赤ちゃんの肺炎とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 肺炎ってどんな病気なの?

肺に炎症が起きる病気のことをまとめて肺炎といいます。

肺炎には、細菌やウイルスなどの感染源を吸い込んで発病する「感染性の肺炎」と、薬剤性肺炎やアレルギー性肺炎などの「非感染性の肺炎」があります。

肺炎の大部分は、感染性の肺炎です。ここでは感染性の肺炎に絞って説明します。

肺に炎症が起きるってどういうこと?

炎症とは、カラダのどこかに、赤み・熱感・腫れ・むくみ・痛みなどが表れることを意味します。

肺とは、大きな袋の中に細かい気管支が伸びていて、その先端に肺胞という小さな袋がたくさんつながっている器官です。そのため、炎症が起こる部位によって病態は異なります。

肺胞,炎症

肺のイメージ図

肺胞の内部に炎症が起きる

肺胞の内部に炎症が起き、腫れたり膿が出たりするため、肺胞がふくらみにくくなって空気もスムーズに入らなくなります。

これは肺胞性肺炎と呼ばれていて、一般的な肺炎はこちらを指しています。

肺胞間の壁に炎症が起きる

肺胞の間にある壁に炎症が起きて分厚くなり、肺胞がふくらみにくくなって、空気が入る部分が小さくなります。

これは間質性肺炎という病名で、国の特定疾患に指定されている難病の一つです。

肺胞,肺胞壁

肺胞のイメージ図

2. 肺炎の原因は?

肺炎の原因菌はひとつ?

肺炎の原因は、口や鼻から侵入して肺胞に炎症を起こす細菌やウイルスです。

その種類は10種類以上あります。

  • 肺炎球菌
  • インフルエンザ菌
  • マイコプラズマ
  • 黄色ブドウ球菌
  • クラミジア
  • 複数菌の感染
肺炎,ウイルス

肺炎の原因菌は10種類以上!

肺炎球菌とは?

どんな菌なの?

肺炎の原因菌で最も多いのが、肺炎球菌です。

肺炎球菌は常在菌といって、健康な人の鼻やのどの粘膜に普通に存在する細菌です。

健康で元気な状態ならば問題ないのですが、カラダの抵抗力・免疫力が弱まると、活動を始めて体内に侵入し、肺胞で炎症を起こすのです。

子どもが肺炎球菌を持っていても大丈夫?

肺炎球菌は菌の表面に莢膜という膜を持っており、人の免疫(抗体)に対する耐性が強いです。

健康な大人であれば菌が体内に入るのは難しいのですが、1〜3歳の幼児は肺炎球菌に対する免疫を持っていないため、感染しやすくなっています。

4月の入園時点では肺炎球菌を持っていなかったのに、1カ月後には必ず持っていると言われるくらい、集団生活の場では感染する菌です。

肺炎球菌,保育園

肺炎球菌は保育園でもらいやすい

マイコプラズマ肺炎とは?

乾いたせきが長引くのが特徴で、幼児にも見られますが小学生に多い肺炎です。

原因はマイコプラズマ(正式にはマイコプラズマ・ニューモニエ)で、細菌性肺炎によく使われるセフェム系やペニシリン系の抗菌薬では効き目がありません。

熱は出ますが、高熱ではなく期間も短いです。

抗菌薬を飲んでいるのに「せきだけが長引く」というときは再受診しましょう。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は小学生に多い

クラミジア肺炎とは?

クラミジア肺炎は2種類あります。

クラミジア・ニューモニエ

幼児から学童に多いのは、クラミジア・ニューモニエが原因です。

コンコンという乾いたせきが夜間続きますが、熱はあまり出ません。

クラミジア・トラコマティス

妊娠中にクラミジアに感染している母親から産道感染するもので、新生児にしかみられません。

マイコプラズマ肺炎と症状は似ています。

熱は出ませんが、鼻水や結膜炎から始まり、徐々にせきが強くなってきます。

クラミジア肺炎

熱はなく鼻水とせきがでる

3. 肺炎はどんな症状がでるの?

