副耳とは?切除したほうがいい?原因・症状・治療法・対応

1. 副耳はこんな病気

先天性の皮膚の隆起

副耳とは、赤ちゃんの耳の穴の前や頬に、イボのような皮膚の隆起が生まれつきある病気のことをいいます。

ほとんどの赤ちゃんは、片側にだけ副耳が見られますが、中には両耳や首についていることもあります。

イボ状の隆起の大きさは、ゴマ粒程度から大豆くらいあるものまでさまざまです。

赤ちゃんの耳ができるしくみ

受精卵が着床して25日ほどたつと、赤ちゃんの耳の元となる部分があらわれます。

その耳の元は妊娠5週の終わりを迎えるころには、小さな隆起になります。

そうした隆起はだんだんと周囲のパーツと癒合し、妊娠7週になるころには、耳の形が整います。

妊娠10週目には大人と同じような形状になり、妊娠22週には耳が完成します。

この過程のいずれかに外的要因が加わることで、耳の奇形を発症するのです。

珍しい病気ではない

副耳は耳の奇形の中では最も多く、1,000人に15人程度、あらわれるといわれています。

副耳の中には、耳介の変形といった耳そのものの病気を伴うこともあるそうです。

通常の副耳は触ると柔らかく、ぷよぷよしています。

ですが、中には軟骨が入り込むことがあり、その場合はイボを触ると硬いしこりを感じます。

2. 副耳の原因は?

成長の過程での不具合

副耳が起こる原因は、現代の医学では解明されていません。

ですが副耳の場合は、赤ちゃんの耳や顔面が発生する過程で、何らかの不具合が生じることで起こると考えられています。

副耳は遺伝性であるとも考えらえており、ときには顔面裂や耳の病気を合併することもあるそうです。

副耳を伴う顔面裂とは?

顔面裂とは、胎児期に組織の障害が起こったり、癒合不全を起こすことで、顔にさまざまな裂異常が起こる奇形の総称です。

口唇口蓋裂がほとんどですが、それ以外の部分に異常がみられることもあります。

出生後の早い段階から、生後3カ月ころまでに手術を行うのが一般的です。

そうした赤ちゃんに、副耳が見られることは少なくありません。

副耳の合併症

副耳を持つ赤ちゃんの中には、「小帯短縮症」を合併しているケースもあります。

小帯短縮症とは、下の裏側の中心部にあり、口の底に向かっているヒダの部分が、生まれつき短い状態をいいます。

哺乳に問題がなければ、手術を受ける必要はない病気です。

副耳の治療を受けたときに、見つかることも少なくありません。

3. 副耳の症状とは?

症状はほとんどない

赤ちゃんが副耳を持って生まれても、その症状はほとんどないといわれています。

ですが、副耳の根の部分に湿疹ができやすくなることがあるようです。

また、副耳そのものに症状はなくても、見た目に問題を感じて、切除を希望するパパやママが多いそうです。

4. 副耳の治療法は?

治療は手術が基本

副耳を治療する手術方法は、2つあります。

結紮術

副耳の中に軟骨が含まれていない、小さな副耳に用いられる手術方法です。

ナイロンの糸で副耳の根元を縛り、血流を止めることで壊死させます。

赤ちゃんに結紮をするときには、痛みが一瞬あります。

ですが、麻酔をするほどではありません。

ナイロンの糸で副耳を縛ってから10日間から2週間ほどで、自然にとれます。

かつてお産婆さんが出産を扱っていた時代には、出生直後に副耳を縛っていたそうです。

傷痕は残りますが、そのほとんどは目立たなくなります。

副耳切除術

副耳に軟骨が含まれている場合には、結紮術では壊死しません。

そのため、形成外科あるいは小児外科で、副耳切除術を受けることになります。

ただし、子どもが副耳切除術を受ける場合には全身麻酔が必要なので、ある程度大きくなるまで待たなければなりません。

手術の所要時間は、1時間程度です。

大人になって手術を受ける場合には、局所麻酔で行います。

術後1週間程度で抜糸をし、半年から1年を経過するころには、術後の傷はそれほど目立たなくなります。

5. 麻酔についてどう考える?

小児麻酔

副耳の手術に限らず、満15歳未満の子どもに行われる麻酔のことを、「小児麻酔」といいます。

麻酔の中でも、専門が細分化されています。

新生児麻酔

出生直後から生後4週までに行われるものをいいます。

乳児麻酔

生後4週から1歳までにまでに行われるものをいいます。

幼児麻酔

1歳から6歳までに行われるものをいいます。

年長児麻酔

6歳児以上の子どもに行われるものをいいます。

小児麻酔の役割

小児麻酔の役割は、痛みをとることだけではありません。

乳幼児が、余計な不安や恐れを感じないようにするという、意味が大きいのです。

小児麻酔の方法

大人が全身麻酔をするときには、静脈に点滴を確保するものです。

ですが6歳以下の年少児に全身麻酔を行う場合には、最初に点滴ルートを確保することはありません。

注射や刺すときの痛みを感じさせないように、甘い香りをつけた吸入麻酔薬と酸素をマスクから吸ってもらいます。

少しずつ全身麻酔をかける緩徐導入法が用いられ、十分に麻酔がかかってから、静脈に点滴ルートを確保します。

小児麻酔のリスク

麻酔の専門医が行いますので、子どもが全身麻酔を受けたことで事故死する可能性はほとんどないといっても過言ではないでしょう。

ですが、乳幼児の体調やアレルギーにより、危険な状態に陥る可能性はあります。

そのため、手術で麻酔を用いる際には、術前に十分に検査をして、子どもの全身の状態を詳しく調べてもらう必要があります。

6. 副耳にはどう対応する?

