赤ちゃんの急性脳炎・急性脳症とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. 急性脳炎/急性脳症はこんな病気

赤ちゃんがウイルスや細菌に感染後、脳の中で増殖して中枢神経に障害が出る病気です。

意識障害やけいれんをはじめ、頭痛や嘔吐の症状が出ます。

脳にダメージが出るため、てんかんや知的障害、全身麻痺といった後遺症が出ることもあります。

命にもかかわるため、病院にすぐに連れて行く必要があります。

2. 急性脳炎/急性脳症の原因

急性脳炎と急性脳症は同じものなの?

昔はわけられていましたが、現在はひとくくりで扱われています。

急性脳炎は、脳内でウイルスや細菌が増殖し、それで起こる脳の炎症です。

急性脳症は、脳以外でウイルスや細菌が増殖し、結果として脳に障害が出る症状です。

ウイルスや細菌が増殖する位置が違うだけで、症状としては同じです。

脳内にどうやって感染するの?

脳は血管から有害な物質を脳内に取り込まないように、血液脳関門というバリアがあります。

脳は血液から酸素や栄養を取りますが、血液脳関門により取り込める物質をフィルタリングしています。

ウイルスや細菌が血液に入り込んでも、血液脳関門のバリアにより急性脳炎/急性脳症は本来起こりません。

しかし、免疫力が弱っている場合、赤ちゃんのように脳の機能が未熟な場合、急性脳炎/急性脳症になるリスクがあります。

急性脳炎/急性脳症が起こる年代は?

2004〜2007年の調査によると、全年代で690症例あります。

その中でも0〜9才が過半数を占め、344症例あります。

0才が53症例、1才が78症例、2才が48症例と、3歳未満でほぼ過半数を占めています。

急性脳炎/急性脳症にかかる確率は?

先の年代別でわかるように、急性脳炎/急性脳症にかかる確率は低くなっています。

しかし、急性脳炎/急性脳症が出ると、脳が原因の後遺症のリスクが非常に高くなります。

急性脳炎/急性脳症にならないように、事前の対策や予防がたいせつです。

3. 急性脳炎/急性脳症を引き起こすウイルスや細菌は?

多い順番に並べますと、最も多いのがインフルエンザで、全体の25%を占めています。

2番目にHHV-6(突発性発疹症)で、全体の11%を占めています。

3番目にロタウイルスで、全体の4%を占めています。

その他のウイルスや細菌として、麻疹、風疹、水痘百日ぜき菌などたくさんあります。

急性脳炎/急性脳症を引き起こすウイルスや細菌のうち、感染の多い3つを紹介します。

1. インフルエンザ

インフルエンザのピークは、1〜3月です。

38度以上の高熱が出て、せきや鼻水、食欲不振を起こします。

水分をこまめに取り、人混みの多いところを避けるようにしましょう。

2. HHV-6(突発性発疹症)

ヒトヘルペスウイルス6の略称です。

感染すると38度以上の高熱が3日間出ます。

熱が下がると、体中にブツブツができます。

症状が重くなると、まれに急性脳炎/急性脳症を引き起こします。

3. ロタウイルス

ロタウイルスの多くは、生後6ヶ月〜2才に多くかかります。

急性胃腸炎を引き起こすウイルスで、2〜3月がピークです。

一度感染すると、以降は軽症で済む場合がほとんどです。

4. 急性脳炎/急性脳症の症状

急性脳炎/急性脳症は、脳の中枢神経に影響が出ます。

インフルエンザなどに感染後、以下のような症状があらわれたら、注意が必要です。

1. 意識障害

意識障害のおもな症状は下記になります。

  • 白目になり意識がなくなる
  • 声をかけて呼んでも目を開かない
  • ぼんやりした感じでぐったりしている
  • 元気がなく、そのうちうとうとする
  • 急に奇声を上げる、意味不明な発言をする

2. けいれん

5分以上のぶるぶる震えるけいれんが続く場合、注意が必要です。

3. 嘔吐

吐き終わってもぐったりしています。

吐いたものが気道に詰まらないように、顔を横に向かせましょう。

4. 高熱

40度近い高熱が出ている場合、注意が必要です。

インフルエンザで高熱が出てから、24時間以内に急性脳炎/急性脳症の症状があらわれるリスクが高まります。

5. 後遺症

脳や中枢神経にダメージが出るため、後遺症が残ることがあります。

てんかん、知的障害、筋力の低下や全身麻痺などがあらわれることがあります。

5. 急性脳炎/急性脳症の治療&ケア

急いで病院に行く、救急車を呼ぶ

急性脳炎/急性脳症の対応が遅れると、運動障害や知的障害の後遺症が残ります。

意識障害やけいれんがあらわれて、ママやパパがパニックになることもあります。

まずは、ママやパパが落ち着いて、病院へ行く、救急車を呼びましょう。

入院の必要性はあるの?

入院が必要となります。

急性脳炎/急性脳症の症状を抑えながら、ウイルスや細菌に対する治療を行います。

ほかには中枢神経の障害のダメージを軽減させるため、体を冷やす低体温療法を用いることがあります。

処方される薬について

1. 脳圧降下剤の点滴

脳浮腫(むくみ)が起きているので、脳圧を下げて浮腫を取ります。

ほかには、ステロイドパルスと呼ばれる治療法があります。

ステロイドを点滴して、脳浮腫と急性脳炎/急性脳症を抑える効果があります。

2. 抗ウイルス薬・抗菌蘂

原因になっているウイルスや細菌に対する薬を投与します。

そのほかに、ステロイド剤を使用することもあります。

3. 抗けいれん薬

けいれんがある場合に処方されます。

4. 座薬

熱を下げるのに用いられることがあります。

急性脳炎/急性脳症を未然に防ぐには?

インフルエンザやはしか、水ぼうそうなどは、予防接種により予防や軽減ができます。

赤ちゃんの予防接種ができる時期になったら、早めに受けることをおすすめします。

予防接種代を助成してもらえる自治体もあるため、確認しましょう。

また、水分をこまめに取る、うがいや手洗いなどをして、ウイルスや細菌に感染しないことがたいせつです。

6. 先輩ママの「うちの子の急性脳炎/急性脳症体験談」

千葉県・1才6ヵ月の女の子・LOママより

1才4ヵ月のときに、突発疹で、40度の熱が2日続いた夜に、急に顔色が青くなり、口を真一文字に閉ざして、目の焦点が合わなくなってヒクヒクし始めました。

救急車を呼んでいる間も搬送中も止まらず、30分けいれんが続き、そのまま入院しました。

MRIの検査などで、脳症のためけいれんを起こしていると言われました。

たびたびけいれんを起こすので、けいれん止めを2種類投与し、ステロイド薬を点滴していました。

腕が点滴のためにパンパンに腫れてかわいそうだし、24時間けいれんを起こさなくなるまで母乳も飲ませられず、つらい入院でした。

2週間後、退院し、予防薬のタイアップが出されました。

原因は突発疹ウイルスによる急性脳症で、その後遺症で障害が出るかもしれないし、定期的に脳波検査も受けないといけません。

発熱時にはけいれんを起こすかもしれないと心配です。

病院の先生や看護師さんが皆さん親切で、入院中も定期検査の際もていねいだし、「何かあったらいつでも来てください」と言ってもらえるので、安心できます。

引用元:ウイルス性脳症によるけいれん。どうなることかと、オロオロ