赤ちゃんの尿路感染症とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 尿路感染症はこんな病気

おしっこの通り道(尿路)に、細菌やウイルスが感染して炎症を起こす病気です。

細菌感染は尿路の出口近くだけでなく、腎臓に達することもあります。

赤ちゃんや幼児が尿路感染症を繰り返すときは、尿路奇形が隠れていることもあります。

尿路感染のおもな治療は?

細菌が原因のことが多いので、抗菌薬を使わないと普通は治りません。

尿路感染症の男女比率は?

赤ちゃん時代は男の子に多い傾向があります。

学童以上になると、女の子のほうが尿路感染症を起こしやすくなります。

構造的におしっこの出口から膀胱までの距離が短い(尿道の短い)ためです。

2. 尿路感染症を引き起こす尿路の種類

尿路は、おしっこが出る管を指すと思われがちですが、それだけではありません。

尿路は4つの部位の総称となります。

1. 尿道

膀胱から、おしっこの出る管(外尿道口)までのことです。

尿道の長さは、成人男性の場合は15〜20cm、成人女性の場合は2.5〜4cmです。

尿路感染症になると、尿道炎を引き起こします。

2. 膀胱

腎臓から送られた尿を一時的に貯める袋状の器官です。

尿路感染症になると、膀胱炎を引き起こします。

3. 尿管

腎臓から膀胱に尿を送る管のことです。

4. 腎盂(じんう)

腎盂は腎臓の一部の器官です。

腎臓は、尿を作る腎実質と、尿を貯める腎盂の大きく2つに別れます。

腎盂は尿管と兼実質の間にあります。

腎盂が尿路感染になった場合、腎盂腎炎を引き起こします。

3. 尿路感染症のおもな種類

尿路感染症にも部位や症状により名称がいくつか別れます。

上部尿路感染症

腎臓から尿管の間に尿路感染が起きた場合です。

乳幼児では男の子に、学童期には女の子がかかりやすくなります。

上部尿路感染症のおもな症状としては以下になります。

  • 発熱
  • 炎症が起きている側の背中の痛み
  • 血尿
  • 嘔吐
  • 寒気

次に説明する、下部尿路感染症と合併することもあります。

下部尿路感染症

膀胱から尿道までに尿路感染症が起きた場合です。

幼児以降になると、尿道が短い女の子がかかりやすくなります。

下部尿路感染症のおもな症状としては以下になります。

  • トイレが近い
  • 下腹部や腰の痛み

膀胱尿管逆流

先天性の尿路の奇形により起こる症状の1つです。

尿路感染症を何度も引き起こす場合、膀胱尿管逆流の可能性が非常に高くなります。

尿が腎臓の方向に逆戻りすることで、尿路感染症を引き起こす原因となります。

症状が重い場合には、逆流防止のための手術を行う必要があります。

水腎症

腎臓から尿管の間にある腎盂が巨大化し、尿の通りが悪くなる症状です。

結果的に尿路感染症を引き起こす原因となります。

赤ちゃんで見つかる水腎症は先天性のものがほとんどです。

4. 何が原因で起こるの?

