が発症する確率は?

羊水の中に胎便を出してしまうのは、全体の出産数のうち10〜15%の割合で起こります。

胎便吸引症候群を引き起こすのは、羊水の中で胎便をしたうちの約5%です。

1000人の赤ちゃんのうち、5〜7人の確率で起こります。

早産児は少なく、正期産児または過期産児で起こります。

とくに過期産児に多いのが特徴です。

2. 妊娠後に胎内で起きていることは?

妊娠すると期待する反面、赤ちゃんが元気に生まれてくるのか、心配もあります。

胎便吸引症候群も、多くのママが心配している症状の1つです。

胎便吸引症候群を知るうえでも、妊娠後の胎内で起きていることを知ることがたいせつになります。

妊娠すると胎内ではどうなっているの?

赤ちゃんは羊水の中で、へその緒を通して酸素や栄養を吸収しています。

最初に形成されるのは中枢神経で、妊娠4週目に作られはじめます。

妊娠5週目に心臓が作られ、脳は10週目に作られはじめます。

肝臓や腎臓、胃などの内臓も、妊娠4〜7週目に作られはじめます。

腸が作られ動きはじめるのは妊娠36週目あたりになります。

羊水はおしっこでできている

妊娠初期の段階では、母親の胎内の羊膜から羊水が分泌され、満たされていきます。

赤ちゃんが成長すると、胎内で羊水を飲んで、おしっこをしています。

そして羊水の成分のほとんどは、おしっこでできています。

羊水を飲んでおしっこを繰り返すことで、腎臓機能を少しずつ発達させています。

妊娠後期になると、1日あたり200〜500mlの羊水を飲み、1時間あたり25mlのおしっこをします。

おしっこをしても汚くないの?

赤ちゃんでも大人でも、おしっこそのものは無菌です。

おしっこは外気にさらされることで、雑菌が繁殖します。

胎内は無菌のため、雑菌が繁殖して汚れることはありません。

また、羊水が汚れても羊膜を通して、常に入れ替わっています。

3時間でほぼすべての羊水が入れ替わります。

羊水が肺に入って窒息することはないの?

胎内にいるときに羊水を飲み込んでも、肺呼吸していないため窒息する心配はありません。

実は胎内にいるときには、肺の中は羊水で満たされています。

また、肺の中でも肺液が作られ、それが腸内に流れて、おしっことして出ます。

そして羊水には、肺を形成する成分が含まれています。

肺にたまった羊水は出産時どうなるの?

出産時には肺呼吸をするため、羊水が不要となります。

羊水は肺液とともに、肺の中をめぐる血管を通して吸収されます。

また、出産時に狭い産道を通るとき、肺の中にあった羊水は絞り出されます。

ところが、帝王切開の場合、肺の中の羊水が絞り出されません。

そのため、出産後に呼吸困難が起こることもあります。

3. 胎便はどのようなものなの?

前の内容では、羊水やおしっこのことについて説明しました。

では、胎便吸引症候群を引き起こす、うんちである胎便について説明していきます。

胎便に菌はいるの?

胎便には、おしっこと同じで菌はいません。

出生後、外気に触れて3〜4時間後、腸内に大腸菌があらわれはじめます。

授乳がはじまると、腸内細菌が一気に増え始めます。

24時間経過すると、うんち1gあたり、1,000億個以上の細菌がいるといわれています。

胎便の成分はどのようなものなの?

おもな成分として羊水や腸液になります。

胎便の色は?

緑色が入った黒色になります。

粘り気があり1週間程度続きます。

胎便が完全になくなると、黄色い便に変わりはじめていきます。

胎内で胎便をすることはあるの?

