赤ちゃんの無呼吸発作・一過性多呼吸とは?原因・症状・治療・体験談

1. 無呼吸発作と一過性多呼吸とは?

新生児は呼吸機能が未熟なので呼吸のトラブルがよく見られます。

呼吸のリズムが整わず不規則なことが多くなります。

健康な新生児なら呼吸の疾患は少ない

健康な新生児でも5~10秒ほど呼吸が止まることもありますが、心配はいりません(周期性呼吸)。

早産や病気が原因で呼吸の疾患は起こりうる

早産児は、呼吸が20秒以上止まる無呼吸発作や、呼吸数が多くなる一過性多呼吸が起こりやすいです。

また、さまざまな病気が原因で、無呼吸発作や一過性多呼吸が起こることがあります。

2. 無呼吸発作の詳しい情報

1. 無呼吸発作の症状

無呼吸発作の定義は以下のとおりです。

  • 呼吸が20秒以上停止する
  • 脈拍が遅くなる、チアノーゼ(爪や唇、皮膚などが青紫色になる)をともなう

呼吸が20秒以上停止する

赤ちゃんは呼吸のリズムが整っていないため、呼吸が止まることがあります。

特に早産で産まれた新生児は、呼吸器系の発達が未熟なケースが多いため、呼吸が止まることが多くあります。

呼吸の停止が19秒以内であれば様子をみることが多いです。

呼吸の停止が20秒以上続いた場合、無呼吸発作と診断されます。

脈拍が遅くなる、チアノーゼをともなう

20秒以内の呼吸停止であっても、脈拍が急に遅くなっているときは無呼吸発作と診断されます。

また、チアノーゼをともなう場合も無呼吸発作を起こしている目安になります。

2. 無呼吸発作の原因

無呼吸発作が起きる原因は色々ありますが、主な原因は下記です。

  • 未熟児で産まれた
  • 気道がせまい
  • 感染症にかかっている
  • 脳の病気、低血糖や低カルシウム、低酸素状態になっている

未熟児で産まれた場合

胎児のからだができあがる過程において、いちばん遅いのは呼吸器系の発達です。

胎児の呼吸の規則性は、妊娠34週頃にできあがると言われています。

早産の赤ちゃんは呼吸器系が整わないまま産まれることがあり、無呼吸発作が起こりやすくなります。

早産で産まれた赤ちゃんは、入院して保育器に入り、呼吸の管理を行いながら経過をみていきます。

気道がせまい

空気の通り道である気道がせまいと、無呼吸発作が起こりやすくなります。

生まれつき気道が弱い病気(気管軟化症など)をもっている場合は注意が必要です。

感染症にかかっている

新生児が感染症にかかった場合、発熱ではなく無呼吸発作ではじまるケースが多いです。

その他の病気

頭蓋骨出血などの脳の病気や、低血糖や低カルシウム血症、低酸素状態などでも無呼吸発作を起こす場合があります。

3. 無呼吸発作の治療

早産で産まれた赤ちゃんは、ほとんどの場合入院して保育器で呼吸管理をされています。

無呼吸発作の多くは入院中に発見されます。

感染症や病気が原因のときは、もとの病気を治療することが先決です。

家で赤ちゃんの呼吸が止まったら

新生児は呼吸器系が未熟なため、呼吸が一時的に止まることはよくあります。

まずは落ち着いて5~10秒ほど待ってみましょう。

10秒以上経過した場合、次の方法を試してください。

  • 足の裏を刺激する
  • うつぶせ姿勢に変えるなどの体位交換をする
  • 体温を保つために室温や衣服を調節する

ほとんどの赤ちゃんは刺激を与えることで呼吸が回復します。

呼吸停止が頻繁にみられるときは病院を受診しましょう。

また、呼吸が20秒以上停止する無呼吸発作の症状がみられた場合は救急車を呼びましょう。

病院での治療

病院では酸素の投与をしたり、アミノフィリン(注射・内服薬)を使って血中の酸素濃度をあげる治療をおこないます。

無呼吸発作が頻繁に起こる場合は、人工呼吸器を使用します。

早産で産まれた赤ちゃんでも、修正週数(出産予定日を基準にした週数)が37週を超える頃になると、無呼吸発作の症状はほとんどみられなくなります。

3. 無呼吸発作と乳幼児突然死症候群との関係

何の前触れもなく、赤ちゃんが突然死亡してしまうことを乳幼児突然死症候群といいます。

原因はよく分かっていませんが、無呼吸発作との関係が指摘されています。

