赤ちゃんのウイルス性胃腸炎とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. ウイルス性胃腸炎ってどんな病気?

おなかの風邪

ウイルス性胃腸炎というのは、いわゆる「おなかの風邪」のことです。

ウイルスに感染することで嘔吐や下痢といった症状が引き起こされる病気です。

ウイルス性胃腸炎

胃腸炎自体は、細菌に感染することでも引き起こされますが、乳幼児の場合はほとんどがウイルス性胃腸炎です。

「おなかの風邪」という表現の通り、嘔吐や下痢、腹痛が主な症状で、脱水状態にならないよう気をつければ数日ほどで回復していきます。

2. ウイルス性胃腸炎の原因とは?

原因ウイルス

ウイルス性胃腸炎は、ロタウイルス、ノロウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスといったウイルスに感染することで発症します。

短く「ロタ」や「ノロ」と呼ばれることもあり、ニュースなどで耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

ウイルスごとの対応の違いはない

感染したウイルスの種類によって、現れる症状や重篤さには違いがあります。

どのウイルスに感染したのか判別するのは難しいのですが、季節や流行状況、症状の出方などである程度推察することが可能です。

治療やケアの方法は同じなので、医療機関を受診しても原因ウイルスを調べるとは限りません。

3. ウイルス性胃腸炎の症状とは?

ウイルス性胃腸炎の症状として主なものは、嘔吐、下痢、腹痛が挙げられます。

気をつけなくてはいけないのが、嘔吐や下痢による脱水です。

特に、月齢の小さな子どもほど脱水になりやすいので、注意が必要です。

嘔吐

吐く頻度と量

嘔吐回数や量は個人差が大きく、同じウイルスに感染しても人によって症状の重さなどは異なります。

それまでは元気に過ごしていたのに、急に嘔吐するといったケースもあります。

吐くことの影響

嘔吐した後に「すっきり」として気分が良くなるといったことはなく、吐き気が続いたり腹痛を感じることも多くあります。

多くの場合、嘔吐するとその後も吐いてしまいますが、一度でおさまる場合や、吐き気がするだけで実際には嘔吐しないというケースもあります。

下痢

便の状態

便の状態(色・匂い・回数)にも個人差があります。

いつもより「ゆるい」と感じる程度から、ほとんど水のようなものまでさまざまです。

便の状態と原因ウイルスの関係

ウイルス性胃腸炎で起きる下痢の場合、色で原因ウイルスを判断することもあります。

ただし、ウイルス性胃腸炎からくる下痢で腐敗臭があったり血液・朧が混じるというケースはほとんどないので、これらの症状が見られたときはすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

発熱などの風邪症状

ウイルス性胃腸炎が原因で発熱したり、鼻水やせきといった風邪に似た症状が出ることもあります。

これらの症状だけで「風邪」と自己判断しないようにしましょう。

発熱がみられる場合は、熱の高さや上がり具合、他の体の具合などもチェックしておくと安心です。

腹痛

月齢の小さな赤ちゃんはお腹が痛くても言葉で表現できないので、親が普段との様子の違いから体調をチェックしてあげる必要があります。

乳児の体調チェック

  • おむつ替えをしてミルクもあげたのに、機嫌が悪かったり泣いたりする
  • お腹がすいているはずなのにミルクや母乳を飲まない
  • いつもより寝る時間が長くて元気がない

といった場合は要注意です。

幼児の体調チェック

幼児の場合は、仮に自分で「おなかが痛い」と言うことができても、実際はお腹から多少ずれた部分やほかの部分が痛いということがあります。

特に、言葉を覚えたての子どもは、上手く自分の感覚を言葉にできない場合も多いです。

実際に触れて、「ここが痛いの?」と確認しながら痛い部分を判断しましょう。

脱水

脱水症状の危険性

繰り返し下痢や嘔吐が続くと、体の水分と電解質が大量に失われやすくなります。

特に体の小さい乳幼児は脱水になりやすく、全身の状態があっという間に悪くなってしまうことがあります。

脱水症状のチェック

以下の症状がみられた場合、知らず知らずのうちに脱水が進んでいる可能性があるため、夜間でも救急外来を受診することをおすすめします。

排泄物・分泌物の状況
  • 1日に6回以上の下痢をする
  • いつもよりおしっこが出ていない
  • 泣いているのに涙が出ない
  • 嘔吐が止まらず水分補給が一切できない
様子の変化
  • 目が落ちくぼんできた
  • ずっとウトウトしていていて元気がない
  • 意識がはっきりしない
  • 触ると皮膚が冷たく、血色が悪い

