赤ちゃんのインフルエンザとは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. インフルエンザはこんな病気

インフルエンザウイルスが原因で起こる感染症です。

風邪(感冒)と症状が似ていますが、症状が重く急激に悪化するのが特徴です。

インフルエンザウイルスのおもな型

A型インフルエンザウイルス

毎年11~2月ごろに流行することが多いです。

38~40℃の高熱とともに、関節痛・筋肉痛・気管支系の症状が出やすいです。

B型インフルエンザウイルス

おおむね数年に1回、11~3月ごろに流行することが多いです。

37~38℃の熱とともに、消化器系の症状が出やすいです。

C型インフルエンザウイルス

1年中かかるおそれがありますが、一生のうちに2回以上かかることはほとんどありません。

A型・B型より症状が軽めですが、せきや鼻水などをともないます。

インフルエンザウイルスのおもな感染経路

飛沫感染

感染者のせき・くしゃみや会話などによって、ウイルスを含む飛沫が周囲に飛び散ります。

この飛沫を他の人が吸い込んで感染するのが飛沫感染です。

空気感染

ウイルスを含んだ飛沫の水分は、時間が経つと蒸発します。

その際、飛沫に含まれていたウイルスが空気中に浮遊します。

空気中のウイルスを吸い込んで感染するのが空気感染です。

接触感染

ウイルスが付着した手・口から、他の人に感染します。

またはウイルスが付着した手で周囲のものに触れ、そこに他の人が触れることで感染します。

2. インフルエンザのおもな症状

突然の悪寒と高熱

一般的な風邪で見られるせき・鼻水などの初期症状がなく、突然起こる悪寒と高熱が特徴です。

発熱は、おおむね3~5日ほど続きます。

頭痛・筋肉痛・倦怠感

元気がなくぐったりとしたり、機嫌が悪くなったりします。

のどの痛み

のどが痛むことで、食欲も低下します。

嘔吐・下痢

ウイルスの型によっては、消化器官に症状が出ることがあります。

ひんぱんな嘔吐・下痢と高熱による発汗で、脱水症状につながることもあります。

3. インフルエンザの潜伏期間と感染期間

潜伏期間

インフルエンザウイルスは、他のウイルスと比べて非常に早いスピードで増殖します。

そのため潜伏期間が短く、たいていは感染後1~3日後に発症します。

インフルエンザウイルスの場合、発症後だけでなく潜伏期間中に周囲に感染することもあります。

感染期間

症状により個人差がありますが、周囲へ感染させやすい期間は発症から7日前後です。

特に感染力が強いのは、発症後1~3日ほどと言われています。

熱が下がってからもウイルスが体外に排出され続けるので、しばらくは自宅で安静に過ごしましょう。

ウイルスを排出するせき・くしゃみがおさまれば、完治とみなしてよいでしょう。

4. インフルエンザの合併症

乳幼児は抵抗力が弱く、しばしばインフルエンザの合併症にかかることがあります。

気管支炎

なかなか熱が下がらずせきが出る場合は、気管支炎の疑いがあります。

インフルエンザウイルスそのものや、別のウイルス・細菌による二次感染で起こります。

はじめはコンコンと乾いたせき、次第にゴホンゴホンと痰がからんだせきが出るのが特徴です。

ひんぱんにせき込むので、筋肉痛や吐き気をともなうこともあります。

肺炎

インフルエンザウイルスそのものではなく、肺炎球菌などによる二次感染で起こります。

なかなか熱が下がらず、ひどいせきと荒い呼吸が続く場合は、肺炎の疑いがあります。

乳幼児の場合は命にかかわることもあるので、すぐ対処しましょう。

中耳炎

中耳がウイルスに感染すると、膿がたまって急性中耳炎になることがあります。

おもな症状は、以下のとおりです。

  • 耳を痛がって激しく泣く
  • ひんぱんに耳を触る
  • 機嫌が悪い
  • 頭痛や耳だれが起こることがある

熱性けいれん

熱が上がったときに、以下のような症状が出ることがあります。

  • 突然手足が突っ張り、全身がこわばる
  • 呼吸が止まり、意識がなくなる
  • 白目をむく
  • チアノーゼ(手足の先や唇などが青紫色になる)

熱性けいれんの場合、症状は長くても数分でおさまることが多いです。

ただし、生まれて初めてけいれんを起こした場合はすぐ病院へ行きましょう。

ウイルス性髄膜炎(無菌性髄膜炎)

脳や脊髄の外側にある髄膜が、ウイルスに感染して起こります。

おもな症状は、以下のとおりです。

  • 38~40℃の高熱
  • 嘔吐・食欲不振
  • 強い頭痛
  • 首が前に曲がりにくくなる(縦抱っこを嫌がる)
  • 大泉門(赤ちゃんの額にある頭蓋骨のつぎ目)が盛り上がる
  • 機嫌が悪くなり、激しく泣く
  • けいれん・意識障害

