赤ちゃんのヒルシュスプルング病とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. ヒルシュスプルング病はこんな病気

大腸にある神経節細胞の欠損により起こる病気です。

神経節細胞が欠損すると、便をスムーズに肛門に運ぶことができなくなります。

結果として、うんちがでない、頑固な便秘となります。

命にも関わるため、早めの治療や対応が必要となります。

2. ヒルシュスプルング病の原因

大腸の神経節細胞の役割は?

一言で説明すると、センサーの役割を持っています。

小腸から食べ物が送られると、神経節細胞が働き、直腸や肛門方向へ送り込む、ぜん動運動が起こります。

そして、直腸や肛門に便がある程度たまると、肛門を開く命令を出します。

ヒルシュスプルング病で神経節細胞が欠損すると、ぜん動運動を起こすことができず、便秘になってしまいます。

ヒルシュスプルング病の発症する確率は?

5,000人に1人の割合で見られ、難病に指定されています。

男の子に多いといわれています。

ヒルシュスプルング病はどうして起こるの?

現時点において、ヒルシュスプルング病が起きる原因はわかっていません。

遺伝子の異常で起きることが、現時点で判明しています。

ヒルシュスプルング病は先天性の病気なの?

乳幼児に多く発症することから、先天性の病気となります。

妊娠時に大腸の神経節細胞に何らかの異常が起きて、ヒルシュスプルング病が発症するといわれています。

大腸の神経節細胞が一度欠損すると、復活することはないため、完治することはありません。

成長してからヒルシュスプルング病が発見されることは?

ヒルシュスプルング病は、先天性の病気です。

しかし、ヒルシュスプルング病の症状が軽い場合、乳幼児で発見できないこともあります。

成長してから症状が重くなり、そこでヒルシュスプルング病と気づくこともあります。

ヒルシュスプルング病を併発しやすい病気や症状はあるの?

現時点において、下記の2つの病気や症状がわかっています。

ダウン症

遺伝子や染色体の異常により起こる病気です。

ヒルシュスプルング病も遺伝子などの異常が起こるため、併発する確率が高くなります。

モワット・ウィルソン症候群

腸管の神経節細胞や脳神経、中枢神経に異常が出る病気です。

1,000〜1,500人に1人発症するといわれ、難病に指定されています。

3. ヒルシュスプルング病に類似する病気や症状

おもな病気や症状は下記の2つです。

医師に診断してもらうことで、判断することができます。

神経節細胞僅少症

腸管全体の神経節細胞が非常に少ない症状です。

ヒルシュスプルング病との違いは、神経節細胞があるか、ないかの違いです。

ヒルシュスプルング病の場合には、神経節細胞が完全に欠損している状態です。

神経節細胞未熟症

腸管全体に神経節細胞はあるものの、発達していない状態の症状です。

成長するとともに神経節細胞が発達し、神経節細胞未熟症が緩和されることもあります。

ヒルシュスプルング病の場合には、成長しても神経節細胞が形成されることはありません。

4. ヒルシュスプルング病の症状

以下のような症状が出ましたら、早めに病院で診てもらいましょう。

1. 胎便が出ない

生まれて24時間たっても、胎便(真っ黒なうんち)が出て来ません。

2. 嘔吐

胆汁の色が混じった、緑色の汁を吐きます。

3. 慢性的な頑固な便秘

慢性的に便が出にくくなってしまいます。

大腸のぜん動運動が起こらないため、便を直腸や肛門に送り出すことができません。

4. おなかが張る

おなかを触ると、張って固くなっているのがわかります。

便だけでなく、おならも排出することができないためです。

5. 下痢

便秘のあと、悪臭のする泥状の下痢が出ます。

6. 体重の減少

食欲がなく嘔吐を繰り返すため、栄養を補給できません。

ヒルシュスプルング病が見過ごされることはあるの?

重症例は産院で気づかれることがあります。

しかし、大腸の神経節細胞が欠損している場合、見過ごされることもあります。

単なる便秘と思われ、浣腸で済まされることもあります。

どの病院で診てもらえるの?

まずはかかりつけの病院や小児科で相談してみましょう。

症状により、他の大学病院などを紹介されることもあります。

5. ヒルシュスプルング病の検査

おもな検査方法としては、下記があります。

レントゲン検査

肛門からチューブを挿し、大腸や直腸に造影剤を送り込み、検査する方法です。

直腸肛門内圧検査

肛門付近にセンサーを取り付けます。

肛門に力を入れたときと、入れないときの圧力を検査します。

直腸粘膜生検

直腸の粘膜の一部分を取り出します。

取り出した粘膜を顕微鏡で確認します。

6. ヒルシュスプルング病の治療

ヒルシュスプルング病の症状により、治療法が異なります。

おもな治療法としては、下記があります。

1. 人工肛門の取り付け

重症の場合に用いられる方法です。

ミルクや母乳を飲んでも吐いてしまうため、人工肛門をつける手術をします。

2. 機能しない腸管の摘出手術

体重6~7㎏になってから、神経節細胞のない大腸部分を切除して、正常な腸を肛門まで降ろしてつなぐ根治術をします。

人工肛門をつけた場合、浣腸をすればうんちが出るような場合に用いられる方法です。

3. 経肛門的手術

S字結腸までの手術では、肛門からのアプローチによる手術が行われています。

腹腔鏡を併用することもありますが、おなかを切らないので赤ちゃんへの負担が少なくてすみます。

4. 排便管理

手術後は外来に通院して、排便管理の指導を受けます。

浣腸や下剤を使って、毎日定期的にうんちが出るように習慣づけます。

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7. 先輩ママの「うちの子のヒルシュスプルング病体験談」

愛知県・2才2ヵ月の女の子・メレナママより

卒乳する1才7ヵ月までは、うんちは緩めで規則正しいリズムでした。

それが1才11ヵ月の夏、便秘に。

水分はよくとっていたし、そのうち出るだろうと軽く考えていたら、6日間も出ていませんでした。

時々便意はあるようでしたが、おなかがかたくて張ってつらそうです。

病院で浣腸と摘便をしてもらい、下剤を出されました。

排便リズムが安定するまで、水分をとりながら薬でコントロールしましょうとのことでした。

早く気づいてあげればよかったと反省。

引用元:6日間うんちが出ない!おなかが張つてつらそう

東京都・1才6ヵ月の女の子・みどりちゃんママより

娘が9ヵ月のころ。

離乳食が3回食になったせいもあるのか、うんちが出ない日が続きます。

4日目に病院で浣腸してもらったのですが、その後も出にくく、再度かかった病院で綿棒浣腸を教えてもらいました。

2日出なければ綿棒浣腸しました。

水分をとるようにと言われたのですが、おっぱい大好きで、ストローマグなどは嫌がります。

コップで飲めるようになって、3回食にも慣れたころに自然に便秘もしなくなりました。

引用元:便秘で浣腸することに。水分補給が大変でした