赤ちゃんのアトピー性皮膚炎とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. アトピー性皮膚炎はこんな病気

赤ちゃんや子どもによく見られる、かゆみの強い湿疹が長期間続く病気です。

アトピー性皮膚炎のおもな原因

生活環境や食生活から来るもの、化学薬品などの接触回数の増加、肌のバリア機能の低下など、さまざまです。

原因となるものを1つ1つ、根気強く見つけることがたいせつです。

アトピー性皮膚炎の有症率

アトピー性皮膚炎の有症率は1才半で9.8%、3才で13.2%、小学校1年生で11.3%にあります。

【引用:アトピー性皮膚炎の年齢別有症率,西問三馨先生(2002年)】

アトピー性皮膚炎は大人になると完治するの?

最近は長引くケースが多い

昔は、アトピー性皮膚炎は子どもの病気、大人になれば自然に治ると考えられていました。

最近はアトピー性皮膚炎が長引く、思春期になって発症するケースもあります。

独立して生活が変わると再発することも

子どもの頃は、親に食生活などのケアをしてもらいました。

ケアによって、アトピー性皮膚炎の症状が完治、または症状が落ち着くことがあります。

親から独立後、食生活や生活環境の乱れから、アトピー性皮膚炎を再発する大人も増えています。

他のアレルギー症状と併発しやすい

アトピー素因を持っている子は、ほかのアレルギー疾患も起こしやすいのが特徴です。

環境整備を含めた総合的な治療が必要です。

長い目で見た治療が大切

治療をしていても、症状はよくなったり悪くなったりと波があります。

長い目で見て、あせらずケアしていきましょう。

2. アトピー性皮膚炎とアレルギーの関係

アトピー性皮膚炎の原因にアレルギーがある

アトピー性皮膚炎とアレルギーは、厳密には異なります。

アトピー性皮膚炎になったから、アレルギーを引き起こす物質を必ず持っているとはかぎりません。

しかし、アトピー性皮膚炎になった人は、何らかのアレルギーを持っている可能性が非常に高いです。

何らかのアレルギーが原因で、結果的にアトピー性皮膚炎を引き起こしていることも多くあります。

厳密には異なるけれど非常に密接している、と認識しても問題ありません。

アトピー性皮膚炎もアレルギーも抗体が原因

抗体は、いわゆるバリア機能になります。

私たちが健康でいられるのも、病気や症状が完治するのも、抗体のおかげがあります。

ところが抗体が勘違いし、正常なもの、害のないものを攻撃してしまいます。

結果として、体に湿疹やかゆみなどといった症状があらわれます。

アトピー性皮膚炎は常在菌に大きく関係している

常在菌は必ずしも悪いわけではない

常在菌とは私たちの肌表面にいる、細菌やウイルスのことです。

常在菌はすべて悪いわけではなく、常在菌がいることで病気の原因となる細菌やウイルスの感染を防いでくれます。

アトピー性皮膚炎になる人の常在菌のバランス

アトピー性皮膚炎の特徴として、この常在菌が非常に少ないため、細菌やウイルスに感染しやすくなり、肌に炎症を引き起こしやすくなります。

その一方で、黄色ブドウ球菌とコリネバクテリウムという常在菌の一種が、普通の人と比べ非常に多いのが特徴です。

アトピー性皮膚炎のメカニズム

アレルギーを引き起こす原因となる抗体を多く作り、肌が敏感に反応してしまい、結果としてアトピー性皮膚炎を引き起こします。

3. アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎は、赤ちゃんの頃、幼児、学童期それぞれに症状が変わることがあります。

食生活や生活環境の変化、ストレス、接触するものなどにより大きく変わります。

1. 赤ちゃん

長期の湿疹はアトピーの可能性あり

赤ちゃんは皮膚が敏感で湿疹などのトラブルをよく起こします。

赤くてかゆみのある湿疹が2ヵ月以上続いたときは、アトピー性皮膚炎の可能性が高いです。

ジクジクした赤い湿疹がでる

生後2~3ヵ月ごろから、ほっぺたや口のまわりに赤くて盛り上がった湿疹ができることが多いようです。

ジクジクしたり、黄色い膿を持つこともあります。

かゆくてひっかくので、湿疹をよく見るとひっかき傷があります。

2. 幼児・学童期

傷つきやすい皮膚になる

成長するにつれて症状は悪化していきます。

皮膚は全体的にカサカサと粉をふいたような感じになり、湿疹のあるところは赤く盛り上がったり血がにじんだりしています。

ひじの内側やひざの裏など屈曲部、首のまわりなどに目立ち、耳切れや目の下に「くま」ができる子もいます。

そのほかの特徴

乾燥する冬場に悪化する子、プールに入る夏にジクジクする子など、症状は季節によって波がありますが、6ヵ月以上続きます。

また、虫刺されになると赤く腫れ上がったり、とびひや水いぼの症状がひどくなるのも、アトピー性皮膚炎の子どもの特徴です。

4. アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎を引き起こす原因はさまざまですが、代表的な原因は下記になります。