赤ちゃんの尿路感染症の原因は、全体の7割が大腸菌です。

おむつの中で大腸菌が繁殖しやすくなるためです。

また、便秘になると大腸菌も増えやすくなるため、注意が必要です。

夏場を中心に、アデノウイルスが原因になることもあります。

5. 尿路感染症の症状

1. 発熱

ほとんどの場合、赤ちゃんや年少幼児は発熱します。

38度前後の高熱が出ます。

熱が高いわりには、せきや鼻水などの風邪症状がないとき、低月齢の原因不明の発熱のときなどは尿路感染症の疑いがあります。

年長児以上だと熱は出ないこともあります。

2. 嘔吐、食欲不振、不機嫌

赤ちゃんや幼児の具合の悪さはなんとなく調子が悪い、いつもと様子が違うといった全般的な印象で現れます。

赤ちゃんや幼児は体調に正直なので、無理して食べたり、遊んだりはしません。

ママは熱の高さやせき・嘔吐など囗に見えやすい症状にとらわれず、いつもと比べての「食べる、寝る、顔つきなどの様子」を観察しましょう。

3. おしっこが濁っている

健康なときのおしっこは透明で、色は淡い黄色です。

おしっこが濁っている、色が濃い茶色、真っ赤なときは、何か変と考えたほうがいいでしょう。

尿酸塩を多く含むと赤っぽく見えることがありますが(おむつに赤いしみができる)、これは問題ありません。

4. おしっこの臭いが強い

おしっこの色だけでなく臭いが強い、いつもと臭いが違う場合、尿路感染症を疑いましょう。

6. どんな検査と治療をするの?

血液検査

上部尿路感染症の場合、血液中に細菌が増えます。

細菌が増えることで、血液中の白血球の数が増えます。

尿検査

尿の色だけでなく、顕微鏡で白血球や細菌の数を確認します。

尿タンパクの数値を確認する、尿を培養して細菌が増えるかを確認します。

抗菌薬で治療する

赤ちゃんや幼児の場合は、大腸菌など細菌が原因になっていることがほとんどです。

抗菌薬を飲ませて治療を行います。

症状がひどいときは点滴で入れることもあります。

尿路感染症を繰り返す場合

先天性の尿路奇形が原因になっている可能性があります。

必要に応じて、超音波検査、MRIやCT検査、尿路の造影検査、腎シンチグラムなどを行います。

7. 尿路感染症のホームケア

水分補給を十分に

たっぷり水分を与えて、おしっこをたくさん出させるようにするといいでしょう。

また、発熱すると脱水気味になるので、その意味でも水分補給が重要です。

抗菌薬を服用する

約1週間〜10日間、抗菌薬を服用させます。

医師の指示があるまで、抗菌薬の服用をやめないようにしましょう。

便秘にならないようにする

便秘になると尿路感染症の大腸菌が増えます。

おしっこだけでなく便の様子もチェックしましょう。

おむつをこまめに変える

尿路感染症は大腸菌が原因です。

おむつをこまめに変えて、清潔にすることがたいせつです。

おしりの拭き方も手前ではなく、後ろの背中側に向かって拭きましょう。

海やプールはしばらく控える

大衆浴場も含め、雑菌が多く繁殖している、海やプールは感染予防のため、しばらく控えましょう。

いつから保育園に行けるの?

熱が下がり医師から許可が出たら、保育園に行くことができます。

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8. 先輩ママの「うちの子の尿路感染症体験談」

千葉県・1才11ヵ月の男の子・あっくんママより

6ヵ月のとき、発熱してだるそうにしていました。

小児科へ連れていったら、大きな病院を紹介され、そのまま入院。尿路感染症で、飲み薬と点滴で治療しました。

ちょうど寝返りができるようになったころで、ベッドから落ちないかと目が離せません。

2週間で退院できましたが、おむつがはずれるころまでは再発するかもしれないので、定期的に病院で診てもらうようにと言われ、定期検査に通っています。

引用元:尿路感染症で2週間の入院。繰り返しやすいことが心配

東京都・2才の男の子・しょう&こうのママより

夜10時ごろおっぱいを飲ませていたら、生後2ヵ月の息子の囗が妙に熱い・・・熱を測ったら38度。

3才のお兄ちゃんは風邪っぽい、パパは出張中、母乳を飲んだら寝てしまったし「まあいいか」と様子を見ることにしました。

11時ごろもう一度測ると38.5度、心なしかぐったりしています。

あわてて夜間救急外来ヘタクシーで連れていきました。尿路感染症と診断され、3日間入院しました。

引用元:生後2ヵ月で発熱し、夜間救急へ。尿路感染症でした