赤ちゃんの川崎病とは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. 川崎病はこんな病気

乳幼児がかかりやすい、血管の炎症疾患

川崎病は、正式名称を「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」といいます。

1歳前後でかかる子どもが多く、発症者の80%は5歳未満です。

1967年に、小児科医の川崎富作先生が病気を発見したので、「川崎病」と名づけられました。

川崎病での致死率は下がっていますが、後遺症が残ってしまうことがあります。

年間1万人以上が発症

川崎病は、1982年と1986年に大流行したことがあります。

現在でも、1年に1万人以上の人が、川崎病を発症しています。

発病するのは男の子が多く、女の子の約1.4倍にも上ります。

2. 川崎病の原因は?

原因は不明

現代の医学では、川崎病の原因は解明されていません。

夏と冬に発症する患者さんが多いこと、発症者の多い地域が変わることから、細菌やウイルスが原因ではないかという説もあるようです。

また、発症者の1~2%に兄弟姉妹でかかるケースがあり、遺伝的な原因があるのではないかと考えている、研究者もいるようです。

3. 川崎病の症状とは?

川崎病に見られる症状

川崎病には、いくつかの特徴的な症状があります。

発熱が5日以上続く

川崎病を発症すると、38~39度の高熱が、5日以上続きます。

とはいえ、高熱が出て小児科を受診した際に解熱剤を処方され、5日を待たずに熱が下がることがあります。

そのため、治療しなかったら5日以上発熱したと考えられた場合は、川崎病が疑われることになります。

両目が充血する

川崎病を発症すると、両方の白目が充血して赤くなります。

ですが、目やにが出ることはありません。

舌や唇が赤く腫れる

川崎病にかかると、舌や唇が赤く腫れます。

そして、唇が腫れると同時に、口腔内やのどの粘膜も赤く腫れます。

赤く腫れた舌は「イチゴ舌」といわれ、プツプツができます。

イチゴ舌は溶連菌感染症でも発症することがあり、間違われる可能性もあります。

全身に発疹が出る

全身に、大きさの違う発疹ができます。

発疹は水泡を伴わず、形も様々です。

発疹は、かゆみが出ることもあります。

手足がむくんだり、赤く腫れる

川崎病になると、手足がむくみます。

また、手指や足の先が赤くなり、腫れることもあります。

できたむくみや腫れは硬く、回復して腫れが引くと、手足の皮膚がめくれたり、むけてきます。

リンパ節が腫れる

川崎病になると、首のリンパ節が腫れます。

しこりができたり、痛みを伴うこともあります。

合併症が起こることもある

川崎病は、全身の血液が炎症を起こす病気です。

そのため、肝機能や胆のう、心臓に障害が起こる、合併症を発症することもあります。

中でも注意が必要なのが、「冠動脈瘤」という合併症です。

心臓に血液を送る冠動脈に炎症が起こって血管が拡張し、悪化すると瘤をつくります。

この血管内の瘤が大きくなり、中に血栓ができたり、血管が狭くなることで、血液が十分に心臓に送られなくなる病気です。

血管が完全に詰まると心筋梗塞を起こすこともあるので、早めに対処する必要があります。

4. 川崎病の診断方法とは?

臨床症状で判断する

川崎病にかかったことであらわれる症状は、他の病気でもみられるものが多いです。

そのため、川崎病であらわれる6つの症状のうち、5つがみられれば、川崎病と診断されます。

不全型川崎病と診断されることも

川崎病の主な6つの症状のうち、4つしか当てはまらなくても、冠動脈の腫れや、エコー検査で血管の異常が見つかった時には、川崎病と診断されることがあります。

この場合は、診断基準を満たしていないので、「不全型川崎病」という病名がつきます。

また、発熱とリンパ節の腫れなど、症状が2つしかなくても、不全型川崎病と診断されたこともあるそうです。

5. 川崎病の治療法は?