無呼吸発作が20秒以上続いた場合、心臓や脳にも酸素が行き渡らなくなり、心臓が停止してしまうことがあります。

4. 一過性多呼吸の詳しい情報

1. 一過性多呼吸の症状

一過性多呼吸の症状は、出生直後から生後6時間以内にあらわれます。

  • 多呼吸、頻呼吸が12時間以上続く
  • 呼吸が早く酸素量が低下している
  • うめくような呼吸音がする
  • 陥没呼吸(呼吸のたびに胸がペコペコする)
  • チアノーゼ(唇や皮膚、爪などが青紫色になる)がみられる

これらの症状は24~72時間以内に、新生児が尿をするたびに改善していきます。

一過性多呼吸の症状がある新生児の尿には、肺にたまっている肺液が含まれています。

肺液が排出されるたびに肺に空気が入りやすくなり、順調な呼吸ができるようになっていきます。

これらの症状は、長くても1週間以内には改善します。

2. 一過性多呼吸の原因

妊娠後期になると、肺呼吸にそなえて胎児の肺液の産生が抑制されるようになります。

陣痛が開始すると、肺液は胎児の体内へ吸収されはじめ、産道を通る時に赤ちゃんの胸が圧迫されて残った肺液は外に排出されます。

産声をあげると肺が拡張し、肺に流れる血液が増加することで空気が肺に入り、順調な肺呼吸が開始されます。

分娩前に肺液の分泌抑制が起こらない場合

何らかの原因で胎児の肺液分泌が抑えられなかった場合、出生後も肺液が残ってしまい一過性多呼吸の原因になります。

帝王切開で出産した場合

帝王切開で出産した場合、肺液がじゅうぶんに排出されないことで、肺に空気が十分に入らず一過性多呼吸のリスクがあがります。

早産の場合

早産で産まれた場合、胎内で肺液の分泌抑制ができにくくなり、出生後に肺液が残っている状態になります。

肺に空気が入りづらくなるため、一過性多呼吸の原因になります。

低体重児の場合

子宮内発達遅延(胎児が育ちにくい)などが原因で2500g以下の低体重で産まれた場合、肺液がじゅうぶんに排出されないまま産まれるケースがあります。

一過性多呼吸の原因となるので、注意が必要です。

3. 一過性多呼吸の治療は?

酸素投与

新生児に酸素を送り込んで呼吸を助けると同時に、肺液が自然に排出されるのを待ちます。

一過性多呼吸はほとんどの場合、出生後2日程度で自然に治癒します。

人工呼吸器

ごくまれに、一過性多呼吸の症状が1週間ほど続くことがあります。

症状が長引くときは人工呼吸器をつけ、呼吸を助けます。

4. 一過性多呼吸の予防はある?

一過性多呼吸は、早産のリスクを予防することである程度防ぐことが出来ます。

  • 妊婦健診は欠かさずに受ける
  • 禁煙する
  • アルコールの摂取を控える
  • 体重管理・健康的な食事をして、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクを下げる
  • ストレスをためないようにする
  • など

5. 先輩ママの「うちの子の無呼吸発作、一過性多呼吸体験談」

千葉県・2才の男の子・みなちゃんのママより

出産後3日目に突然チアノーゼを起こしたため、息子だけ大学病院に転院しました。

無呼吸発作との診断でした。

先生は「新生児にみられる症状ですが、よく検査しておきましょう」と言われました。

面会に行くと、保育器の中で点滴をしながら呼吸管理をされていました。

母乳をしぼって冷凍し持って行きましたが、産後すぐなので大変でした。

呼吸はその後だんだん安定し、2週間で無事に退院することができました。

引用元:新生児無呼吸発作で保育器に入りました

兵庫県・2才6ヵ月の女の子・よっちゃんママより

普通分娩で3110g、50.5㎝で生まれましたが、出産時に羊水を飲んでしまったために産声を上げず、羊水を吸引してやっと泣きだしました。

すぐに保育器へ入り、15時間酸素投与しました。

一過性多呼吸の症状がありましたが、経過は順調で、翌日には初めての抱っこして授乳もできました。

その後はとくに心配なことはなく、生後7日目に親子そろって退院しました。

引用元:新生児一過性多呼吸のため保育器で酸素投与しました