卵子の凍結保存とは?方法・流れ・費用・タイミング・痛みの有無

1. 卵子凍結とは?

未受精の卵子を卵巣から取り出し、凍結保存しておく「卵子凍結」が注目されています。

卵子凍結を行うおもな目的は、以下のとおりです。

将来の妊娠に備えるため

女性の社会進出やライフスタイルの多様化により、近年ますます晩婚・晩産化が進んでいます。

同時に、加齢によって卵子が老化し妊娠しにくくなることも少しずつ知られるようになりました。

そのため、将来の妊娠に備えて少しでも若い卵子を保存しておきたいと考える女性が増えています。

抗がん剤・放射線治療後も妊娠の可能性を上げるため

抗がん剤や放射線治療を行うと、副作用として生理が止まってしまいます。

治療が終われば生理が再開しますが、中には治療後も生理が起こらず閉経してしまうケースもあります。

治療前に卵子を凍結保存しておけば、治療後でも妊娠できる可能性が高まります。

婦人科系疾患になっても妊娠の可能性を上げるため

子宮内膜症などの婦人科系疾患があると、やはり妊娠率が下がってしまいます。

将来婦人科系疾患になるリスクが高い人が、若くて健康なうちに卵子凍結を行うことがあります。

体外受精の一環として

不妊治療で行われる体外受精では、受精後の胚(受精卵)を凍結保存するケースが多いです。

しかし、男性不妊・男性の体調不良などが原因で予定通りに採精できない場合もあります。

その場合、次回以降のサイクルに備えて卵子を未受精のまま凍結保存しておきます。

2. 卵子凍結を行うタイミング

より質のよい卵子を確保するためには、少しでも年齢が若いうちに行うのがよいとでしょう。

日本生殖医学会は、「40歳を超えた女性の卵子凍結は推奨できない」と発表しています。

凍結した卵子は、いつまで保存できる?

凍結した卵子を破棄するタイミングは、以下のとおりです。

本人が生殖可能年齢を超えたら…

女性の年齢と比例して着床率は下がり、反対に初期流産率は高くなります。

そのため、女性が高齢だと質のよい卵子を使って体外受精を行っても出産に至りにくくなります。

日本生殖医学会は、「採取した卵子を45歳以上の時点で使用することは推奨できない」と発表しています。

女性本人が生殖可能年齢を超えた場合、病院側は本人に通知したうえで卵子を破棄することができます。

通知なしで破棄されるタイミング

以下のいずれかを満たした場合、病院側は本人に通知せずに卵子を破棄することができます。

  • 本人が「卵子を破棄してもよい」と意思表示した
  • 本人が死亡した

3. 卵子凍結のおもな流れ

排卵誘発

確実に卵子を採取するため、採卵の1~2サイクル前から薬(ホルモン剤)を投与して卵巣を刺激します。

いくつかの排卵誘発方法から、体質・スケジュール・費用に合ったものを選びます。

排卵誘発方法やタイミングによって、内服薬・点鼻薬・注射などさまざまな薬を使い分けます。

また、薬を一切使わず自然な排卵を待つ方法もあります。

排卵誘発にともなう痛み・体調の変化

ホルモン剤を投与することでホルモンバランスが乱れ、さまざまな体の不調が起こることがあります。

また排卵誘発時のホルモン注射は筋肉注射なので、通常の静脈注射より痛みは強めです。

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)に注意!

ホルモン剤で強制的に卵巣を刺激すると、卵巣に大きな負担がかかります。

その結果、卵巣の腫れや腹水などの症状が出ることがあります。

採卵

卵胞が十分育ったことが確認できたら、採卵を行います。

膣壁から卵巣に向かって特殊な針を刺し、育った卵子を吸い出します。

排卵誘発方法によって差がありますが、1回の採卵で約1~10個の卵子を採取できます。

採卵時に痛みはある?

多くの病院では、採卵時に麻酔(全身麻酔または局所麻酔)を使います。

ただし、麻酔が弱く若干の痛みを感じることもあるようです。

また、麻酔が切れると下腹部痛や出血が起こることがあります。

そのため、採卵後は病院で数時間安静にしてから帰宅します。

凍結保存

卵子の質を極力落とさないよう急速凍結する「ガラス化凍結法」などが広く実施されています。

融解・受精・移植

妊娠したいタイミングに合わせて、凍結した卵子を融解します。

融解した卵子に精子をふりかけて体外受精を行い、約2~6日かけて胚(受精卵)を育てます。

胚が育ったら、女性の子宮に胚を移植します。

移植時に痛みはある?

特殊なカテーテルで胚を吸い上げ、子宮内膜の上に置いて移植を行います。

基本的に膣壁や子宮内膜を傷つけることはないので、痛みはほとんどありません。

4. 卵子凍結にかかる費用のめやす

卵子凍結には保険診療が適用されないので、病院によって費用は大きく異なります。

費用の内訳

国内のある病院では、卵子凍結費用の内訳は以下のようになっています。

  • 排卵誘発・検査・診察費…30,000円~
  • 採卵費…60,000円~(採卵数により変動あり)
  • 卵子凍結作業…33,000円~(採卵数により変動あり)
  • 卵子融解作業…20,000円~
  • 凍結卵子保存料…2,000円~(数量・保存年数により変動あり)
  • 延長事務手数料…4,000円/回

保存する卵子の数や保存期間によって、費用が変わる

卵子の数が多いと凍結作業にかかる手間が増えるので、費用は高くなります。

また、凍結卵子を長期間保存する場合は定期的に延長料金がかかります。

「卵子凍結=妊娠・出産の保障」ではない

若いうちに卵子を凍結しておくことで、ある程度年をとっても妊娠できる可能性は高くなります。

ただし、いくら質のよい卵子・精子を使って体外受精しても100%出産できるわけではありません。

また、独身女性の場合は「この人の子どもを産みたい」と思えるパートナーが見つからなければ妊娠のチャンスは訪れないでしょう。

高いお金をかけて卵子凍結を行っても100%出産できるとは限らないので、よく考えてから実行しましょう。

パートナーが見つからなくても、精子提供を利用できる?

現在の日本の法律では、医療機関で精子提供を受けられるのは既婚者のみとなっています。

法的な配偶者がいない人(独身者・シングルマザーなど)の場合、民間企業や個人から精子提供を受けることは可能です。

また、海外(アメリカなど)で精子提供を受けることもできます。

ただしこれらの方法には多額の費用がかかるうえに、トラブルに巻き込まれる恐れもあるので要注意です。

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