治療しないという選択肢もある

そのほとんどは問題がないので、放置したまま大人になるひともたくさんいます。

というのも、全身麻酔を伴う手術には、多少のリスクがあるからです。

学校に通うようになり、副耳をからかわれて本人が取りたいといったときに、手術を受けるケースもあるようです。

家族で話し合って、手術を受けるかどうかを決めることをおすすめします。

6. 副耳の治療費にかかる目安とは?

健康保険が適用される

副耳の治療は、健康保険が適用されます。

そのため、赤ちゃんの場合は、自己負担額が2割になることが多いようです。

ですが実際には、地方自治体のほとんどが乳幼児医療費助成制度を設けていますので、副耳の治療の費用についても、一部または全額の補助が受けられます。

まずは、居住している地方自治体の乳幼児医療費助成制度のことを、調べてみましょう。

民間の医療保険の対応はさまざま

赤ちゃんの副耳を治療するために手術を受けた場合、民間の医療保険から給付金が受けられるかどうかは、加入している保険会社や保険内容によって異なります。

まず、保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。

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7. 先輩ママの「うちの子の副耳体験談」

2歳1ヵ月の男の子のママ・リスメロディさんより

長男の耳には産まれつき、「副耳」がありました。

長男が産まれてすぐ、看護師さんが気軽に教えてくれました。

見た目の問題がいじめに発展する可能性もあるので、小さいうちに手術で取ることに決め、かかりつけの小児科から東京小児総合医療センターの形成外科を紹介してもらい、受診することにしたのです。

小さいころに取れば医療費もかからないので、手術を受けさせることにしました。

息子には2つの副耳があり、術前に血液検査を受けたり、麻酔の相談で病院に行きましたが、手術自体は日帰りで行われました。

朝に病院へ連れて行き、術後に少し経過を診て、夕方には帰ることができました。

病院によっては、1週間ほど入院しなければならないこともあるようです。

手術後に抜糸をしてからは、傷痕を見えにくくするテープを貼り、1カ月ほどは耳にガーゼをあてて過ごしました。

術後10カ月を過ぎるころには、副耳があったことがまったくわからないようになりました。

引用元:産まれつき副耳がある息子☆副耳の治療方法

3歳の女の子のママ・ひよこさんより

副耳手術当日は、飲食の制限があります。

食事は手術当日の午前0時まで、水分は当日の朝6時までで、飲めるものも水かお茶、スポーツドリンクだけです。

手術当日にまったく水分を摂らないのはかわいそうなので、早めに起こして6時前にスポーツドリンクを飲ませました。

手術は9時からだったので、8時までに病院に来るように指示されていました。

時間外入り口から入り、日帰り入院者専用の病室で、体温や血圧を測定し、異常がないことを確認。

おしりから鎮静剤を入れましたが、手術当日で本人が一番つらい思いをしたときだったかもしれません。

あっという間に鎮静剤が効いて、娘はうとうとし始め、ストレッチャーに乗せられて手術室へ。手術室までは、親も付き添いました。

手術後は回復室で休み、手術室から出てきたのは10時半くらいでした。

意外と元気で、手術室から「ママ~、ウェーン」という泣き声が聞こえてきたほどです。

病室に戻ってからは、おもちゃで遊んだり、ビデオを見たりして過ごし、12時ころには飲み物を飲む許可が出て、お茶が出されました。

問題なく飲めたので、30分後にはクッキーとヨーグルト、リンゴジュースが出されました。

3時過ぎには麻酔科と形成外科の先生が回診に来て、問題がなかったので退院許可が下りました。

退院時には抗生剤と胃薬、外用の消毒薬が3日分処方されました。

退院して1時間ほどたったときに、麻酔科の先生に「娘さんに何か異常はないですか?」と電話をいただきました。

これは、そのくらいの時間帯に体調の急変が起こりやすいからだそうです。

この確認の電話を受けられるように、1時間以内に電話連絡がとれない距離に自宅がある場合は、日帰り手術は受けられない決まりになっていました。

同じ理由で、退院後の寄り道も禁止されていました。

うちの娘は手術室から戻ってきた時点でほぼ普段通りで、退院になるまでの時間は大声を出したり、踊り出しそうなのを抑えるのが大変なくらいで、体調の心配はまったく不要でした。

引用元:子どもの副耳手術体験談/手術当日の流れ