赤ちゃんの心雑音とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 心雑音はこんな病気

心臓に聴診器を当てると、心臓が収縮して血液を送り出すときの音や、拡張して血液を受け入れるときの音、そしてそれを調節するために弁が閉じる音などが聞こえます。

心雑音は心音に「ザー、ザー」というような雑音が混じることをいいます。

心雑音は心臓が正常な場合にも聞こえることがありますが(機能性心雑音)、先天性心疾患が原因のこともあります。

2. 心臓のしくみ

心臓は全身に血液を送り出すポンプのような臓器です。

1. 心臓のつくり

心臓の内部は、4つの部屋に区切られています。

  • 左心室
  • 右心室
  • 左心房
  • 右心房

心房と心室の間には弁があり繋がっていますが、心室から心房へは血液が流れないようになっています。

心房どうし・心室どうしは壁で区切られています。

心臓全体は、心筋とよばれる特殊な筋肉でできています。

2. 心臓の動き

左心室と左心房のはたらき

左心房には肺から取り込まれた新鮮な血液が貯蔵されています。

左心房から左心室へ流れ込んだ血液は、心筋が収縮すると大動脈の弁が開き、全身に血液が送り出されます。

右心室と右心房のはたらき

全身から戻ってきた血液は、二酸化炭素が多く含まれておりひとまず右心房にためこまれます。

右心房から右心室へ血液が流れ込み、心筋が収縮すると右心室から肺へと流れます。

二酸化炭素だけが肺をとおして体外に排出され、酸素を取り込み左心房へと流れます。

3. 心雑音はいつ発見される?発見されたら?

1. 心雑音は病院や健診でみつかる

心雑音は、家庭でみつかることはまずありません。

医師が心臓に聴診器を当ててはじめて分かります。

  • 体調を崩して小児科を受診したとき
  • 3・4か月健診、1歳半健診、3歳半健診
  • 就学前健診
  • など

2. 心雑音が発見されたら?

心雑音の原因を特定するため、大きな病院で検査を受けます。

  • 心電図
  • 心臓エコー
  • 胸部レントゲン撮影
  • など

検査を受ける時、赤ちゃんは中々じっとすることができません。

睡眠薬を使用し眠らせてから検査をする場合がほとんどです。

4. 機能性心雑音について

赤ちゃんにみられる心雑音のうち、約半数が心臓に問題のない機能性心雑音です。

機能性心雑音には種類があります。

1. 心臓には2種類の動きがある

心臓には2つの動きがあります。

  • 収縮
  • 拡張

収縮期

血液を全身に送り出すとき、心臓は収縮します。

これを収縮期とよびます。

拡張期

二酸化炭素を含む血液を心臓にためこむとき、心臓は拡張します。

これを拡張期とよびます。

2. 機能性心雑音は収縮期に起こる

心臓が収縮するとき、肺から酸素を取り込むため肺動脈弁が開きます。

機能性心雑音の多くは、肺動脈弁が音源と考えられています。

収縮期に起こる機能性心雑音は、乳幼児や健康な若者に多くみられます。

3. 血管の振動音が雑音として聞こえる

赤ちゃんは大人に比べて血液の流れが速く、心拍数も早くなります。

大人の心拍数は1分間に60~80回、幼児は約100回、乳児では約120回ほどです。

このため、赤ちゃんの血管の振動音が雑音として聞こえるケースが多くみられます。

4. 心膜の雑音

心臓の左心室は全身に血液を送り出す働きがあるため、ほかの部屋に比べて心筋(心臓の筋肉)が厚くなっています。

乳幼児は心臓の筋肉と胸の厚みが薄いので、心臓を包む心膜の振動が雑音として聞こえることがあります。

5. 問題のある心雑音について

心臓の雑音が何らかの心臓の異常によって起こっているものを、器質性心雑音といいます。

器質性心雑音の多くは先天性の心臓病(先天性心疾患)で起こります。

先天性心疾患はさまざまあります。

また、先天性心疾患のほかにも、ウイルスや細菌が心臓に入ることで心臓が炎症を起こし、心雑音が聞こえる場合もあります。

1. 心房中隔欠損症

心房中隔欠損症の症状

左右の心房は、壁で区切られています。

心房中隔欠損症とは、この壁に穴が開いている状態です。

この穴を通じて、酸素を多く含んだ血液が左心房から右心房に流れこみます。

このため、全身に送られる血液が不足してしまいます。

症状がない全く場合と、チアノーゼなどがみられる場合があります。

心房中隔欠損症は心雑音が弱いため発見が遅れがちです。

心房中隔欠損症の治療

穴の大きさによって治療の内容は違ってきます。

穴が小さな場合、心臓にカテーテルを入れて穴を閉じます(アンプラッツアー法)