おしっこはしますが、通常胎内で胎便をすることはありません。

妊娠36週目以降に、赤ちゃんが何らかのストレスを感じると、羊水の中で胎便をしてしまいます。

胎内にいる間は羊水を飲んでいるため、肺に胎便が入ると、出産後に呼吸困難になります。

これが胎便吸引症候群の症状の1つです。

4. 胎便吸引症候群の原因

赤ちゃんが胎内にいる場合、おしっこはしても、うんちをすることはありません。

しかし、さまざまな原因により、羊水の中で胎便をしてしまい、肺に入り込んでしまいます。

妊娠36週目以降になり、腸内の活動がはじまる頃になったら、注意が必要です。

そこで、どのような原因で、胎便吸引症候群を引き起こすのかを説明していきます。

酸素不足

妊娠中、何らかの原因により、赤ちゃんに酸素が行かなくなると、苦しくなってしまいます。

たとえば、へその緒が首に巻き付いてしまい、苦しくなった場合にも起こります。

過期産

出産予定日は、妊娠40週目となっていて、平均して、妊娠37〜41週目になります。

ところが、妊娠42週目を超えると、胎盤機能が低下してしまいます。

酸素不足になる、羊水量も少なくなります。

結果として、羊水量内の胎便濃度が高くなってしまいます。

過期産の場合、胎便吸引症候群が重症化しやすいため、注意が必要です。

母親の病気

母親に心疾患や呼吸器疾患があると、胎便吸引症候群のリスクが高まります。

一例として、心臓病や持続性肺高血圧症などがあります。

母親が妊娠中に飲んだ薬が原因で、胎便吸引症候群を引き起こすこともあります。

一例として、アスピリンやインドメタシンなどがあります。

臍帯の異常

臍帯とは、へその緒のことです。

臍帯真結節は、へその緒に結び目ができてしまう、赤ちゃんに巻き付いてしまう症状です。

栄養や酸素が行き渡らなくなり、結果として胎便をしてしまいます。

胎児発育不全や胎児機能不全を引き起こすこともあります。

羊水過少

羊水の中には、肺を形成する成分が含まれています。

胎内にいるときに羊水を飲むことで、肺の機能を形成します。

羊水が100mlを下回る場合、羊水過少と呼ばれます。

肺低形成が起こると、肺のサイズが通常よりも小さいため、呼吸困難を引き起こします。

5. 胎便吸引症候群の症状

出生直後に以下の症状があらわれます。

おもな症状は、胎便が肺の気管支に詰まることによる、呼吸困難から来るものです。

呼吸が速くなる

息苦しそうに、呼吸を速く繰り返します。

陥没呼吸

息を吸い込もうとするときに、胸のあたりがへこむように呼吸を行います。

うなり声を上げる

息を吐くときに、うなり声を出すような、呻吟(しんぎん)と呼ばれる呼吸をします。

チアノーゼ

慢性的な酸欠状態から、唇や爪先などが青紫になります。

6. 胎便吸引症候群の診断

出産時や出産後に、胎便吸引症候群の疑いがあれば、診断を行います。

羊水の確認

羊水の混濁状況を見て、胎便が混じっているかを確認します。

皮膚だけでなく、鼻や口に胎便があれば、胎便吸引症候群を疑います。

赤ちゃんの症状の確認

呼吸困難やチアノーゼが出ていないかを確認します。

胸部X線検査

胸部のX線写真を取り、肺の気管支に胎便がないかを確認します。

胎便が石灰化し、白く映ることで、胎便吸引症候群を疑います。

7. 胎便吸引症候群の治療&ホームケア

出産時に羊水が胎便に混ざる、羊水混濁と気づいたら、以下のような治療を行います。

胎便が原因による感染症や二次的な病気を発生するため、早急な対応が必要です。

胎便を取り除く

出産後、最初の呼吸を行う前に、口や鼻、のどや気道にある胎便を取り除きます。

気管内の洗浄を行う

胎便は粘り気があるため、肺の気管支にへばりついています。

胎便を一通り取り除いたら、温かい食塩水などを用いて、気管内の洗浄を行います。

酸素吸入を行う

人工呼吸器を用いて、酸素吸入を行います。

胎便吸引症候群が軽い場合、1日程度で母親と同じ部屋で過ごすことができます。

抗生物質の投与

肺炎などの合併症を防止するため、抗生物質を投与することもあります。

入院する必要はあるの?