インフルエンザ脳炎・脳症

発熱後数時間~1日以内に発症することが多く、けいれん・意識障害・異常行動などが起こります。

インフルエンザ脳炎・脳症が起こるメカニズムは、まだはっきり解明されていません。

治療が遅れると血管・臓器に障害が起こることがあるので、異常を感じたらすぐ病院へ行きましょう。

5. インフルエンザの検査

多くの医療機関では、迅速診断キットを使ってインフルエンザの検査を行います。

のど・鼻から採取した粘膜を使って、15分ほどで結果を出すことができます。

検査のタイミングは、発症後12~48時間以内がベスト

発症後12時間以内に検査すると、ウイルスの数が少なく正確な検査結果が出ないことがあります。

発症後48時間を越えると、抗ウイルス薬の効果が下がることがあります。

効率よく診断・治療を行うには、症状の現れ方と検査のタイミングを見極めることが大切です。

6. インフルエンザは薬で治せるの?

抗ウイルス薬

タミフル

発症後48時間以内に内服すると、症状が軽快することが多いです。

タミフルの副作用は怖い!?

一時期、タミフルを服用した未成年者の異常行動が話題になりました。

しかし、他の薬を使った・あるいは薬を使わなかった場合も異常行動が起こり得ることがわかりました。

そのため、異常行動は薬の副作用ではなくインフルエンザの一症状とする意見が主流になりつつあります。

イナビル・リレンザ

吸入するタイプの抗ウイルス薬です。

赤ちゃんの場合はうまく吸入できないので、別の薬を使用します。

ラピアクタ

点滴もしくは内服タイプの抗ウイルス薬です。

重症の場合や内服・吸入が難しい場合などに、しばしば使用されます。

他の抗ウイルス薬と異なり、0歳から使用できます。

ただし、新生児や低体重出生児には使用できません。

解熱鎮痛剤

必要に応じて、比較的安全性が高いアセトアミノフェンなどの薬を使用します。

以下の薬はインフルエンザ脳症のリスクを上げるおそれがあるので、原則として乳幼児には使用しません。

  • アスピリン
  • ポンタール
  • ボルタレンタ

抗生物質

抗生物質はウイルスには効かないので、インフルエンザそのものを治すことはできません。

しかし、合併症予防・治療のために抗生物質を使用することがあります。

7. 治るまでのホームケア

安静に過ごす

ウイルスへの抗体ができれば、自然に症状が軽快します。

症状がおさまるまでは、自宅で安静に過ごしましょう。

出席停止期間について

以下の条件を両方満たしていれば、登園・登校が可能になります。

  • 解熱後3日以上(小学生以上なら2日以上)経過している
  • 発症後5日以上経過している

園や学校によっては、医療機関が発行した登園・登校許可証が必要な場合があります。

こまめな水分補給

高熱が続くとたくさん汗をかき、体内の水分が失われやすくなります。

脱水症状を防ぐために、意識して水分を補給しましょう。

一度にたくさん飲むより、数回にわけてこまめに飲むほうが効率よく水分補給できます。

室内の加湿

室内が乾燥すると、ウイルスが増殖しやすくなります。

加湿器などを使って、湿度を40~60%に保ちましょう。

むやみに熱を下げない

発熱はつらいものですが、体がウイルスと戦っている証拠でもあります。

むやみに熱を下げると、体が本来持っている免疫機能が抑えられてしまいます。

また、病院で正確に診断できなくなるおそれもあります。

自己判断で市販の解熱剤を使わずに、病院で診てもらいましょう。

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8. 先輩ママの「うちの子のインフルエンザ体験談」

大阪府・3才の男の子・コアラママより

2才10ヵ月のときに、インフルエンザA型になりました。

夕方熱が出始めたと思ったら、すぐに40度を超え、泣く体力もないようで、ぐったりしています。

かかりつけの小児科を受診しました。

タミフルについて説明を受け話し合った結果、タミフルは使わず、点滴で栄養と水分を補給することにしました。

高熱が長引くのではないかと心配でしたが、幸い、高熱は1日で治まり、4日ほどで回復したので、よかったです。

引用元:熱が出始め、たちまち40度!ぐったりして本当に心配でした

岡山県・3才の男の子・TFママより

大みそかの夜にいきなり発熱。

39度の熱でだるそうにしています。

かかりつけの病院も開いていなかったので、夜間救急を受診。

診察の結果、インフルエンザでした。

たまたま、2ヵ月前の1才2ヵ月のときに予防接種を受けていたので、その効果もあって2日で熱が下がり、元気になりました。

ほかの子にうつすといけないので、外出できないのがストレスだったみたい。

予防接種しておいて本当によかったです。

引用元:インフルエンザの予防接種のおかげて、かなり軽く済みました

参考:病院で処方される薬