
1. 細菌性髄膜炎の原因とは?
髄膜炎はこんな病気
髄膜炎は、赤ちゃんや小さな子どもに多い病気です。
脳や脊髄をおおっている髄膜が細菌・ウイルスに感染し、さまざまな症状があらわれます。
細菌性髄膜炎の原因
髄膜炎は、大きく分けて細菌性とウイルス性の2種類があります。
細菌性髄膜炎のおもな原因菌は、以下のとおりです。
新生児~3ヶ月
- B群溶血性連鎖球菌
- 大腸菌
ママが妊娠中にB群溶血性連鎖球菌に感染すると、分娩中に赤ちゃんに感染する恐れがあります。
3ヶ月以降
- ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)
- 肺炎球菌
- 結核菌
2. 細菌性髄膜炎の症状
おもな症状
1. 38~40℃の高熱
急激に高熱が出て、しばらく持続します。
2. 食欲不振・嘔吐
食欲がなくなり、嘔吐を繰り返します。
3. 強い頭痛
強い頭痛も、髄膜炎の特徴です。
ただし、赤ちゃんの頭痛を大人が判断するのは難しいです。
他の症状の様子も、あわせてチェックしましょう。
4. 首が曲がりにくくなる
首がこわばり、前に曲げにくくなります。
仰向けに寝かせておへそを見るような姿勢をとらせると、上半身全体が曲がります。
赤ちゃんの場合、縦抱きを嫌がることもあります。
5. 大泉門が盛り上がる
大泉門(赤ちゃんの額にある、頭蓋骨のつなぎ目)が盛り上がります。
通常はへこんでいるので、さわるとすぐにわかるでしょう。
6. けいれん・意識障害
症状が進むと、意識障害が起こることがあります。
以下の症状が見られたら、すぐに病院へ行きましょう。
- ぐったりしている
- ぼうっとしていて、呼びかけにあまり反応しない
- すぐにうとうと眠る
7. 機嫌が悪く、激しく泣く
赤ちゃんは、「頭が痛い」「気分が悪い」などと言葉で伝えられません。
かん高い声で激しく泣いたり、ずっと不機嫌だったりする場合は、不快症状のサインかもしれません。
細菌性髄膜炎は重症化しやすい
細菌性髄膜炎は重症化しやすく、治療が遅れると命にかかわることもあります。
すぐに適切な治療をすれば、死亡率は10%以下になります。
新生児・免疫不全などで抵抗力が低い場合や治療が遅れた場合は、より死亡率が高くなります。
3. 細菌性髄膜炎の治療法
髄液検査を行う
髄膜炎が疑われたら、まず髄液検査を行います。
髄液検査の結果によって、細菌性かウイルス性かを見極めます。
入院して治療を行う
原因菌にあわせた抗生物質を投与して治療します。
抗生物質は2~3週間ほど投与しつづけなければならず、ある程度長期間の入院が必要になります。
抗生物質の投与と同時に、それぞれの症状をおさえる対症療法を行います。
4. 細菌性髄膜炎の合併症・後遺症
細菌性髄膜炎の合併症
細菌性髄膜炎の合併症として、重い病気にかかることがあります。
細菌性髄膜炎の後遺症
ヒブが原因であれば約20%、肺炎球菌が原因であれば20~30%の確率で後遺症があります。
- 知的障害
- 運動障害
- てんかん
- 聴力低下