4. 治療とホームケア

ウイルス性胃腸炎を治す薬はない

ウイルス性胃腸炎を治すための薬というのは基本的にありません。

出ている症状を和らげるための対症療法が原則となります。

ウイルス性胃腸炎は自然に治るものがほとんどで、通常は1週間前後で回復に向かいます。

薬による対症療法

嘔吐や下痢が続くと、親としては何とか症状がおさまってほしいと思いがちです。

しかし、嘔吐や下痢などの症状は、ウイルスを体の外に出そうとする体の防御反応なのです。

症状が続くとからだへの負担も大きいので、以下の薬を適宜使用します。

ただ、薬を使用すると回復が遅れやすいので、必ず病院に行き、医師の指示にしたがってください。

整腸剤

整腸剤は、下痢によって崩れた腸内細菌のバランスを整えるための薬です。

味やにおいは特になく、ミルクや水などに溶かして飲むことができるので、乳幼児でも飲みやすい薬です。

吐きけ止め

吐きけ止めは、嘔吐や吐きけがひどくて口から水分が摂れないような場合に処方されることが多く、全身状態がさらに悪化しないよう処方される薬です。

内服薬と座薬があります。

下痢止め

下痢止めの薬は、腸粘膜を保護したり、腸内で不足している酵素を補ったりするほか、腸管の動きを抑制して下痢を止めるために使われます。

下痢はウイルスを体外に排出するための体の防御反応であり、下痢止め薬を使用してしまうとウイルスが体内に停留してしまうため、使用はできる限り避けるのが望ましいです。

ホームケア

適切な水分をこまめに補給

脱水状態になってしまうと、回復に時間がかかり胃腸機能も低下してしまいます。

乳児への水分補給は母乳を与えましょう。

幼児への水分補給は、市販の経口補水液を使用すると水分と電解質を一緒に補給でき効果的です。

スポーツドリンクやジュースは糖分が多く含まれているため、下痢を悪化させる恐れがあります。胃腸炎にかかっているときは避けた方が良いでしょう。

消化の良い食事

胃腸が弱っているので、辛いものや脂っこいものは食べてはいけません。

また、下痢と嘔吐がひどく、食欲がないときに無理に食べさせるのもよくありません。

少しずつ回復が進んで食欲が出てきたら、以下のような消化の良いメニューを少しずつ与えましょう。

  • ヨーグルト
  • ゼリー
  • おかゆ、雑炊、茶碗蒸し
  • うどん
  • 野菜スープ

5. 家族への感染予防について

ウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスは感染力の強いものが多いです。

家庭内に感染者がいると他の家族にうつる可能性が高くなります。

感染ルート

ウイルス性胃腸炎では、飛沫感染、接触感染、糞口感染が非常に多いです。

飛沫感染

感染している子どもの咳やくしゃみ、鼻水にウイルスが含まれています。

そのしぶきを吸い込んで感染します。

接触感染

共用しているタオル、食器、おもちゃなどにもウイルスがついています。

それに触れることによって、食事の時などに口からウイルスが侵入し、感染します。

糞口感染

便や吐しゃ物にはウイルスがたくさん潜んでいます。

オムツ替えや嘔吐の始末のときに、お母さんにうつることは非常に多いです。

予防のポイント

感染予防のためには、家族全員の手洗いを徹底しましょう。

特にオムツ替えや嘔吐の始末のあとは、しっかり手を洗い、消毒してください。

6. 参考:ウイルス別の胃腸炎

ロタウイルス感染症

特徴

ロタウイルスが原因の胃腸炎です。

例年11月~2月に流行することが多く、乳幼児の患者が多い胃腸炎です。

激しい嘔吐と白っぽい下痢便を繰り返すという特徴があるため、「白色便性下痢症」という名前でも呼ばれることがあります

症状

食欲がなくなり、突然吐き始めることが多い胃腸炎です。

まずは嘔吐や発熱がみられ、続いて下痢になるというパターンが多くなっています。

