赤ちゃんの神経皮膚症候群とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 神経皮膚症候群はこんな病気

中枢神経に腫瘍ができる、または皮膚にあざ(母斑)などができる病気です。

脳や神経の病気のため、てんかんや知的障害、運動障害などを引き起こします。

神経皮膚症候群の代表的な病気は、以下の3つです。

  • 結節性硬化症
  • スタージ・ウェーバー症候群
  • レックリング・ハウゼン病(神経線維腫)

上記3つの病気に関しては、この先で詳しく説明していきます。

2. 結節性硬化症はこんな病気

皮膚の表面だけでなく、脳や心臓、肺や腎臓など、さまざまな臓器に腫瘍ができる病気です。

腫瘍の出る位置により、症状のあらわれかたが異なります。

また、結節性硬化症と診断されても、必ずしも病気が発症するとはかぎりません。

結節性硬化症の発症確率

1〜1万5,000人に対し、1人の割合で発症します。

男女差に違いはありません。

おもに先天性が多く、5才未満で8割が発症しています。

突発的に発症する割合が多く、遺伝による発症は3割程度です。

結節性硬化症の原因

遺伝子の異常によって起きることがわかっています。

人間には23対の遺伝子で形成されています。

その遺伝子のうち、9番と16番に異常が起こることで、結節性硬化症を発症します。

腫瘍ができるのを抑える、TSC1遺伝子とTSC2遺伝子の働きが弱いことで発症します。

結節性硬化症の症状

腫瘍ができる部位により、あらわれる症状が変わります。

てんかんのほかに、発達障害や知的障害、自閉症などがあらわれます。

リンパ脈管筋腫症(LAM)があらわれます。

LAM細胞と呼ばれる細胞が肺に増えます。

肺に穴があき、呼吸不全などの症状があらわれます。

腎臓

腎臓が腫瘍で大きくなる、腎病変(腎AML)などの症状があらわれます。

心臓

心臓に腫瘍ができる、心横紋筋腫の症状があらわれます。

網膜に腫瘍ができる、網膜過誤腫の症状があらわれます。

顔や皮膚

赤みをおびたボツボツが出る、血管線維腫の症状があらわれます。

また、白斑と呼ばれる白いあざがあらわれます。

結節性硬化症の診断

遺伝子に異常が出るため、遺伝子検査で診断する方法があります。

ほかには上記症状から、CT検査やMRI検査などで腫瘍を確認します。

脳に腫瘍ができると、白っぽく石灰化した部分が見られます。

結節性硬化症の治療&ホームケア

症状にあわせて、薬物療法や治療法、食事療法やリハビリ療法が異なります。

また、腫瘍を増やすmTORを阻害する、mTOR阻害薬を服用することもあります。

遺伝子の異常のため、根本的な治療はできません。

また、年齢が上がるに連れて、出てくる症状も変わることもあります。

継続的な治療や診察が必要となります。

3. スタージ・ウェーバー症候群はこんな病気

おもに頭部に起こる、血管腫と呼ばれる血管の腫瘍による病気です。

顔などの皮膚表面は、赤いあざができる、脳に起こると、てんかんやマヒなどが起こります。

スタージ・ウェーバー症候群の発症確率

5〜10万人に1人発症するといわれています。

先天性の病気で、家族からの遺伝性はありません。

日本には1,000人ほどいるといわれています。

スタージ・ウェーバー症候群の原因

遺伝子の異常が原因で、スタージ・ウェーバー症候群が発症するといわれています。

しかし、現時点において、まだはっきりとしたことはわかっていません。

スタージ・ウェーバー症候群の症状

おもに頭部に症状があらわれます。

部位により症状が異なります。

赤いあざができます。

ポートワイン母斑と呼ぶことがあります。

てんかんやマヒ、知的障害などの発達障害が起こります。

緑内障などの視力障害が起こります。

スタージ・ウェーバー症候群の診断

スタージ・ウェーバー症候群は3つのタイプで診断します。

  • 1型:顔のポートワイン母斑と脳に血管腫が出た場合
  • 2型:顔のポートワイン母斑のみでほかに異常がない場合
  • 3型:脳の血管腫のみでほかに異常がない場合

より精密に診断するため、CT検査やMRI検査で脳の腫瘍を確認します。

スタージ・ウェーバー症候群の治療&ホームケア

スタージ・ウェーバー症候群の症状により、治療方法が異なります。

てんかんがあらわれた場合、抗けいれん薬を服用します。

緑内障の症状が出ている場合、手術で治療することもあります。

年齢とともに症状も変わる、または進行することもあるため、長期に治療や経過観察が必要となります。

4. レックリング・ハウゼン病(神経線維腫)はこんな病気

薄い茶色のカフェオレ斑と呼ばれるあざがたくさんできます。

また、神経線維に腫瘍ができると、てんかんや知的障害などを起こすことがあります。

レックリング・ハウゼン病の発症確率

3,000人に1人発症するといわれています。

先天性の病気です。

日本には40,000人ほどいるといわれています。

突発性の発症と遺伝の確率は、50%です。

レックリング・ハウゼン病の原因

遺伝子の異常により、レックリング・ハウゼン病を発症します。

遺伝子のうち、17番目の染色体に異常が出ることがわかっています。

細胞の増殖を抑制するはたらきが弱く、結果として腫瘍ができます。

レックリング・ハウゼン病の症状

カフェオレ斑

薄い茶色のシミが体中にできます。

カフェオレ斑の大きさや、あらわれる部位もさまざまです。

神経線維腫

赤ちゃんのときには、あまり見られません。

思春期を迎えることになると、徐々に腫瘍が増えます。

出る部位は、さまざまで臓器に出ると、機能障害があらわれます。

また、脳に出ると、てんかんや知的障害といった症状があらわれます。

レックリング・ハウゼン病の診断

カフェオレ斑や腫瘍を見て診断します。

レックリング・ハウゼン病の治療&ホームケア

カフェオレ斑が出ている場合、必要に応じてレーザー治療を行います。

また、腫瘍に関しては見た目の問題があるため、医師と相談のもと切除する場合もあります。

てんかんや知的障害、骨や臓器に異常が出ている場合、それにあわせた治療方法を行います。

遺伝子レベルの病気のため根治が難しく、長期的に治療や経過観察が必要となります。

5. 先輩ママの「うちの子の神経皮膚症候群体験談」

兵庫県・6ヵ月の女の子・あきちゃんのママ

娘には、生まれたときからカフェオレ斑があります。

全身に6個以上あるようです。

気がかりだったので、4ヵ月健診のときに質問すると最初は「両親に症状がなければ大丈夫ですよ」と言われました。

「カフェオレ斑ではありませんか?」と聞くと、「小児の場合5mm以上のものが6個以上あったら神経線維腫I型の可能性があります。ただ、どんなに調べても治らないものは治らないんですよ。それよりも、この子の心を豊かに育てることがたいせつですよ」と小児科医の先生は説明してくださいました。

産科では生まれた時にどうして教えてくれなかったのかなと思いましたが、絶対に発症するという病気ではないそうなので、先生は心配させまいとして言わなかったのかもしれません。

もしもこの先、神経線維腫I型が発症しても、へこたれてはいけませんね。

親も子も前向きになろうと思います。

引用元:神経線維腫I型の可能性がありましたが、先生の説明に納得しています