基本的な肺炎の症状

肺炎にかかると以下のような症状が出ます。

  • 咳が止まらない
  • のどに痰がからまる
  • 痰に黄色や緑色などの色がついている
  • 息がきれて呼吸が荒くなる
  • 鼻水がでる
  • 38度以上の高熱がでる
  • 悪寒がする
  • チアノーゼ(顔や唇がむらさき色)になる
赤ちゃん,肺炎

呼吸がはやくなり、苦しくなる

風邪と勘違いしないために

肺炎は風邪と症状が似ているため、風邪と勘違いして病院に行かないというのがこわさの一つです。

肺炎と風邪の違いを理解した上で、少しでも肺炎の疑いがあればすぐに病院で診察を受けてください。

  • 風邪の場合は熱がでても38度ぐらいだが、肺炎なら38度以上の高熱が続く
  • 風邪のときの痰は変色しないが、肺炎のときは変色している
  • 肺炎になると息切れ、呼吸の乱れ、胸の痛みがおきるが、風邪ではおきない
  • 肺炎は症状が1週間以上続くが、風邪は数日でおさまる

4. 赤ちゃんの肺炎の治療とケア

まずは原因菌を特定

検査方法

肺炎の検査は、診察だけでなく、胸部X線検査(肺に炎症が起きていると影が見える)、血液検査(白血球数、CRP値など)、喀痰検査などを行います。

しかし、正確な病原菌を特定できない例は肺炎の患者さんの半数にも達しています。

検査期間

基本的には、診察当日に検査結果がでます。

ただし、検査した日に異常が見つからなかったとしても後日検査したら肺炎が見つかることもあるので、肺炎の心配が完全になくなるというわけではありません。継続して注意し、異変を感じたら再度診察を受けるべきです。

また、一部の検査方法や病院の設備によっては、検査結果が出るまでに数日かかる場合もあります。

肺炎,検査

肺炎かもと思ったら必ず検査を!

肺炎の種類に応じた治療

肺炎の治療法は、原因によって異なります。

ウイルスによる肺炎の場合

基本的に入院の必要はなく、自宅で安静にしていれば問題ありません。

1週間ほどで自然に回復します。

病院を受診すると、気管を広げる薬の吸入などが行われます。

細菌による肺炎の場合

細菌性肺炎は悪化しやすいので、入院が必要になります。

入院して抗生物質の投与を行い、場合によっては呼吸困難時の酸素吸入、脱水症状が現れたときに点滴を行うなどの対症療法にも取り組みます。

入院期間は1~2週間程度です。

肺炎,検査

細菌性肺炎は入院が必要

肺炎の治療法

抗生物質

肺炎はたくさんの種類の原因菌があり、菌によって有効な抗生物質が異なります。

治療開始時には原因菌が不明なことが多いので、複数の抗生物質を併用する場合もあります。

咳止め、痰きり、解熱剤

対症療法によって咳、痰、熱といった症状を和らげます。

ネブライザー

固い痰が多い場合の治療です。

気道を広げる薬や痰を柔らかくする薬が混ぜられた水を霧状にして、口や鼻からを吸入します。

肺炎,ネブライザー

薬を混ぜた水の霧を吸入

肺炎の治療にかかる期間と費用

治療期間

肺炎の治療に使われる抗生物質は即効性がなく、安定した効果が確認できるまで3~4日かかります。

入院する場合も多いですが、早ければ5~7日、長くても10~14日で回復することが多いです。

治療費

通院治療の場合は1万円以内、入院治療の場合は入院期間が1週間以内であれば7万円以内でおさまります。

しかし、多くの地域では子どもの医療費助成があり、治療費はほとんどかからない場合が多いです。

個室で入院した場合は、個室費用がかかります。(病院とお部屋によって費用は異なります。)

肺炎,入院

子どもの医療費助成で負担は少ない

肺炎にかかった子どものホームケア

肺炎は抗生物質によって治療できるとはいえ、咳をはじめとする症状が非常につらい病気です。

少しでも症状のつらさを和らげ、回復をはやめるために、以下のケアを実践しましょう。

  • 部屋の換気と湿度調整
  • 家の中で安静に過ごす
  • こまめに水分補給
  • 食事は消化の良いものを
  • 横向きに寝かせる
  • お風呂は避ける

5. 肺炎はうつるの?予防法は?