穴が大きくカテーテル治療で対応出来ない場合、手術をして穴を閉じます。

穴が小さい場合、自然に閉じることがあるので手術せずに様子をみることがあります。

2. 心室中隔欠損症

心室中隔欠損症の症状

心室も、左右が壁で区切られています。

この壁が先天的な原因により穴が開いていると、血流の異常をきたしてしまいます。

穴が小さい場合は症状がない場合もありますが、重度の場合はチアノーゼがみられることがあります。

心房中隔欠損症と比べると心雑音がはっきり聞こえるため、新生児のうちに発見しやすい病気です。

心室中隔欠損症の治療

心房中隔欠損症と同じく、穴の大きさによって手術の方法が違います。

穴の大きさが5mm以下と小さい場合、2歳頃までに自然に閉じることがあるため、手術をせずに様子をみる場合もあります。

穴が大きい場合、外科手術をして治療します。

3. 肺動脈狭窄症

肺動脈狭窄症の症状

右心室につながる肺動脈の一部が狭くなっているため、右心室に負担がかかってしまう病気です。

先天性心疾患の約10%にみられます。

軽症の場合は症状がないケースが多いです。

重症の場合はチアノーゼを起こしたり、ミルクの飲みが悪くなったりします。

肺動脈狭窄症の治療

以前は手術による治療が主流でしたが、現在はカテーテルで治療します。

専用のカテーテルを肺動脈の弁の位置にもっていき、バルーンを膨らませます。

狭くなってしまった弁を広げることに成功すると、治療は完了です。

3. 心臓にウイルスや細菌が入った場合

先天性心疾患以外に、心臓にウイルスや細菌が入って炎症を起こしてしまうケースがあります。

それが心雑音となって聞こえることがあります。

この場合、早急に治療をしないと命に関わることがあります。

ただ、心臓にウイルスや細菌が入った場合は、心雑音の他にもさまざまな症状がでていることが多いです。

6. 先輩ママの「うちの子の心雑音体験談」

東京都・2才2ヵ月の女の子・プリンちゃんママより

1才6ヵ月健診を受けたときに、心雑音と診断されて大学病院を紹介されました。

精密検査では、じっとさせておくために睡眠薬を飲ませて、心電図検査やX線検査をしました。

検査を受けることもかわいそうでしたし、結果が出るまでの数日はとても不安でしたが、心配のない機能性心雑音とのことでほっとしました。

現在は、半年に1回検診に通っています。

引用元:1才6ヵ月健診で心雑音があり、検査しました

東京都・1歳3か月の男の子・たくちゃんママより

出生後の入院中に心雑音を指摘され、1か月健診で再度来て下さいと言われ受診しました。

その時は心雑音が聞こえなかったのですが、念のため大学病院を紹介され受診しました。

心臓エコーをとってもらった結果、心室中隔欠損症という先天性心疾患と診断されました。>

先生には「新生児にはよくあることだよ」と言われましたが、不安でたまりませんでしたが、うちの子の場合1mm程度の小さな穴だったので、自然に閉じることもあるし、もし閉じなくても問題はないとのことでした。

1歳3か月の今も閉じていませんが、心疾患によくあるチアノーゼを起こすこともなく元気いっぱいの赤ちゃんです。

今は定期的に病院で検査をしています。

引用元:心室中隔欠損症と診断されましたが、問題ありませんでした

大阪府・1歳5か月の女の子・メイちゃんママより

生後4日目で心雑音があるということで検査した結果、心臓に穴が空いている病気(心室中隔欠損症)と診断されました。

赤ちゃんの先天性心疾患のひとつで、穴が空いていることはよくあるそうです。

小さな穴の場合はほとんど自然に閉じるそうですが、うちの子は大きい穴だったため手術をしました。

手術方法は心室どうしの壁にカテーテルを入れて穴をふさぐというものでした。

ミルクの飲みが悪い・チアノーゼ・体重の増えが悪い・異常に汗をかくといった症状がでましたが、手術が終わってからは、体重も順調に増え、チアノーゼなどの症状もなくなりほっとしました。

今でも半年に1回検査に行っていますが、特に異常はありません。

引用元:心室中隔欠損症といわれ、手術しました