赤ちゃんの百日咳とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. 百日咳ってどんな病気?

赤ちゃんにとって危険な病気

百日咳は、激しいせきが出る病気です。

赤ちゃんにとっては非常に危険な病気です。

母親からもらった免疫がきかない

通常、1歳未満の赤ちゃんは、胎児の間に母親からもらった免疫(経胎盤移行抗体)が備わっています。

ただ、その免疫が百日咳に対しては効果が期待されないため、感染リスクがあります。

1歳以下の乳児、得に生後6カ月以下では死に至る危険性も高いと言われています。

大人も感染するリスクがある

百日咳は、子どもだけでなく大人も感染するリスクがある病気です。

年齢を問わず、赤ちゃんから高齢者まで感染します。特に子どもに多い病気で、2歳までの幼児によくみられます。

日本では毎年1万人以上が感染しています。

2. 百日咳の原因

原因菌

百日咳の原因は、百日咳菌という細菌です。

百日咳菌が喉などの呼吸器官に感染して、後ほど説明する様々な症状を引き起こします。

感染ルート

飛沫感染

感染した人のせきやくしゃみなどのしぶきには、百日咳菌が含まれています。

それをまわりの人が吸い込むことによって、感染します。

接触感染

赤ちゃんのよだれや食べカスが、服やおもちゃについてしまうことがあります。

それに手が触れて最終的に菌が口へ運ばれて感染します。

ワクチンで予防できる

百日咳はVPDに指定されています。

VPDとはワクチンで感染を予防できる病気のことをいいます。

子どもを出産すると自治体から案内される予防接種の中に、百日咳菌のワクチンも含まれています。(四種混合ワクチンまたは三種混合ワクチン)

予防接種をしっかりと早めに受ける事が、一番の予防策です。

3. どんな症状が出るの?

カタル期(約1~2週間)

感染症にかかった初期のことをカタル期といいます。

初期症状は風邪と似ている

百日咳の初期症状は、風邪によく似ています。

せきと鼻水、涙目、目の充血などが起こります。

熱はあまりでない

発熱することはほとんどありません。

熱がでたとしても、高熱になることはありません。

初期段階での診断は難しい

せきにもさしたる特徴がないので、カタル期で百日咳と診断されることはまれです。

痙咳期(約3~4週間)

痙咳(けいがい)とは、気管支の収縮(つまり痙攣)を伴う激しいせきを意味します。

息をつく間もないほどの激しいせき

痙咳期になると、「コンコンコンコン」という何度も続くせきが、頻繁に起こるようになります。

せきは次第に激しくなり、夜になると特にひどくなります。

赤ちゃんは、息をつく間もないほどせきが続き、顔を真っ赤にしたり、舌をつきだしたりします。

せき込んで息を吸う時に音がなる

百日咳のせきは、笛のような「ヒュー」という音をたてるという特徴があります。

ぜんそく気管支炎でも似た症状が出ますが、これらの病気では息を吐くときに音がなるのに対して、百日咳では息を吸うときに「ヒュー」という音がなります。

これを専門用語で「レプリーゼ」といいます。

その他の症状

せきが長く続くと、赤ちゃんは体力を消耗してしまいます。

せき込んだことをきっかけに嘔吐することもあります。

また、せきがひどいと母乳やミルクを十分に飲めず、栄養不良や脱水症状を起こす心配もあります。

窒息リスク

乳幼児は自分で痰を出すことができず、窒息状態になる事があります。

また、生後6カ月未満の赤ちゃんの場合、百日咳特有のせきをするのではなく、「無呼吸発作」という一時的に呼吸が止まる症状が出ることがあります。

無呼吸発作が起こると、呼吸が不安定になり、チアノーゼを起こすこともあります。

万が一、胸がまったく動かなくなったら、すぐに救急車を呼んで、病院で診察を受けてください。

次第に症状が落ち着く回復期(約2~3週)

回復の流れ

合併症がなく、きちんと治療を受けた赤ちゃんは、じょじょにせきの回数が減り、回復にむかいます。

せきが治まるにつれて食欲が戻り、夜もぐっすり眠れるようになるでしょう。

再発のリスク

百日咳は回復に向かっていても安心できません。

一度感染すると、再発しやすい病だからです。

百日咳にかかってから1年程度は、せきが出た時にはすぐ検査をし、早期発見・早期治療をするように心がけましょう。

4. 合併症のリスク

生後6カ月未満の赤ちゃんが百日咳に感染した場合、「百日咳肺炎」や「百日咳脳症」などの合併症にかかる確率があがります。

百日咳肺炎とは?