肌のバリア機能の低下

アトピー性皮膚炎の方の肌は、肌のバリア機能が低下している場合がほとんどです。

外部の細菌やウイルスから守ってくれる、肌表面にある常在菌が少なくなっています。

一方、黄色ブドウ球菌やコリネバクテリウムといった、常在菌が過剰に増えて、肌のバラスが崩れてしまいます。

刺激物による影響

石けんや洗剤、その他外部にある刺激物に触れることで、アトピー性皮膚炎を引き起こします。

ほかにも汗や汚れも大きく影響します。

環境の変化によるストレス

私たちは無意識のうちに、いろんなストレスを抱えます。

ストレスを抱えると心身のバランスが崩れ、アトピー性皮膚炎を引き起こします。

実際に受験勉強が原因でアトピー性皮膚炎が悪化し、終わったと同時に落ち着く子どももいます。

食べ物による影響

アトピー性皮膚炎になると、食物アレルギーを持つ場合があります。

とくに卵白や牛乳などが原因で、結果的にアトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。

ハウスダストによる影響

ダニやハウスダスト、花粉などといった物質が影響することもあります。

アレルギーを引き起こす抗体値が高い

血液の中には、外敵から身を守る抗体があり、IgE抗体とも呼ばれています。

この抗体値が高いと、アレルギー反応を引き起こしやすくなります。

5. アトピー性皮膚炎の治療&ホームケア

アトピー性皮膚炎の場合、皮膚の治療だけでなく、環境整備なども心がけましょう。

1. スキンケア

皮膚を清潔な状態に

赤ちゃんや子どもは汗をたくさんかき、食べ物などで囗のまわりも汚れやすくなります。

汗や汚れはなるべく早く落とし、1日1回は泡立てた石けんでやさしく洗い、湿疹の部分も洗ってあげましょう。

保湿ケアをしっかりと

皮膚がカサカサしているときは、洗った後に保湿クリームなどを塗ります。

温度は低めに

体が温まるとかゆみが増すので、おふろや部屋の温度は低めに設定します。

つめは短く

肌に傷つけないように、赤ちゃんや子どものつめは短く切っておきます。

2. 塗り薬や飲み薬

ステロイド入りの塗り薬

アトピー性皮膚炎はひっかくと悪化して、ますますかゆくなるという悪循環になりがち。

ステロイド剤は5ランクに分かれ、炎症を抑える作用が強くかゆみも減らせます。

初めにステロイド剤で症状をきちんと抑え、徐々にステロイド剤をランクダウンしていきます。

ステロイド剤の副作用を怖がる人も多いですが、皮膚から吸収される量は少ないので短期間使うのは問題ありません。

ただし、だらだらと長期間つけることになり、症状もよくならず、ステロイド剤の使用量も増えるため、注意が必要です。

保湿剤

皮膚が乾燥するとちょっとした刺激でも症状が悪化します。

ワセリンやヒルドイドなどを塗って皮膚のバリアをつくります。

人によって相性のいい、逆に悪い保湿剤があります。

保湿剤を塗っても、よくならない場合、保温剤を替えましょう。

抗アレルギー薬の飲み薬

アレルギー症状が出にくくなる、インタールなどを一定期間、服用することがあります。

3. 環境整備など生活上のケア

ダニ対策

アトピー素因を持つ子どもは、ダニやハウスダストがアレルゲンになる可能性が高くなります。

赤ちゃんのときには陰性でも、幼児では陽性になることがあります。

症状が出ないように、ふとんや毛布はこまめに日干しにする、こまかい目のフィルターの掃除機を使うなどのダニ対策をします。

家庭内では絶対禁煙、ペットも室内飼育は避けたほうがいいでしょう。

生活リズムを整える

早寝早起き、バランスのとれた食事、体を使った遊びや運動をするといった生活をしましょう。

子ども自身の抵抗力を高め、アトピー性皮膚炎の症状を抑える効果も期待できます。

除去食について

アトピー性皮膚炎になると、卵や牛乳はダメ、と安易に考えるお母さんがいます。

しかし、安易な除去食は発育途上の赤ちゃんや子どもに、発育障害を起こします。

除去食をするときは医師の指導の下に行ってください。

また、除去食はだらだら続けてはいけません。

症状がよくなってきたら、除去食の卒業に向けて医師と相談しましょう。

6. 先輩ママの「うちの子のアトピー性皮膚炎体験談」

熊本県・2才の男の子・けんママより

2ヵ月からジュクジュクと汁が出るようなブツブツが顔にできて、赤く腫れてきました。

小児科でワセリンとロコイドを出されたのですがすっきりとは治りませんでした。

5ヵ月から皮膚科に替えたら脂漏性湿疹もあると言われました。

6ヵ月のときのアレルギー検査で多少反応が出てアトピー性皮膚炎と診断されました。

数種類の塗り薬を出され、保湿をするようにと指導されました。

2ヵ月間で症状はずいぶん落ち着きました。

引用元:低月齢のころからブツブツ。アトピー性皮膚炎でした

東京都・4才の女の子・H&Iママより

2ヵ月半のときに、ひざの裏に湿疹ができ、すぐに全身に広がりました。

家の近所の小児科に行ったところ、その先生がアレルギーの専門医で、娘の症状を見てこう言われました。

「おそらくアトピーでしょう。お父さんにもアレルギーがあるなら、体質も似ているでしょう。まだ検査はできないけど、食物アレルギーも疑われるから、母乳だったらお母さんも卵を食べないでおいてください」

薬は、アルメタとサトウザルベ10の混合軟膏、アルメタとプロベトの混合軟膏を出されました。

私も卵を除去し、離乳食も卵除去で進めて症状は落ち着きました。

2才9ヵ月のとき、初めてかたゆでの卵黄を少し食べさせてみたら、ひざの裏に湿疹ができましたが、その後もクッキーやパンをつまようじの先ぐらいの量で食べさせてみました。

症状はそうひどくならず、約1年で食べても症状が出なくなってきました。

4才の今は、しっかり加熱したら卵白を食べても大丈夫になり、皮膚症状も保湿だけできれいな状態です。

引用元:アトピー性皮膚炎が全身に。今は治まってます

参考:病院で処方される薬