肺炎が人から人にうつる病気だという話は、あまり聞かないのではないでしょうか。

実際は、うつる肺炎とうつりにくい肺炎があります。

うつる肺炎とうつりにくい肺炎

うつる肺炎

肺炎球菌による肺炎、マイコプラズマ肺炎、インフルエンザ肺炎などがあります。

肺炎にかかっている人の咳やくしゃみによって、細菌が飛び、それを吸入してしまうことによって感染してしまうのです。

うつらない肺炎

うつる肺炎とは、風邪をこじらせたことによる肺炎や、薬やカビ、アレルギーなどによる肺炎です。

うつるけど発症しにくい肺炎

風邪をこじらせたことによる肺炎は、うつりにくいとされています。しかし、風邪をこじらせて最もよく発症するのは、うつりやすい肺炎球菌による肺炎です。

これは一体どういうことなのでしょうか?

肺炎球菌は、鼻やのどの粘膜に普通に存在する常在菌なので、菌自体は人から人にうつります。

ただ、元気な状態ならば問題なく、カラダの抵抗力が落ちた時に体内に侵入して肺炎を引き起こすため、菌はうつるものの肺炎は発症しにくいという性質があるのです。

肺炎,感染

元気なときは発症しにくい

6. 子どもの肺炎の合併症とは?

子どもが肺炎にかかったときは、肺以外にも病原菌が感染する可能性があります。

具体的には、以下の合併症のリスクがあります。

また、無菌性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)、脳炎、肝炎、膵炎、溶血性貧血、ギラン・バレー症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群といった、重病を併発する可能性があります。

肺炎の疑いがあるときは、必ず病院に行きましょう。

7. 肺炎は一度かかったらもう大丈夫?

肺炎は一度かかったら大丈夫というわけではありません。再度かかる可能性があります。

子どもがせきをしはじめたときに、「前に肺炎にかかったから肺炎ではないはず」と思わないようにしましょう。

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8. 先輩ママの「うちの子の肺炎体験談」

神奈川県・3才の女の子・りんママより

1才半で保育園に通い始めたら、繰り返し何回も風邪をひきました。

最初は鼻水、せき、微熱という状態だったのですが、2ヵ月たってもすっきりとは治らない上、抗菌薬で薬疹が出てびっくり。

1才9ヵ月で、肺炎を起こしているとのことで、入院することになりました。

点滴で常に抗菌薬を入れ、薬漬けにならないかと心配でした。

完全看護だったのですが、私が見舞いに行く時間はべったりで、それ以外は泣いていることが多く、6日間本当に切なかったです。

引用元:風邪をこじらせて肺炎に。薬も合わずに大変でした

茨城県・3才10ヵ月の女の子・ゆきのすけママより

2才1ヵ月のときに、39度の高熱と断続的なせきが出ました。

親子ともども眠れないほどひどいせきだし、それまでの風邪のせきとも違うので「もしかしてマイコプラズマ?」と思ったので、受診するたびに医師に訴えました。

マイコプラズマ気管支炎と言われ、抗菌薬をジスロマックに替えてもらったらやっとよくなってきました。

ジスロマックは苦いので、甘いベビーフード少量に混ぜて食べさせました。

せきがひどくて眠れないときは、背中を高くして寝かせるとよかったです。

引用元:いつもとは違うせき、マイコプラズマかと思いました

参考:病院で処方される薬