百日咳肺炎は、風邪の症状に加えて、激しいせきや胸痛、倦怠感、高熱、脈や呼吸が早いなど、全身に症状が出ます。

  • 黄色や緑色の痰がでる
  • 高熱が続く
  • 強いせきが出続ける

といった症状が、百日咳の症状とともに出ているのであれば、百日咳肺炎の感染の疑いがあります。

百日咳脳症とは?

百日咳脳症とは、脳内にうっ血や浮腫ができたことがきっかけで出血する合併症です。

後遺症として、てんかんや知能障害が残ったり、命を落とすこともあります。

5. 百日咳の治療法

検査・診断方法

百日咳への感染が疑われる時には、赤ちゃんの鼻水を培養するか、血液を採取して検査します。

抗生物質の服用が治療の基本

処方される薬

百日咳の治療は、服薬が中心です。

マクロライド系抗生物質や、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどの薬が処方されます。

副作用

赤ちゃんに抗生物質を飲ませたことがきっかけで、下痢が続くことがあります。

整腸剤があわせて処方されますが、それでも下痢になることは多くあります。

薬は飲みきらないといけない

「症状が軽くなったから」、「下痢がかわいそうだから」と言って、抗生物質を飲ませるのを止めるのは、絶対にNGです。

百日咳の症状が治まっているように見えても、赤ちゃんの身体の中には細菌がまだ残っていて、再発のリスクがあるからです。

百日咳の細菌が再び増殖しないよう、処方された抗生物質は必ず飲みきるのが鉄則です。

6. 百日咳のホームケア

部屋の換気と加湿を心がけよう

まず、部屋の換気と湿度管理をしっかり行いましょう。

赤ちゃんがせきをすることで、室内の空気が汚れてしまうので、こまめな換気は基本です。

そして、湿度が低く部屋が乾燥すると、せきが出やすくなってしまいます。

加湿器を使ったり、濡れタオルをハンガーにかけてぶら下げるなど、湿度を高めに保ってあげましょう。

こまめに水分補給

せきがひどいと、母乳やミルクも飲みにくくなります。

脱水症状が起こりやすくなるので、1回に与える水分の量を少なめにして、にこまめに水分補給をすることが大切です。

赤ちゃんに脱水症状が起こると、痰が硬く、きれにくくなってしまうので、せきを楽にするためにも水分補給は必要です。

呼吸を楽になる姿勢にする

抱っこしてあげる

特に夜、布団に寝かせると、せきがひどくなることが多いです。

上体を起こしてあげると、呼吸が楽になるので、赤ちゃんのせきがひどい時には、ママが抱っこしてあげるようにしましょう。

また、ママがたて抱きして背中をトントンしてあげると、赤ちゃんの痰がきれやすくなります。

その他の方法

お座りができる赤ちゃんであれば、日中は椅子に座らせてあげるのも一つの方法です。

また、夜にベッドに寝かせる時にも、背中にクッションをあてるなどして、頭を高くすることで、呼吸しやすくなります。

7. 百日咳の予防接種

四種混合ワクチン

百日咳は、予防接種を受けることで、感染リスクを大幅に下げることができる病気です。

生後3カ月になったら、すぐに四種混合ワクチンを受け、4週間隔で3回接種するように心がけましょう。

この接種方法だと、予防効果が一層高まります。

自治体からの案内

四種混合ワクチンは、自治体からワクチンの接種券が届くので、無料で受けられます。

赤ちゃんが生後4カ月になってから届く地域もあるようなので、居住地域の保健センターなどに問い合わせ、早めに送ってもらうようにお願いしましょう。

近所の小児科の病院を
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8. 先輩ママの「うちの子の百日咳体験談」

生後4か月の時、せきや鼻水の症状があったので、近所の小児科に連れて行き、薬を処方してもらいました。

ですが、薬を飲ませても一向によくなる気配はなく、熱はなかったので、処方された薬を飲みきってから、再び同じ小児科を受診。

先生に「大きな病院で調べた方がいい」と総合病院を紹介され、百日咳とわかりました。

せきがひどくて母乳をあまり飲めなかったこともあり、脱水症状を改善するための点滴治療が必要で、私も一緒に一週間ほど入院しました。

幸い合併症もなく、現在では元気に幼稚園に通っています。