胎便吸引症候群の症状により、入院する期間が変わります。

数日、10日前後、1ヶ月前後と、さまざまです。

入院費用に関しては、乳児医療費制度を利用すれば、自治体の助成を受けられます。

後遺症は残るの?

低酸素状態や仮死状態が長く続くと、症状が重いと脳性麻痺を起こすこともあります。

ほかにも、ぜん息や持続性肺高血圧症などの症状が残ることもあります。

しかし、多くの場合、後遺症が残ることはなく、日常生活を送ることができます。

8. 胎便吸引症候群を事前に予防できるの?

母親の心身状態が、赤ちゃんにも大きな影響を与えます。

母親の健康を維持することで、胎便吸引症候群のリスクを下げられることも考えられます。

妊娠期間中は、以下の点に注意しましょう。

ストレスをためない

ストレスは血液の流れを悪くします。

適度に運動をして、ストレスを発散させましょう。

貧血を予防する

妊娠すると、赤ちゃんに栄養を取られるため、貧血を起こしやすくなります。

貧血を予防するためにも、栄養のあるものを食べましょう。

タバコやお酒、カフェインを控える

タバコやお酒は、赤ちゃんに悪影響が出ます。

また、カフェインの多く含むコーヒーなども控えめにしましょう。

持病がある場合には相談を

心疾患や血液関係の病気があると、胎便吸引症候群のリスクが高まります。

普段服用している薬も影響を及ぼすこともあるため、病院の先生に相談しましょう。

9. 先輩ママの「うちの子の胎便吸引症候群体験談」

愛知県・1才3ヵ月の男の子・ひなっちママより

破水時に羊水が混濁していたため、吸引分娩で出産。

産声は聞こえたけれど肌の色はよくありませんでした。

胎便吸引症候群による呼吸不全で、NICUへ搬送。

3日間薬で眠らせ、肺洗浄と酸素投与、点滴などの処置を受けました。

ちゃんと抱っこできたとき、ホッとしました。

10日後に退院しました。

発達に心配はないでしょうと言われましたが、退院後しばらくは心配でした。

現在は元気に成長しています。

引用元:胎便吸引症候群。大変でした

4才の男の子を持つtanitomo0619さんより

うちの息子も4年前の出産時、体便吸引症候群による肺高血圧症と、重度の呼吸不全になり大学病院のNICU(新生児集中治療)に搬送されて行きました。

素人にも分かるぐらい、肺のレントゲンは真っ白で、人工呼吸がないとSPO2が60%まで下がり、チアノーゼで顔色が紫色になる状態でした。

肺の洗浄をし、抗生物質や炎症を抑える薬も効かず、重症の呼吸不全に対して劇的な効果があると言われて行った一酸化窒素(NO)療法も効かず先生方も困っていました。

ステロイド系抗炎症薬を使い、痰が出やすいようにと、うつ伏せに寝せ容体が安定するようにと、薬で寝かされていました。

それらがよかったのか、順調に回復し、当初人工呼吸器や、チューブだらけだったのが、だんだん状態も安定しました。

障害等の心配がありましたが、出産後の処置、低酸素状態がほとんどなかった為脳波検査や視力、聴力検査、MRIも異常なしでした。

大学病院のNICU(新生児集中治療)に1か月入院、在宅酸素を1年間行い完全に回復し、現在4歳になり特に異常もなく元気に過ごしています。

引用元:Yahoo知恵袋

生後1ヶ月の赤ちゃんを持つママより

生後1ヵ月のママです。

うちの子は胎便吸引症候群で産まれてきました。

苦しい苦しいと産まる時になってしまい、吸引分娩もしました。

NICUからGCUへと移動し、1週間で退院することができました

1ヶ月健診も何も問題もなく、とっても元気に太ってます(笑)

私も最初は不安でしたが、同じ症状の赤ちゃんも多くはないけど、やっぱり居るのでそこまで心配すると、精神的におかしくなるので、うちの子は大丈夫って強い気持ちをもってました。

引用元:1ヶ月健診も問題なく!