ロタウイルスに感染すると水のような下痢便になり、おむつからあふれて衣類や床などを汚してしまうこともあります。

ノロウイルス感染症

特徴

ノロウイルスというのは、「小型球形ウイルス」と呼ばれていたウイルスの一種です。

感染力が非常に強く、家庭内だけでなく学校や保育園などの集団で広く感染することが多いウイルスです。

例年11月ごろから流行の兆しが見られ、12月~2月がピークとなります。

症状

ノロウイルスは潜伏期間が短く、感染すると24~48時間ほどで嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れます。

発熱や筋肉痛を伴うこともあり、熱が出る場合は37~38度ほどの発熱が多くなっています。

赤ちゃんや幼児がノロウイルスにかかると、激しい嘔吐の症状が目立つのが特徴です。

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7. 先輩ママの「うちの子のウイルス性胃腸炎体験談」

鹿児島県・3才の女の子・デミオママより

我が家のウイルス性胃腸炎体験は、真冬のことでした。

昼間はいつも通り元気にしていた1才4ヵ月の娘が、夜になって急に吐き始めました。

何回も吐いてしまったものの、比較的元気だったのでそのまま翌朝まで待って小児科へ行きました。

時期的にもちょうど嘔吐下痢症が流行していたそうで、すぐに「ウイルス性胃腸炎」と診断され、吐きけ止めの飲み薬が処方されました。

吐くのが一晩で治まったと思ったら、今度はすごい下痢になってしまい、下痢の度に服が汚れてしまって着替えが大変でした。

また、吐いてるときは何も飲めないので、吐きけが治まったときを見計らってスプーンで少しずつ水分を与えたのですが、水分補給のタイミングが難しかったです。

結果的に、3日ほどで症状が治まったのでよかったです。

引用元:嘔吐が治まったら下痢。着替えがたりないほどでした

石川県・2才の男の子、4ヵ月の男の子・なるママより

2才のお兄ちゃんがウイルス性胃腸炎にかかり、2日後には3ヵ月の弟も授乳のあとで噴水のように吐き始めました。

2度目に吐いたときに病院へ行ったところ、月齢が低いこともあり脱水が心配ということですぐに入院に。

結果、点滴をしながら3日間過ごしました。

私は付き添いベッドで寝たのですが、うつったみたいで狭い上に私も同じ症状になってしまい、嘔吐を繰り返し点滴までしました。

私がいちばん重症で本当にしんどかったです。

引用元:子どもから家族にうつった!次々にダウンで大変でした

埼玉県・2才5ヵ月の女の子・ルリママより

娘が1才になったころです。

朝、ふと見ると娘のズボンにうんちがしみているので慌てて中をのぞいたら、グレーつぽい色で酸っぱいにおいの下痢をしていました。

便の様子が明らかに変なので、すぐに病院へ。

「ロタウイルスによる下痢でしょう、ウイルスは出したほうがいいから」と、整腸剤だけもらい帰ってきました。

発熱はありませんでした。

その日は1時間おきに何度も下痢をしていたので、おっぱいと麦茶を飲ませて水分補給をしていました。

2~3日間ほどは、白っぽかったり蛍光の黄色のような便が続き、あばら骨がくっきり見えるほどやせてしまってすごく心配でした。

その後下痢が治まると食欲も戻ってホッとしました。

引用元:酸っぱいにおいの下痢が続き、げっそりやせて心配でした

埼玉県・2才4ヵ月の女の子・さるさるママより

1才半で、ウイルス性の胃腸炎にかかりました。

発熱、下痢、嘔吐とつらそうな症状が続いて、元気もなくぐったりしていました。

病院にいったら下痢止めの粉薬と、吐きけ止めの座薬を出されました。

座薬は無理にでも使えたのですが、粉薬のほうは味が嫌なのか、なかなか飲んでくれませんでした。

幼児向けのアイスクリームに練り込んで食べさせたら、ようやく飲み込んでくれて安心しました。

引用元:吐き下しでつらそうなのに薬をなかなか飲んでくれない

参考:病院で処方される薬