子どもの心雑音の治療とは?治療の期間・費用・薬は?

1. 子どもの心雑音の治療法や治療期間は?

心雑音の治療は、症状によって違いがあります。

1. 子どもに多い心室中隔欠損症

生まれつき左右の心室に穴が空いている先天性心疾患を、心室中隔欠損症といいます。

心室に穴が空いていることで、血液が流れ込んでしまい心雑音が聞こえます。

子どもの先天性心疾患の中でも、もっとも多い病気です。

2. 心室中隔欠損症の治療は?

心室中隔欠損症の治療は、穴の大きさによって治療方法が違ってきます。

穴が5mm以下の場合

穴が5mm以下と小さい場合は、2歳前後をめどに自然に閉じることが多いです。

この場合、治療をせずに経過観察をして様子をみます。

穴が大きい、チアノーゼなどの症状がある場合

穴が大きい場合や、小さくてもチアノーゼなどの症状がある場合は手術をします。

また、チアノーゼ以外の症状がでる場合もあります。

  • ミルクの飲みが悪い
  • 体重が増えにくい
  • 元気がない
  • 汗を異常にかく
  • など

手術は、穴の大きさに合わせてパッチを縫い付ける方法が主流となっています。

縫い付けられたパッチは、時間の経過とともに完全に心臓に同化していきます。

手術の成功率は100%近くあります。

3. 心室中隔欠損症の治療期間は?

心室中隔欠損症の治療期間は、穴の大きさや症状などによって違いがあります。

経過観察の場合

穴が小さく、手術をせずに経過観察をする場合、心臓の穴が閉じるまで病院で定期的に検査をします。

通常は半年に1回の割合で検査を受けます。

穴が閉じたことが確認されれば、治療は終了となります。

手術をした場合

心室中隔欠損症の手術をした場合も、慎重に過観察を続けます。

してもいい運動内容の設定など、細かいことを相談します。

個人差がありますが、通常は成人するまで1年に1回ほど定期検査をするケースが多いでしょう。

2. 心雑音の治療に使う薬は?

心雑音の治療に使う薬は、手術方法などによって違いがあります。

1. 心雑音の検査

心雑音の検査は、ほとんどの場合乳幼児に対しておこなわれます。

検査の内容は以下のとおりです。

  • 心電図
  • 心臓エコー
  • 胸部レントゲン
  • など

検査中はじっとしていなければなりませんが、乳幼児は中々難しいでしょう。

睡眠薬を使って眠らせてから検査をする場合がほとんどです。

2. 手術に使用される薬

手術に使用される薬は、手術内容によって大きな違いがあります。

麻酔薬

麻酔薬は心臓手術において欠かせない薬剤です。

心臓保護液

穴が大きい場合は、心臓を一時的に停止させる必要があります。

心臓保護液は、心停止中の代謝を抑え、低酸素状態に陥るのを防ぐ効果があります。

心臓保護液を使用することで、3~4時間は安全に心臓を停止させることができます。

心室中隔欠損症の手術は、重い場合でも2時間程度で終わるので問題ありません。

血液凝固剤

心臓の手術のあとに出血が止まらない場合がごくまれにあります。

この場合、血液凝固剤を使って出血を止める処置がおこなわれます。

カテーテルなどの器具

薬ではありませんが、穴を閉じるためのカテーテルや、心臓を一時的に停止したときのためのカテーテルバルーンなどの器具も使用されます。

3. 経過観察や術後に使用される薬

フロセミドなどの利尿剤

利尿剤を内服することで、血液の循環を助けます。

カプトプリルなど

体の血液の流れに対する抵抗を軽減する薬剤が処方されることもあります。

強心剤

術後は心臓の働きが少し弱まっている可能性があります。

強心剤を使用することで、心臓の働きを助けます。

3. 心雑音の治療、費用はどれくらい?

1. 機能性心雑音(問題のない心雑音)の場合

心雑音で何の異常がなかった場合(機能性心雑音)では、診察代や検査代がかかります。

子どもの医療費はかなり優遇されています。

自治体によりますが、無料~数千円程度ですむでしょう。

2. 先天性心疾患の場合

心雑音の原因が先天性心疾患などの心臓病であった場合、国や自治体から補助がでます。

先天性心疾患は次のような病気です。

先天性心疾患はは、国が定める「小児慢性特定疾患治療研究事業」の対象となっています。

小児慢性特定疾患治療研究事業とは?

先天性心疾患などの心臓病、小児がん、Ⅰ型糖尿病などの疾患が当てはまります。

治療期間が長く、長期的に経過観察をしなければならないので、医療費が高額になってしまいます。

子どもの健全な育成を目的として、疾患の治療方法の確立と普及、医療費の軽減につながるよう、医療費の自己負担を補助するものです。

小児慢性特定疾患研究事業はどのくらいの補助がでる?

生活保護世帯や、低所得者(市町村民税が非課税世帯)は、先天性心疾患の自己負担は0円になります。

それ以外は所得によって自己負担額が決められています。

入院や外来に対しても医療費が軽減されます。