赤ちゃんの細気管支炎とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 細気管支炎はこんな病気

細気管支とは?

のどと肺をつないでいる気管は、細かく枝分かれしています。

その先にある、肺胞とつながる末端部分のことを、「細気管支」といいます。

酸素や二酸化炭素を交換する肺胞とつながっているので、ここで炎症が起こると、呼吸に支障が出ます。

下気道に炎症が起こる

細気管支炎とは、気管支の末端にある細気管支を中心に、気管や気管支を含めた下気道で炎症が起こる病気のことをいいます。

ここで炎症が起こると、気道が狭くなってしまうので、呼吸しにくくなるだけでなく、せきやゼイゼイという喘鳴がみられるようになります。

子どもに多い理由

細気管支は、成長と共に太くなり、免疫がつく器官です・

赤ちゃんはまだ肺が未熟で、細気管支も細く、免疫力も弱いものです。

そのため、最も多い生後6カ月未満から2歳ころまでの子どもに発症しやすく、重症化することも多いです。

2. 細気管支炎の原因は?

ウイルス感染で発症

細気管支炎の原因は、ウイルスに感染することです。

風邪などをこじらせることで、ウイルスが深部まで侵入することで、発症します。

50%以上がRSウイルスへの感染

細気管支炎の原因となるウイルスはいろいろありますが、最も多いのがRSウイルスへの感染で、全体の50%を占めています。

その他では、インフルエンザウイルスやヒトメタニューモウイルス、アデノウイルスへの感染がきっかけで、発症することがあります。

3. 細気管支炎の症状とは?

症状は段階的にあらわれる

細気管支炎は、原因ウイルスに感染して数日の間に進行します。

症状は段階的にあらわれるので、経過を観察して、早めに治療を始めることが大事です。

くしゃみが出る

空気中のウイルスが鼻やのどに吸い込まれると、身体は異物を外に出そうとします。

その過程で、くしゃみが多くなります。

子どものくしゃみの回数が増えたら、鼻水やせきが伴っていないか、必ずチェックしましょう。

鼻水が出る

鼻からウイルスが吸い込まれると、粘液にそれを付着させ、外に出そうとします。

そのため、鼻水の量が増えます。

そして、鼻の粘膜がウイルスによって炎症を起こすと、鼻詰まりが起こります。

せきが出る

せきも、くしゃみや鼻水と同じで、体内からウイルスを外に出すための防御反応の一種です。

はじめは乾いたせきですが、ウイルスが気管支内で炎症を起こし、それが悪化すると、痰が絡むような重いせきに変化していきます。

その結果、せきが止まらなくなったり、呼吸困難を起こすこともあります。

頻脈になる

細気管支炎の症状が進行すると、せきがひどくなることで、息苦しくなります。

そのため、呼吸回数が増えると同時に、脈も速くなります。

乳幼児はもともと、大人と比べると脈が速いですが、肩で息をしたり、呼吸が小刻みになっているときは、頻脈の可能性が高いです。

呼吸困難を起こす

炎症が広がり、気管支の内壁が腫れると、気道が狭くなることで、呼吸しにくくなってしまいます。

そのため、呼吸速度があがったり、息をするたびに喘鳴が聞こえるようになります。

さらに重症化すると、無呼吸発作や意識障害を起こすこともあるのです。

赤ちゃんの場合は、細気管支炎が2~3日で進んでしまい、チアノーゼや陥没呼吸がみられることが多いので、体調の変化には十分注意が必要です。

4. 細気管支炎の治療法は?