急性期の治療が重要

川崎病は、身体中の血管に炎症ができる病気です。

悪化すると、心臓の冠動脈に瘤ができてしまうので、早い段階で炎症を抑え込むことが大事です。

そのため、川崎病を発症して7日以内に、治療を始めることが重要とされています。

川崎病の主な治療法

川崎病の治療方法はいくつかあり、症状を考慮して、一つあるいは複数の方法を併用して行います。

免疫グロブリン療法

川崎病の治療法として主に用いられているのが、「免疫グロブリン療法」です。

ガンマグロブリン療法といわれることもあります。

免疫グロブリン製剤と投与することで、全身の血管で起こっている炎症を抑え、冠動脈留ができるのを防ぐという方法です。

免疫グロブリン製剤を投与する量や日数は症状によって異なりますが、大量投与が基本なので、入院して1~2日かけて、点滴で投与することが多いです。

川崎病の特効薬ではありませんが、抗炎症療法としては、大きな効果を発揮します。

アスピリン療法

免疫グロブリン療法と併用されることが多いのが、「アスピリン療法」です。

アスピリンは、血液を固まりにくくする働きをしますので、炎症を抑えて、血栓ができるのを防ぐことができます。

軽症の場合は、アスピリン療法だけで治療することもあります。

ステロイド治療を行うことも

川崎病の患者さんの約20%は、免疫グロブリン療法が効かないといわれています。

そのため、免疫グロブリン療法を始めて24時間経過しても、その効果がみられない場合に、炎症を抑えるためにステロイド剤を使用することがあります。

川崎病で使われる薬の副作用

川崎病の治療で薬を使うことで、副作用があらわれることがあります。

治療を始める前に、十分にお医者さまに説明を聞いておきましょう。

免疫グロブリン製剤の副作用

免疫グロブリン製剤を使うことで、副作用が起こることがあります。

発熱や発疹、じんましん、かゆみ、局所のむくみ、吐き気と嘔吐、寒気、ふるえ、肝機能障害、腎臓障害などです。

また、免疫グロブリン製剤を使った患者さんの約1%には、無菌性髄膜炎や急性腎不全、血小板減少症といった合併症がみられるそうです。

そして、ごくまれにアナフィラキシーショックが起こることもあります。

アスピリンの副作用

アスピリンで起こる副作用の多くは、胃腸症状です。

吐き気や嘔吐、腹痛、胸やけ、便秘、下痢、食道炎、食欲不振、胃部の不快感などがあらわれることがあります。

ステロイド剤の副作用

川崎病の治療で長期間ステロイド剤を使用することは少ないですが、副作用が出る可能性はあります。

免疫力の低下や胃潰瘍などが、あらわれることがあります。

6. 川崎病の後遺症

冠動脈障害が残ることがある

川崎病は早期に適切な治療を行えば、完治した後は日常生活に戻れます。

ですが、合併症として冠動脈瘤を発症した場合、血管内の瘤がそのまま残ったり、冠動脈が広がったままになるなど、心臓の血管に障害が残ることがあります。

その総称を、「冠動脈障害」といいます。

もし、冠動脈障害が残ってしまった場合は、アスピリンなどで投薬治療を行います。

投薬治療で治らなかった時には、カテーテル治療を含めた、外科的手法が検討されます。

7. 川崎病のホームケアとは?

川崎病は入院加療が基本

乳幼児が川崎病を発症した場合は、1週間ほど入院し、治療を受けるのが一般的です。

入院中に発熱が見られた時には、入院期間が10日になることもあります。

血液検査で問題がなければ、早期に退院することも可能です。

薬の服用を継続する

合併症がなければ、退院して自宅に戻った後は、普通に生活できます。

ですが、運動できるようになるのは、退院後2~3カ月後です。

また退院後も2~3カ月は、薬を飲み続けることになります。

2~3週間に一度は外来で検査を受け、その後も半年から1年ごとに定期検診を受けることになります。

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8. 先輩ママの「うちの子の川崎病体験談」

3ヵ月の男の子・あやぼんさんより

38度の発熱と全身の発疹、目の充血がみられたので、病院で血液検査を受けたところ、川崎病と診断され、入院しました。

心臓のエコー検査で冠状動脈瘤になる疑いがあることがわかり、血液製剤尾γグロブリンを点滴すると共に、ステロイドとアスピリンも併用しました。

まだ小さかったこと、冠状動脈竜の経過を診るため、入院は20日に及び、耐インフォも定期的に心臓のエコー検査を行っています。

引用元:あやぼんさんの体験談