新鮮胚移植とは?流れ・費用・成功確率・着床や妊娠判定の時期

1. 新鮮胚移植とは?

新鮮胚移植とは、体外受精のうち、採卵~胚移植までを1サイクル内で行う方法です。

一旦凍結保存した胚を使う凍結胚移植と区別するため、新鮮胚移植と呼ばれています。

新鮮胚移植のメリット

通院期間が短い

1サイクル内で採卵~胚移植まで進むことができるので、凍結胚移植に比べて通院期間が短くなります。

金銭的負担が少ない

胚を凍結保存・融解する必要がないので、その分費用を抑えることができます。

新鮮胚移植のデメリット

排卵誘発剤の副作用が出やすい

排卵誘発剤を使うと卵巣・子宮に負担がかかり、ホルモンバランスが乱れやすくなります。

その場合、卵巣・子宮の回復を待たずに移植しなければなりません。

凍結胚移植に比べて、やや成功率が低い

卵巣・子宮の状態が良くないまま移植に進むことが多いため、凍結胚移植よりもやや成功率が低くなります。

2. 新鮮胚移植の基本的な流れ

卵巣刺激

予算・体調・スケジュールなどに合わせて、いくつかの方法から選ぶことができます。

刺激法

薬を使って卵巣を刺激し、排卵をうながす方法です。

1回の採卵で多くの卵子を採れますが、体への負担が大きくなります。

薬の種類や投薬期間の長さによって、いくつかの方法に分けられます。

  • ショート法
  • ロング法
  • アンタゴニスト法

低~中刺激法

刺激法より弱めの薬を使うか、薬を使わず自然な排卵を待つ方法です。

1回あたりの採卵数は少なくなりますが、体に負担がかかりにくいです。

  • クロミフェン法・hMG/rFSH注射
  • 完全自然排卵周期法

採卵・採精

採卵

卵胞がしっかり育ったことが確認できれば、採卵を行います。

膣壁から卵巣に向かって特殊な針を刺し、卵子を吸い出します。

卵巣刺激方法や体質によって差がありますが、1回の採卵で1~10個の卵子を採取できます。

採卵後は数時間安静に過ごし、体調が落ち着いたら帰宅します。

採精

採卵日当日、病院の採精室で採精を行います。

当日の朝に、自宅で採取した精子を病院に持ち込む場合もあります。

受精・胚培養

状態のよい卵子と精子を選び、シャーレに入れて受精させます。

受精が成立したら、受精卵が育って胚になるまで培養します。

培養日数は初期胚移植なら2~3日、胚盤胞移植なら5~6日ほどです。

凍結

状態のよい胚が複数できた場合、余った分を凍結保存します。

新鮮胚移植で妊娠に至らなかった場合、次回以降のサイクルで凍結胚移植を行います。

ホルモン療法

卵巣刺激期間に引き続いて、採卵~移植後もホルモン投与を続けることが多いです。

子宮内の環境を整え、着床しやすくする効果があります。

移植

専用カテーテルで吸い上げた胚を、子宮に移植します。

胚を子宮内膜の上に置くだけなので、痛みはそれほどありません。

複数の胚を移植することも

1回に移植する胚は、原則として1個となっています。

ただし、着床率を上げるために2~3個の胚を移植することもあります。

その場合は、多胎妊娠のリスクも高くなります。

妊娠判定

尿検査または血液検査で、妊娠の有無をチェックします。

正確に判定するため、移植後2週間ほど待ってから行われます。

3. 新鮮胚移植の成功率

厚生労働省によると、平成22年度に行われた新鮮胚移植の成功率(胚移植から出生に至った確率)は約16%となっています。

上でも述べましたが、凍結胚移植の成功率(約22%)と比べるとやや低い数値になります。

4. 新鮮胚移植にかかる費用のめやす

新鮮胚移植の場合、1回の採卵~移植で少なくとも20万円前後かかります。

卵巣刺激方法や凍結胚の個数によっては、さらに費用が上がることもあります。

体外受精を含む特定不妊治療には健康保険が適用されませんが、代わりに助成金制度を利用することができます。

不妊に悩む方への特定治療支援事業

以下の条件を満たす場合、国からの助成金を受給できます。

  • 特定不妊治療以外の方法で妊娠できる見込みがない(もしくはほとんどない)と診断された夫婦
  • 前年度の夫婦合計の所得が730万円未満
  • 治療開始時点で妻が43歳未満
  • 国が定める医療機関で治療している

受給金額・回数について

妻が40歳未満なら6回、40歳以上43歳未満なら3回まで受給できます。

  • 初回の治療…30万円まで
  • 2回目以降の治療…15万円まで
  • 採卵せず凍結胚移植のみを行う場合など…7万5000円

自治体独自の助成制度

多くの自治体では、不妊治療に対する独自の助成制度が設けられています。

助成内容・条件は、自治体によってさまざまです。

例1:東京都港区の場合

助成を受ける条件

次の条件をすべて満たす場合に、助成を受けることができます。

  • 夫婦両方、または所得の高いほうの住所が港区にある
  • 都道府県が定める医療機関で特定不妊治療を受けている
  • 都道府県から特定不妊治療助成金の交付決定を受けている
  • 他の区市町村から特定不妊治療助成金の交付を受けていない
助成内容

助成対象は、治療費から都道府県などの助成金額を差し引いた額です。

年間の助成金額の合計が30万円に達するまで、何度でも申請することができます。

また、男性不妊治療(精子を精巣などから採取する手術)に対しては年間15万円まで助成を受けることができます。

通算5年度まで助成を受けられますが、平成33年度から「妻の年齢が43歳以上で開始した治療」は対象外となります。

参考:平成29年度 港区特定不妊治療費用助成のご案内(PDF)

例2:大阪市の場合

助成を受ける条件

以下の条件をすべて満たすと、助成を受けることができます。

  • 特定不妊治療以外の方法で妊娠できる見込みがない(もしくはほとんどない)と診断された夫婦
  • 大阪市長が定める医療機関で特定不妊治療を受けた
  • 第三者からの精子・卵子・胚提供、代理母、借り腹(夫婦の精子・卵子を体外受精して得た胚を、第三者の子宮に入れて妊娠・出産する方法)による治療ではない
  • 申請時点で大阪市内に住所がある
  • 前年度の夫婦合計の所得が730万円未満
  • 治療開始時点で妻が43歳未満
助成内容

実際の助成内容は、以下のとおりです。

  • 治療ステージA、B、D、E→1回の治療につき初回なら30万円まで、2回目以降は15万円まで助成
  • 治療ステージC、F→1回の治療につき7.5万円まで助成
  • 男性不妊治療(精子を精巣・精巣上体から採取する手術)→15万円まで助成

参考:大阪市 不妊に悩む方への特定治療支援事業(特定不妊治療費助成)

医療費控除

その年に高額の医療費を支払った場合、確定申告時に申請すると所得税などが軽減されます。

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