対症療法が基本

細気管支炎は、ウイルス性の感染症です。

そのため特効薬がなく、細菌が原因で起こる感染症のように抗生剤が処方されることは、ほぼありません。

症状を緩和するために、対症療法を行うことになります。

治療方法

あらわれている症状に合わせて、いろいろな治療が行われます。

気管支拡張剤の吸入

せきがひどい、あるいは喘鳴がみられるときには、呼吸しやすくなるように、気管支拡張剤を使用します。

病院では、ベネトリンやメプチンという気管支拡張剤を吸入させることが多いです。

自宅で使うものとしては、ホクナリンテープという、薬効成分が皮膚から吸収される薬が処方されます。

酸素の投与

子どもにチアノーゼがみられたり、低酸素血症を起こしている場合には、酸素投与を行います。

方法は、酸素マスクや鼻カニューレ、酸素フードなど様々です。

呼吸の管理

細気管支炎が重症化し、低酸素血症や高炭酸ガス血症を発症した場合は、人工呼吸器を装着し、呼吸を管理することもあります。

細気管支炎で入院する患者の約7~8%は、人工呼吸管理を必要とするそうです。

入院加療が必要なことも

細気管支炎を発症し、呼吸困難や脱水がみられる子どもは、入院して治療します。

気管支拡張剤の吸入や加湿及び酸素投与の他、必要な場合は人工呼吸管理も行われます。

5. 細気管支炎と気管支炎、肺炎、喘息との違い

細気管支炎と他の呼吸器疾患の違い

呼吸器疾患には、気管支炎や肺炎、喘息などがあり、細気管支炎とは違います。

気管支炎との違い

細気管支炎は、気管支が細かく枝分かれした末端に炎症を起こす病気です。

それに対して気管支炎は、気管支の粘膜に炎症が起こるものです。

肺炎との違い

肺炎は、気管支の炎症が肺にまで広がったときに起こる病気です。

肺炎を起こすと、レントゲン検査で影がみられるようになります。

喘息との違い

細気管支炎や気管支炎、肺炎は、ウイルスに感染することで起こります。

一方の喘息は、主な原因はアレルギーです。

原因が異なるので、治療方法も変わります。

6. 細気管支炎のホームケアとは?

安静にさせる

細気管支炎には特効薬がないので、症状を抑えることを目的に治療します。

そのため、せきや息苦しさを感じさせないためには、安静に過ごすのが一番です。

走り回ったり、身体を動かすなど、体力を消耗する遊びはさせないようにしましょう。

室温と湿度に気をつける

細気管支炎は、気温の変化や乾燥がきっかけで、症状が悪化することがあります。

そのため、家の室温を一定にしたり、乾燥しないように湿度を50~60%程度に保つようにしましょう。

家から外に出るときにも、マスクを着用させるなど、冷たい空気に触れないように配慮する方がよいです。

水分補給をする

のどが渇くと、せきを誘発してしまいます。

それを防ぐためにも、こまめに水分補給をさせるようにしましょう。

飲むものは、白湯や麦茶、母乳、ミルク、乳幼児用イオン飲料などがおすすめです。

身体を起こす

細気管支炎に限らず、せきは眠るために横になる、夜にひどくなるものです。

そのため、頭を高くするなど、寝かせ方を変えることで、楽にしてあげることができます。

また、せきがひどいときには縦抱きにして、背中をさすったり、トントンと叩いてあげると、痰が切れやすくなります。

夜にせきがひどいときには、抱っこしてあげましょう。

7. 細気管支炎の予防法

手洗いうがいが基本

細気管支炎にならないためには、原因のウイルスに感染しないのが一番です。

ウイルス感染を予防するためには、手洗いとうがいを徹底することです。

乳幼児は石けんを使って上手に手洗いができないので、アルコール消毒できるジェルなどを使うとよいでしょう。

また、インフルエンザなどがはやっている時期は、マスクを着用させる、人込みには連れて行かないこともおすすめです。

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8. 先輩ママの「うちの子の細気管支炎体験談」

東京都・2才6ヵ月の男の子・もりのあママより

息子が8ヵ月のころのことです。

最初は風邪だろうと、様子を見ていたのですが、39度の熱が出てゼエゼエが強くなるようになり、小児科を受診。

「細気管支炎なので、水分をしっかり飲ませて、部屋を加湿するように」という指示で、吸入し、抗菌薬と漢方薬を処方してもらいました。

薬を飲んでもゼエゼエはよくならず、夜も熟睡できません。

おっぱいだけは飲めたのですが食欲はなく、毎日吸入に通うのが大変でした。

治るまで20日ぐらいかかり、症状が悪化する前に行くべきだったと後悔しています。

引用元:風邪かと思っていたら細気管支炎。ひどくなる前に受診すべきだったと後悔

佐賀県・3才の男の子・まきちゃんのママより

参考:病院で処方される薬